ミクロ経済学 第3版(ジョセフ・E.スティグリッツ)の書評/レビュー


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スティグリッツ ミクロ経済学 第3版 (共著:カール・E.ウォルシュ)

分厚くて読むのが大変、でも文章は明快
評価:☆☆☆☆☆
 原著を三分割した翻訳版の内の二分冊目。一分冊目が「経済学入門」になっているが、第一章や随所にその内容が埋め込まれているため、必ずしも「経済学入門」を読まなければならないということはないと感じた。ただ、文章はとても読み易く明快に書かれているが、ある程度の前提知識がないと理解し切れない部分があるため、何がしかの入門書は事前に勉強しておいた方が良いかも知れない。
 完全市場のケースとして、生産物市場、資本市場、労働市場のそれぞれについて具体例を挙げながら説明し、独占や寡占、各市場の不完全性について説明を展開している。また、最新のミクロ経済学として、近代の貿易政策やゲーム理論、外部性の問題として技術革新や環境問題にも触れている。
 計算問題に習熟するというよりは、ミクロ経済学の概念について解説することに重点を置いているという感じ。アメリカの事例が多いのだが、日本版への訳者による追記も多く、日本での教科書としての利用にも配慮しているように思う。しかし、民営化に関する追記には前提条件などの記述の不足を感じた。

 経済学に対する確信が揺らいでいる今だからこそ、新たな展開に対するスタートラインとして、基本を再確認してみるのも良いのではないでしょうか。以上、素人からの感想でした。

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