加藤英明作品の書評/レビュー

行動ファイナンス

文章が分かりやすいことは確か
評価:☆☆☆☆★
 第I部が行動ファイナンスの理論的基礎の説明、第II部が日本市場における理論の検証となっている。行動ファイナンスの概要が知りたいと言うボクの目的からは外れるので、第II部に関する評価は省略します。

 第I部では、効率的市場と合理的判断を前提とする伝統的ファイナンスの特徴の説明から始まり、その理論からのずれであるアノマリーの存在を明らかにして、その原因を投資家の行動心理に求めている。
 それぞれの理論に登場する概念(認識のバイアス、選択評価のバイアスなど)を幅広く、読みやすく解説しており、行動ファイナンスの根本理念を知りたい人には十分な情報を与えてくれると思う。しかし、紙幅の関係上、数学的な解説にまでは踏み込めていないので、高校数学程度の確率論の知識がないと、ベイズの定理などを理解するのは少し厳しいかもしれない。

 教科書としては普通なのかもしれないが、素人がちょっと興味を持った程度の動機で手を出すには、価格的な面を考慮するとオススメとまでは言い切れない。
(素人の意見ですが)

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