E.E.スミス作品の書評/レビュー
三惑星連合 レンズマン・シリーズ (6)
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レンズマンはどの様な背景により生まれたのかを明らかにした、レンズマン・シリーズの前史的な位置づけの作品になっている。三部構成であり、「黎明期」「世界大戦」「三惑星連合」からなっている。
「黎明期」では、宇宙に初めに興ったふたつの文明、アリシアとエッドアが、その後に興る数々の文明に対して果たした役割について語られる。「世界大戦」では、ヨーロッパ戦線の様子や、アメリカ国内の軍需産業の様子が描かれる。また、「三惑星連合」では、地球人類が初めて遭遇する異星人との対立の様子がスパイ小説風に描かれている。
原則として、全宇宙を全体主義的な体制で支配しようと操作するエッドアに対して、彼らに気づかれない様にそれを阻止する文明を育てようとするアリシアという、善悪二元論の側面が強い。
しかもこの善悪は、キリスト教的な神と悪魔に擬されている印象があり、悪魔側は人類に害をなすのだがどこか抜けている所があり、神側は人類を導いて行くのだが、その際に犠牲が出ることをあえて避けようとはしないのである。
そんな感じなので、単純な冒険小説・スペースオペラとして楽しむのがよさそうに思う。
ファースト・レンズマン レンズマン・シリーズ (5)
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第二段階レンズマン レンズマン・シリーズ (3)
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銀河パトロール隊 レンズマン・シリーズ (1)
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