道-MEN 北海道を喰いに来た乙女
- 評価:☆☆☆★★
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ファング・オブ・アンダードッグ (4)
- 評価:☆☆☆★★
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英雄都市のバカども ~王女と封鎖された英雄都市~
- ローマの休日
- 評価:☆☆☆★★
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ロテ国とオードビー国の国境にある辺境都市リキュールは、貿易の中継地点であり、独立独歩の気風の激しい街だ。そんな街で何でも屋を営むモルトは、街でからまれていた女性を助ける。彼女はヌストルテ帝国の王女エンガディナ・ヌストルテだった。
そして街は彼女を追いかけてきた帝国の大隊に封鎖されてしまう。辺境都市に取るべき手段はあるのか?
ベン・トー (12) デザートバイキングプライスレス
- 疑似ハーレムエンド
- 評価:☆☆☆★★
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佐藤が誰とくっつくかのIFをメインにしたエピローグ集。疑似ハーレムエンドという感じ。
ベン・トー (11) サバの味噌煮弁当【極み】290円
- シリーズ本編完結
- 評価:☆☆☆★★
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元の様なHP同好会を取り戻したい白粉は魔導士に勝負を挑むものも完敗し、虫垂炎になって入院してしまう。白梅から懇願されたこともあり、槍水をプレッシャーから解放するため、魔導士に戦いを挑むことを決めた佐藤は、オルトロスや麗人と共に魔導士の強さの秘密を探ろうとするのだった。
シリーズ本編完結。
ファング・オブ・アンダードッグ (3) 沈没の空
- NTR注意
- 評価:☆☆☆☆☆
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罌粟が睡眠期に入ったことを契機として、総本山はリベルテンが放った巨大飛翔体によって包囲されるという事件が発生する。陣士総動員令が発令され、アルクとユニはソラの生まれ故郷であるヤン・バーミの村近くへ向かう。そこにはソラの恋人である紫苑と、彼女の婚約者となった幼馴染の尾長がいた。
生ポアニキ
- 全てはマッスルで解決
- 評価:☆☆☆★★
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生活保護の9番目に追加された恋愛生活保護を受給することになった不登校児の木村ユースケは、やってくるはずの自分好みの女の子を今か今かと待っていた。そこに届いたのは、なんと、ターミネーターの登場シーンの様にして全裸で現れたマッチョだった。
アニキを名乗るマッチョに困惑していたところを、少し遅れてやってきた恋愛生活保護の相手の鳳来寺ユリに目撃されてしまい、ガチホモだと勘違いされてしまう。
転校してきた鳳来寺ユリの誤解を解こうとするユースケだったが、彼女が恋愛生活保護対象だともらしてしまい、彼女の立場はあまり居心地の良いものではなくなってしまう。一方、ユースケの状況をサポートすべく、(草冠除く)耳まきの恋愛生活保護対象である、クラスメイトの松笠アザミが近づいてきて…。
ファング・オブ・アンダードッグ (2) 烏の嘴
- 本当の敵
- 評価:☆☆☆☆☆
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陣士となり、裏切り者の処分を請け負うことになったアルクとユニは、疫病で閉鎖された都市ヤリゼイサへとやってきた。その原因を探るためだ。
陣士であることを隠し、街に潜入するアルクは、とある少女と知り合いになる。一方、反陣士組織「烏」の円と斛は、アルクを殺害するためにヤリゼイサへと潜入していた。
ファング・オブ・アンダードッグ (1)
- 決意の旅立ち
- 評価:☆☆☆☆☆
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剣豪一族の府津羅の末裔でありながら、最強の剣士である兄に全く剣の腕で及ぶことなく、強烈な劣等感を抱いていた少年は、それを覆すため、陣士になることを決意した。
陣士とは、自らの身の内に漢字を焼き入れ、それを組み合わせることで様々な現象を引き起こす力を持つ人々である。しかしこの儀式を経ると、それまで鍛えた身体的能力は失われてしまう。そして、陣士を斬る仕事を請け負う府津羅とは対立してしまうだろう。
それでも実家を出奔した少年は、自らをアルクと名乗り、陣士たちの拠点へと向かう。そしてそこで、一人の陣士と、一人の陣士志望者ユニと出会うのだった。
デスニードラウンド ラウンド (3)
- 元気のよい獲物
- 評価:☆☆☆☆★
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山田ではない協会の人間の斡旋でデスニードラウンドへの夜間潜入をすることになった松倉、武島、大野、葛ゆり、林美鳳のチームだったが、それは罠だった。夜間のデスニードラウンドでは借金で雁字搦めにした人間を生きた標的として殺して、その様子を金持ちが見物するという恐ろしい催し物が開催されていたのだ。つまり、葛ゆりはある程度抵抗して場を盛り上がられるような女子高生被害者として育成されてきたのだ。
何とか全員で生還したものの、林美鳳は強姦されかけ全身をバラバラに砕かれた。報復を決意する松倉は、かつての仲間や、林美鳳の一族に声をかけ、万全の準備を開始する。
デスニードラウンド ラウンド (2)
- ラリった警視庁のマスコット
- 評価:☆☆☆☆★
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両親の借金の形で売られるところを、民間警備会社の傭兵稼業で何とか生きることを許された女子高生の葛ゆりは、実践にも慣れ、松倉の作る食事に舌鼓を打ちつつ、学校では先輩の宇佐美玲奈とつるむ、それなりに充実した生活を送っていた。
松倉らの古い戦友の娘で、狙撃手の林美鳳と知り合いになり、初めて同年代で同じ業界に生きる少女と出会い仲良くなったある日、宇佐美玲奈から緊急の電話を受ける。警視庁のマスコットキャラであるP君に拉致され、拷問の上、殺されそうだというのだ。
松倉に助けを求めるものの、金がなければ動けないと一刀両断にされ、地力で逃げ出して松倉の知り合いに確保された宇佐美玲奈を助けるため、葛ゆりは武装して一人で飛び出す。しかし、警視庁のマスコットキャラのP君は、中に入った人間を取り込みながら戦う生物兵器だったのだ。
ベン・トー (10) 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円
- 想念渦巻くバレンタインデー
- 評価:☆☆☆☆★
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幽霊の二つ名を賜った白粉花を狙い、退魔師の二つ名を持つ鬼塚博という狼がやってくる。探偵のバイトをしているという彼と佐藤洋の絡みを見て、探偵×刑事の妄想にふける白粉花だったが、彼女をストーキングしている男がいると知り、白梅梅が狼たちの戦場にしゃしゃり出てくるのだった。
腹の虫の加護のない白梅梅は退魔師にボコボコにされ、白粉花と共にスーパーのバックヤードで看病される羽目になってしまう。その姿を見た佐藤洋は、同級生が二人並んで意識を無くしている様に興奮しつつ、犯罪行為に及ぼうとしながらも、彼女たちの敵討ちを決意する。
節分とバレンタインデーにまつわるエピソードとなっている。著莪あやめとのバレンタイン、槍水仙の妹である槍水茉莉花とのバレンタイン、沢桔梗と沢桔鏡とのバレンタイン、そして槍水仙とのバレンタインから、クライマックスに向けた展開が仕込まれる。
今回も茶髪の巨乳、ウルフヘアの寝間着姿、著莪あやめの嫉妬含みのキスマーク、そして童貞男子たちの闇の饗宴と、様々な想念が渦巻いている。
デスニードラウンド ラウンド (1)
- ベン・トーが生きたガン・アクション
- 評価:☆☆☆☆★
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普通の女子高生だった葛ゆりは、ある日、両親が連帯保証人となったために借金をかぶり、ゆりを置いて失踪してしまったため、借金取りに騙されて彼女が借金を背負う事になってしまった。
ずっと股を開いていても返しきれないほどの借金を返す手段として彼女が選んだのが傭兵稼業だ。北海道独立戦争を経て、群馬栃木紛争など、治安が悪化している現代においては役に立たない警察に代わり、実効力のある武力こそが、自らの正義を通す為に必要となっている。
山田の斡旋で葛ゆりが送り込まれたのは、松倉、武島、大野のチームだ。どんな無茶な任務でも生還する松倉チームに彼女が送り込まれたのは、彼女に賭けられた莫大な生命保険が理由だ。しかし、戦場で生き残り続ければ、借金を返して自由になれるチャンスもある。だが彼女は、それがどういうことなのか、未だ理解してはいなかったのだ。
「ベン・トー」で一躍売れたアサウラ氏ではあるが、デビュー作は暗めのガン・アクション「黄色い花の紅」だった。本作は後者のジャンルでありながら、前者的な要素も含み、読みやすくなっている。ただ、ラストは中々に重たい。
ベン・トー (9.5) 箸休め~濃厚味わいベン・トー~
- キャラクターの歴史が描かれる短編集
- 評価:☆☆☆☆☆
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ジャンプSQや公式サイトに掲載された短編に、書き下ろしをあわせて収録している。グルーピングすると、著莪あやめと佐藤洋の日常系、槍水仙が一年生の頃、金城優、秋鹿雅、烏頭みことがいた在りし日のHP部系、白粉花と白梅梅の日常系、沢桔梗と沢桔鏡の日常系という感じだ。
著莪あやめと佐藤洋のお話は、狼とは何の関係もなく、単にいろんなシチュエーションで二人がいちゃつくだけのものだ。山の上の家の中で、二人っきりで晩ご飯を作っていちゃついたり、お風呂に入っていちゃついたり、初詣に行っていちゃついたり。キスすれば大抵ごまかせるというあやめの母の言葉が至言。
白粉花は東京ビッグサイトで行われる某同人誌即売会の二日目に初めてサークル参加したことにまつわる話だ。新作に興奮して感想を書き綴る一人のファンのサイトの模様も紹介されている。もっとも、現実の白粉にまつわる話は、その作中の興奮とはひと味違うものなのだけれど。白梅とのなれそめも語られる。
派手さはないけれど、キャラクターの歴史が描かれる短編集だと思う。
ベン・トー (9) おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円
- ロリが走りすぎ
- 評価:☆☆☆☆☆
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著莪あやめがイタリアに行っているお正月。佐藤洋は槍水仙と妹の槍水茉莉花、白粉花と共に、冬合宿で雪の東北へと赴いていた。貸切のロッジに女子三人と男子一人。もはや天啓がなくともやることは一つしかないだろう。
しかしここで問題なのは、女子の一人が腐っていて佐藤自身の貞操に危機がありかねないことと、白梅梅による遠隔監視が厳しいと言うことだろう。だが、その白梅梅にも、正月らしく、ちょっとした気の緩みがあるらしい。佐藤の眼福だ。
半分お遊びとは言えど、一応は合宿。当然、半額弁当争奪戦にも参加する。だがその前に雪山にスキーをしに行ったHP同好会だったが、茉莉花に誘われた佐藤洋は、二人で崖下に転落してしまう。それでも、骨の髄まで叩き込まれたサバイバル術でビバークに成功。かまくらの中で体温を逃がさないために茉莉花とピッタリと抱き合った佐藤は、彼女が10歳であることを頭から追い出し、わずか一個の飴を分け合うために、境界線上で死闘を繰り広げるのだった。
そんな彼らの活動とは関係なく、かつてHP同好会に所属していた秋鹿雅は、氷結の魔女を、そして魔導師を打倒するために、東北のスーパーを決戦の地に選ぶ。そこに、ギリー・ドゥーこと禊萩真希乃やサラリーマン企業戦士レッドも関わり、複雑な戦いが繰り広げられることとなる。
いざ佐藤がコトに及ぼうとなった時に電話をかけてくる著莪の無意識の行動や、色々とアウト気味なグレーゾーンでの佐藤のセクハラなど、もどかしさに溢れるエロさが今回も冴え渡っている。そこに、様々な思惑をもった狼が関わり、閉店間際のスーパーと言う場所に、全国レベルでの勢力争いを持ち込んでしまうのだ。
著莪がいるときは自嘲気味だが、今回はロリが走っている。
ベン・トー (8) 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円
- クリスマスの決断
- 評価:☆☆☆☆☆
-
佐藤洋は困っていた。最近、頓に元気のない白粉花の悩みを探ることを白梅梅にお願いされた彼は、白粉の悩みが、巨乳になりたいことだと誤解する。巨乳になる方法を探るため、著莪あやめはもちろん、二つ名のついた茶髪にまで相談し、セクハラまがいのことをするのだが…。
そしてクリスマスが近づき、サラマンダーが半額弁当争奪戦に参加してきた。佐藤はオルトロスや二階堂と協力し、サラマンダー撃退の挑戦を繰り返しつつ、寮の仲間との不純異性交遊撲滅運動や、著莪との余興の練習にいそしむことになる。しかし、クリスマスには実家に帰っているはずの槍水仙が、突然、クリスマスにはパーティをやると言い出し…。
槍水仙の子供っぽさが全開になる展開。いつもはクールに半額弁当をさらっていく彼女だが、スーパー以外での彼女は意外に子供っぽいのは周知の事実。事前に知らせず、相手に先約があると知ったらすねちゃうレベルであることをさらしてしまう。しかし、そんなのを見せつけられて、佐藤が見捨てられるわけもないので、散々悩みつつ、決断を下すことになるのだ。
著莪が寛大だから許されているけれど、そのうち、修羅場が展開されそうな予感…。
ベン・トー (7.5) 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜
- 今後の人間関係に影響を与える?
- 評価:☆☆☆☆☆
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1章「3.5倍」
HP同好会に槍水茉莉花と白梅梅を加えたメンバーで出かけた旅行。その旅路でうなぎ茶漬け弁当を手に入れようとするのだが、そこにあの企業戦士サラリーマンが現れる!
2章「間食版:違いのわかる狼」
金城優と槍水仙による、ハヤシとカレーの違い講座。
3章「モモとカズラと」
槍水仙の友人、紫華蔓と木之下桃が、佐藤を品定めする?
4章「間食版:桜色のアレ」
烏頭みことと槍水仙による、桜でんぶ講座。
5章「天使の贈り物」
井ノ上あせびに恋する少年の物語。
6章「間食版:十人十色」
HP部による、エビのしっぽ論争。
7章「男子寮と従姉とバレンタインデー」
バレンタインデーの佐藤の生活がいま明らかになる!
8章「間食版:魔女になった少女」
昔とは立場が逆転した槍水仙による、ハヤシとカレーの違い講座。
9章「ある日の著莪あやめ」
1章のB面。旅行においていかれた著莪あやめの一日。
ベン・トー (7) 真・和風ロールキャベツ弁当280円
- 本妻・愛人不在の佐藤を誘惑する女性
- 評価:☆☆☆☆★
-
槍水仙は修学旅行、著莪あやめは家族旅行で不在の時、佐藤洋を最大のピンチが襲う。お金がない!
半額弁当といえどお金がなければ買えない。古狼の山乃守喨と共に試食コーナーを巡ったり、白粉花からはフランクフルトや練乳つきバナナなど偏ったものをおごってもらったり、白梅梅の家に晩ご飯を食べに行ったりしてしのいだのは週末の思い出だ。
何とか仕送りを受け取り、半額弁当争奪戦を再開した洋の前に、ハーフプライサー部員だった狼、烏頭みことが現れる。仙が不在のHP同好会の部屋に入り浸り、本妻・愛人不在の洋を誘惑してくる烏頭の狙いはどこにあるのか?その裏には、当時のHP部崩壊の秘密が隠されている。
烏頭の狼としての二つ名、ウルフズペインの通りに、彼女の毒に犯されていく洋は、狼としての力を取り戻し、仙不在の縄張りを守り通すことができるのか?
槍水仙は台湾へ修学旅行なので活躍の場面はないし、著莪あやめと佐藤がべったりのシーンもあまりないのは、佐藤を誘惑する別の女性がいるから。それが烏頭みことだ。一部、邪な想いを持った人物もいるけれど、今回の佐藤は女性陣に妙にもてる。
しかし、佐藤がそんなにもてるには当然理由があるわけで、白粉花は自分の著作活動の資料収集として利用しているだけ。もちろん、烏頭みことの狙いも同じくらい別の理由がある。
これまでのベン・トーではあまりいない様な、ちょっと腹黒い系の女性キャラ登場、かと思いきや、やっぱり最後はいつものようになっている気がする。そこがこの作品の良いところだと思いますけれど。
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ベン・トー (6) 和栗おこわ弁当310円
- 憧れの対象から現実の存在へ
- 評価:☆☆☆☆★
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文化祭の準備でいつもと違うルートを歩いた佐藤洋が見つけた高級スーパー。ここを治める半額神ビッグ・マムの需給の見切りの上手さから、滅多に半額刻印時間に至ることのないこの店を縄張りとする二つ名の狼、山木柚子。彼女は、一年前のこの時期に、槍水仙がむなしく敗れ去った相手でもある。
文化祭の準備に明け暮れる、普段は半額弁当を買わない学生たちが店を訪れ、狼たちの猟場をむなしいものに変えていく。そんな荒れた状況の中で仙を喜ばす弁当を獲るために通いつめる洋は、腹の虫の力を減衰させる煩悩に直面する。
一方、文化祭に合わせて遊びに来た槍水仙の妹、茉莉花の希望により、洋は茉莉花を狼たちの戦場へと連れて行く。その戦場で見る真の姉の姿と、そこで彼女が得たものとは。
今回登場する半額神は白粉花系の強烈なキャラクターで、直接的には狼たちの戦いに関わってくることはないが、裏側で物語の進行には影響を与えている。相変わらず、勢いだけは衰えていない。
新たな狼の柚子は、茉莉花から見れば仙の仇、憧れの姉を地に貶めた存在なのかもしれない。でも、柚子の立場に立って見れば、彼女もビッグ・マムの半額弁当に常ではない感情を抱いている。そういう視点から見ると、茉莉花と柚子は似たような存在なのかもしれない。そしてこの憧れは、ストーリー中で現実の行動へと移り変わっていく。
主に仙と茉莉花の姉妹をメインとする物語なので、洋は色々と翻弄されるけれど、著莪あやめは文化祭で優雅に遊んでいる程度の出番しかない。
新登場キャラが物語を動かすというパターンが定着してきたので、そろそろ既存キャラの関係を動かす感じのストーリーになっても良いかなとも思う。まあ、白粉や著莪関連で少しそういう傾向は見え始めているのかも知れないけれど。
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ベン・トー (5.5) 箸休め~燃えよ狼~
- 箸休めも食べ物だから、実は箸は休んでいないのだ
- 評価:☆☆☆☆★
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箸休めということで少し目先を変えて、半額弁当争奪戦から離れた、登場人物たちのサイドストーリーになっている。箸我あやめの高校の文化祭に訪れた槍水仙が白梅梅に辱められる裏で、佐藤洋が井ノ上あせびの手料理で究極の選択を迫られる話から始まって、箸我を主人公とするファンタジー風のお話(佐藤は犬!)など、いかにも短編集といった感じになっている。繰り返されるオチがなんとも古風。
他にも白粉花を主役とするアレ系の短編も収録されているのだが、はっきり分かったのは、箸我は佐藤とセットになっていないとイマイチ輝かないし、ヘンタイとマニアが登場しないとこの作品の魅力が半減してしまうことだ。半額弁当を争う熱い戦いもいいけれど、たまにはこういう日常があってもいい。
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ベン・トー (5) 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円
- 争うのは半額弁当だけではなく、自分の在り方
- 評価:☆☆☆☆☆
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狼として着実に実力をつけてきた佐藤は、ボス犬である山原が率いるダンドーと猟犬群を抑え、半額弁当を獲得することに成功する。この事実は、弁当をとる事を優先するために犬となった山原のプライドをいたく傷つけ、佐藤は山原につけ狙われることとなる。
そんな因縁が生じたころ、佐藤の学校にかつてのあこがれのクラスメート広瀬さんがやってくる。妹系アイドルとして活躍する彼女は、昔と変わらない様子の佐藤に少し興味を持ち、色々な事に連れまわすせいで、徐々にHP部や半額弁当争奪戦から遠ざかる結果になるのだが。
今回は半額弁当争奪という熱狂の外にいる人間が物語の中心人物になっている。アイドルという一般社会でも通用する価値と、闘って勝利した結果獲得する半額弁当の価値。とても釣り合わないように見える二つの価値のうち、本当は何が重要なのか?腹の虫という嘘偽りのない本能が佐藤を答えに導きます。
前半のストーリーとも重なるけれど、一見ダメに見える人間でも、抑える所さえ間違わなければ、自分やだれかにとっての良い結果を導き出せるということでしょう。
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ベン・トー (4) 花火ちらし寿司305円
- 信じているからこそ離れても大丈夫だと思える
- 評価:☆☆☆☆☆
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今回は戦場をいつもの地元のスーパーから、合宿先である地方のスーパーに移して激闘を繰り広げる。特に激しいのが移動中のお粥駅弁争奪戦。いつもと違って半額弁当ではないのだが、企業戦士と鎬を削り、そして強敵は戦友となる。…ただ、どうしてレッドが電車に乗り遅れたのかはヨクワカラナイ。
後半は、地元中学生の進学に関する確執を描きつつ、著莪と佐藤の絆の深さを見せ付けてくれる。新たなキャラクターが登場することも確定したし、氷結の魔女の過去話から今後の展開も仄めかされたので、続刊の発売が本当に楽しみです。
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ベン・トー (3) 国産うなぎ弁当300円
- 死神をネタに佐藤と著莪はくっつき過ぎ
- 評価:☆☆☆☆★
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前半は著莪と戯れたり、風邪をひいて先輩に見舞ってもらったり、佐藤のまったり生活が見られます。代わりに白粉の出番がめっきり減って、あの妄想も数えるほどしか聞けません。バトルもマジじゃないし。
一方、後半戦はかつてないほどの激しい展開。氷結の魔女を沈めたオルトロスを相手に、佐藤が月桂冠のうなぎ弁当を賭けて勝負を挑みます。風邪で寝込む先輩への手土産のために闘う佐藤はかなり強気。次巻は映像的に華やかな展開になるかも。
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ベン・トー (2) ザンギ弁当295円
- 食べるだけが目的ではない、過程が重要なのだ
- 評価:☆☆☆☆☆
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閉店1時間前のスーパー。お惣菜売り場には3割引のお弁当がいくつか。もう少し待てば半額になるかもしれない。でもその前に誰かが買っていってしまうかもしれない。おなかは空いている。3割引でも買えるだけのお金もある。待つべきか、待たざるべきか。その葛藤を乗り越えても、半額弁当を買えるとは限らないのだ!
佐藤洋の従妹、著莪あやめも参戦し、大学生も加わって、ちょっと組織的な攻防になってきた。これは半額弁当購入に命すら賭ける狼たちの物語である。あと、ちょっとエロい。
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ベン・トー (1) サバの味噌煮290円
- 品格を持った争い
- 評価:☆☆☆☆☆
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古代ローマ時代の戦車競争の話というわけではなく、スーパーのお惣菜売り場で閉店間際に半額になる弁当を高校生が奪い合うというお話。半額シールが貼られる前には違う売り場をうろちょろして時間を潰したりとか、シールが貼られる前の弁当を店員に差し出してシールを要求するおばちゃんの存在を苦々しく思ったりとか、高校生というよりも一人暮らしの男子大学生なんかは、そのときの心情に共感できるのではないだろうか。かく言う自分も、閉店1時間くらい前にお店に行って、弁当売り場をチラ見しながら半額になるのを待った口なので、結構理解できる。
日常生活にある、弁当が半値になるというそれだけの現象に、人間ドラマを持ち込んだ独創性にあふれた作品だと思う。
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黄色い花の紅
- 向き合うために欲する力
- 評価:☆☆☆★★
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銃の所持が合法化された日本で、敵対組織に命を狙われるヤクザの娘、府津羅紅花を警護する依頼を受ける白石奈美恵。度重なる襲撃に傷つき倒れた奈美恵を見て、紅花は自らも力を欲する様になる。銃という力の象徴を。
表面的にはガンアクション。重火器はあまり使われずハンドガンがメインなのであまり派手さはないかもしれないけれど、バンバン銃弾が飛び交い、ドンドン敵が死んでいきます。しかし、本質的には、力なき象徴である美少女を力の象徴である銃により護り切ろうとする奈美恵と、護られるだけのモノから抜け出し銃を持って自らを他人を護り自立しようとする紅花の、二人の女性の視点から描かれる、自立の物語でもある。
メインキャラクターよりも、どちらかと言うとワキを固めるキャラクターが魅力的なのだが、そういった繊細な描写と、ガンアクションの派手な描写が微妙にかみ合わず、それぞれ別の独立した物語の様に感じてしまう。主人公を二人にした弊害かもしれないが、二つの世界が溶け合って一つになり切れていない様な気がする。
最後に紅花は一つの決断をする。それはとても崇高な行為なのだけれど、彼女の置かれた立場を考えると、また振り出しに戻る選択の様な気もする。こういった部分でも、二つの世界の乖離感じてしまうのだ。
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