B.A.D. (2) 繭墨はけっして神に祈らない(綾里けいし)の書評/レビュー


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B.A.D. (2) 繭墨はけっして神に祈らない

繭墨との天秤は釣り合うか?
評価:☆☆☆☆★
 またしても繭墨あざかを狙う者が現れる。襲撃者の一族の当主水無瀬白雪は、繭墨の身を守ることを申し出るが、その背景に何があるかは黙して語らない。まあ、白扇に墨蹟を表すことで意思疎通をする人なので、どちらにしろしゃべらないけどね。
 白雪は繭墨の黒に対して、真っ白い衣装を着ている。そして、繭墨が一族の束縛から抜け出している存在であるのに対し、白雪は一族に縛られているという点でも対称的だ。

 1巻にも見られたが、強制的に奪われた何かを取り返す、ということがテーマになっていることが多い。普通の方法では取り戻せないことは明らかだから、異能や禁忌の手法に頼るわけだ。このとき、奪った側が嫌な奴だったりすると、襲撃者に対する同情の余地が生まれる。
 そしてこの同情を抱かせるのが小田桐勤の能力だ。腹の中に鬼を抱える小田桐は、意図せず周囲の者が心に抱える想いを読む。これを利用することで、読者に敵方の想いが伝わる。だから、小田桐視点の描写でも全体像が描けるのだ。

 新キャラが何名か登場。そしてラストで次への布石が明らかになる。

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