ベン・トー (6) 和栗おこわ弁当310円(アサウラ)の書評/レビュー


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ベン・トー (6) 和栗おこわ弁当310円

憧れの対象から現実の存在へ
評価:☆☆☆☆★
 文化祭の準備でいつもと違うルートを歩いた佐藤洋が見つけた高級スーパー。ここを治める半額神ビッグ・マムの需給の見切りの上手さから、滅多に半額刻印時間に至ることのないこの店を縄張りとする二つ名の狼、山木柚子。彼女は、一年前のこの時期に、槍水仙がむなしく敗れ去った相手でもある。
 文化祭の準備に明け暮れる、普段は半額弁当を買わない学生たちが店を訪れ、狼たちの猟場をむなしいものに変えていく。そんな荒れた状況の中で仙を喜ばす弁当を獲るために通いつめる洋は、腹の虫の力を減衰させる煩悩に直面する。
 一方、文化祭に合わせて遊びに来た槍水仙の妹、茉莉花の希望により、洋は茉莉花を狼たちの戦場へと連れて行く。その戦場で見る真の姉の姿と、そこで彼女が得たものとは。

 今回登場する半額神は白粉花系の強烈なキャラクターで、直接的には狼たちの戦いに関わってくることはないが、裏側で物語の進行には影響を与えている。相変わらず、勢いだけは衰えていない。
 新たな狼の柚子は、茉莉花から見れば仙の仇、憧れの姉を地に貶めた存在なのかもしれない。でも、柚子の立場に立って見れば、彼女もビッグ・マムの半額弁当に常ではない感情を抱いている。そういう視点から見ると、茉莉花と柚子は似たような存在なのかもしれない。そしてこの憧れは、ストーリー中で現実の行動へと移り変わっていく。

 主に仙と茉莉花の姉妹をメインとする物語なので、洋は色々と翻弄されるけれど、著莪あやめは文化祭で優雅に遊んでいる程度の出番しかない。
 新登場キャラが物語を動かすというパターンが定着してきたので、そろそろ既存キャラの関係を動かす感じのストーリーになっても良いかなとも思う。まあ、白粉や著莪関連で少しそういう傾向は見え始めているのかも知れないけれど。

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