シアター! (2)(有川浩)の書評/レビュー


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シアター! シアター! (2) 未定

シアター! (2)

本格商業化へ、負うた子に教えられ?
評価:☆☆☆☆☆
 兄の春川司から運営資金として300万円を借りた劇団シアターフラッグの泣き虫主宰・春川巧は、借金の条件として運営益で2年以内の借金返済ができなければ劇団を解散するという条件をつけられた。人気声優の羽田千歳を女優に加え、兄に2年限定の経理責任者をお願いして、何とか利益を出せるところまではたどり着くことができた。
 今度はこの動員規模を大きくして、安定した採算ベースに乗せるための奮闘が始まる。

 1巻では春川司と羽田千歳がストーリー展開の両輪として活躍したけれど、今回は序盤は控えめ。前巻では劇団メンバーという程度の位置づけでしかなかったキャラクターたちが、大体二人1組になって、4つのetudeを奏でる。このため、おとなしく収まるストーリーばかりではなく、トラブルも多いに発生する。
 エチュードのうちは「春川司先生の電話相談室」みたいな感じで相談役に徹していた鉄血宰相が、STAGEに入ってからは立場を入れ替えてみたり、前半はおとなしくしていた羽田千歳が後半でめちゃくちゃ暴れたり、他のキャラクターたちがそれぞれの生き方を明らかにしてきたり、起伏があってとても面白い。
 この劇団の中で、どういうルートで情報が流れるのかを考えながら、ストーリー展開を読み直しても面白いかもしれない。

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