しきしまふげん作品の書評/レビュー

現代萌衛星図鑑(画:へかとん)

人工衛星に愛着がわいてくる
評価:☆☆☆☆☆
 2009年9月18日、宇宙ステーション補給機(HTV)は国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングを成功させた。
 ISSの実験モジュール「きぼう」に設置された反射板にレーザーを照射し、その瞬きで位置を確認しながら、花びらが地表に舞い落ちるよりもゆっくりと、そっと優しく近づいていくHTV。その"体"は、ISSの"手"によって優しく抱き寄せられる…。

 本書では、このドッキングのノウハウの基礎を作り上げた技術試験衛星「きく7号」、愛称「おりひめ」「ひこぼし」や、小惑星探査機「はやぶさ」、月周回衛星「かぐや」など、現代日本の宇宙開発の象徴たる衛星群が擬人化(=美少女化)されて紹介されている。
 イラストは大層可愛らしいのだが、彼女たちに課されるミッションたるや、体育会系も真っ青の凄まじいものである。

 個人的なことを言うと、「はやぶさ」の署名キャンペーンや「かぐや」のメッセージキャンペーンにも参加したので、結構、日本の宇宙開発はそこそこ知っているつもりだったけれど、まだまだ知らない苦労話はいっぱいあるんだ、と思わされる本だった。
 とはいえ、それほど専門的に詳しく書いてある本でもない。このくらいのレベルでJAXAが小冊子を作って小中学校に配ったら、日本の将来の宇宙開発レベルも底上げされるのではないのかな?予算の問題はあるかもしれないけれど、教育は一朝一夕ではでき上がらないものだからねぇ。

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