吉田武作品の書評/レビュー

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語

不満があるならはっきりいいましょう
評価:☆☆☆☆★
 小惑星「イトカワ」にあなたの名前を届けよう。そんなキャンペーンにかつて応募した人間の一人としては、その配達者「はやぶさ」の活躍記録とあっては、読まないわけにはいきません。と思ったのですが、実際の内容は少し違うようです。
 本書の前半は、日本ロケット開発史が描かれており、その中で糸川英雄という人物が、どれほどの功績を果たしたのかということが賛美されています。そして、宇宙研というものがどれほどすばらしい研究機関であったか、ということも。その過程で、官庁間の綱引き、政治闘争があったということも。
 確かに、これはこれで面白い話ですし、読めて良かったとは思いますが、主題とは異なるのでは?とも思いました。研究機関同士の権力争いやら、研究の主導権争いの道具として、純粋に「はやぶさ」に興味を持った人を巻き込むような、こういうやり方はいかがなものかと思います。

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