伊関友伸作品の書評/レビュー

自治体病院の歴史 住民医療の歩みとこれから

重たい課題
評価:☆☆☆☆★
明治期から現代におけるまで、公立病院がどのように誕生し、そしてどんな課題を抱え、今まさにどういう方向に行こうとしているかを、通史的に整理した大著と言えよう。
明治の医療と言えば遠い過去の様に思えるが、現在も存在する済生会は明治天皇の恩賜により設立された財団であるし、ハンセン病隔離施設なども公立病院に位置付けられると考えると、現代ともかなりつながりがあると言える。

大きな病気にかからなければ公立病院のような大きな病院に行くことはまずないが、だからと言ってないがしろにすればいざという時に困る。しかし、やたらと大きくすればよいということもないはずで、超高齢化社会に進む現代における課題を考察する上で、過去にどんな変遷をたどってきたかを知るために歴史を踏まえることは重要かもしれない。

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