主藤孝司作品の書評/レビュー

企業出版 ~社長と経営者のための経営出版とブックマーケティングに成功する条件~ ブランド、セールス、マネジメント、リクルート、ファイナンス、モチベーション、PR、広報

個人では買えません
評価:☆☆★★★
 文書量として言えば、新書一冊分程度であろう。さらに言えば、ページ数が350ページ程であるにも拘らず、厚さは500ページ級だ。つまり、通常よりも分厚い紙を使っている可能性が高い。文書量との兼ね合いから、行間も広い。
 価格に目を転じれば、単行本としては破格の高額である。これは本書が部分再販品であり、買取をした著者が自分で自由に値段を決められるため実現したと思われる。官報扱いであり、シリアルナンバーを活用してユーザーサポートが提供されているとはいえ、あまりにも高い。

これらの異常性が何に起因するのか、それを本書は明らかにしている。つまりは、書籍という媒体が持つ権威を体現しているのだ。

 本書で繰り返し主張しているのは、マーケティングやブランディング、セールスにおける、広告に対する書籍の優位性だ。
 瞬間的には否定したくなる気もするが、これらに対して広告の優位性を主張する人々は、実はそれによって利益を得ていて、かつ、声が大きい人たちであるという事実を本書は指摘する。媒体寿命が短く、かつ、それを表示するためのメディアが必要であることが、広告代理店や、出稿者たるメーカーのビジネスモデルの根幹にあり、逆に媒体寿命が長くメディアも不要な書籍の有効性が認められてしまうと、損失を被ることになるという。

 しかし、何でも良いから書籍を出版すれば良いというものではないらしい。一貫性のない出版は、逆に不利益を生むことになるという。ここでいう一貫性とは、著者の経歴、企業の目的、書籍の内容の一貫性だ。これを踏まえて書籍を出版すれば、出版コストを上回る利益を生む活動になりえるのだ。
 このとき注意しなければならないのは、ベストセラーを目指すことが必ずしも正しいという訳ではないということだ。ベストセラーは不特定多数の注目を集めなければならないが、企業の目的に合致する読者はその中の少数でしかない。ゆえに正しい出版は、その特定少数にリーチする内容になっていなければならないのだ。

 だが、功なり名を遂げた企業経営者は、得てしてその原則を忘れやすい。ついつい、自慢話を書いてみたり、ベストセラーが書けなくて悩んだりするという。そんな経営者をマネジメントし教育するために出版されたのが本書なのだ。

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