塩の街(有川浩)の書評/レビュー


 塩の街(有川浩)の作品の書評/レビューを掲載しています。

塩の街

図書館戦争の原点だったとは
評価:☆☆☆☆☆
 文庫版を持っているのでハード版が出ると知ったときも特に買う気はなかったのですが、新聞広告に「大幅改定!」と書かれていたのでついつい買ってしまいました。…買って良かった。
 ある日突然、東京湾に巨大な塩の柱が落下する。同時に周辺の人間達が塩の柱になるという現象が発生する。無政府状態になった日本では、治安が悪化するとともに、塩化は徐々に進行していく…。そんな世界で出会った航空自衛官秋庭高範と高校生小笠原真奈。そんな彼らとめぐり合い別れて行く人達の物語。そして、世界の再生。
 文庫版のラストシーンの一部削除と併せて追加された前日・後日談が読ませます。メインキャラ二人の幸せな物語も良いのだけれど、野坂夫妻と入江を主人公とする短編が個人的には好き。本編では描ききれなかったそれぞれの深さを見せてもらったような気がします。もしかすると、高範と真奈よりも深みが増しちゃったかも。
 文庫版はこれから世界はどうなるんだろう?という想像の余地を残して終わったけれど、ハード版では丸く収まって解決という雰囲気になっています。そのことを覚悟して読んだ方が良いかもしれませんね。

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