小野展克作品の書評/レビュー

企業復活 「日の丸ファンド」はこうして日本をよみがえらせた

やりがいはお金に代えられない
評価:☆☆☆☆★
 回想録的な内容のドキュメントは、本人が直接書いたほうが"熱い"ものが出来上がると思っている。なぜなら、取材者を介すると、二度、自主的な検閲がかかるからだ。本人が話すことを躊躇し、話を聞いた著者が書くことを躊躇する。そういう意味で、その瞬間の心理や内情にまでは切り込め切れていない気はする。しかし、産業再生機構が何を行おうとしたか、何を行ったかというドラマを提供することには成功している。
 世間からは市場原理を破壊すると批判されていた、政府資本による事業ファンド。そのイメージに反し、市場を生き抜いてきた実力者たちで組織を固め、民間的なやり方で企業復活を成し遂げた。日本の現在の政治の仕組みの中でも、人さえ集めることが出来れば、様々な圧力を排して組織を運営することは可能なのだと知り、少しホッとすると同時にやる気が出てきました。

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