B.A.D. (4) 繭墨はさしだされた手を握らない(綾里けいし)の書評/レビュー


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B.A.D. (4) 繭墨はさしだされた手を握らない

最後のステージへ立つ決意
評価:☆☆☆☆★
 自らが行動したことで多くの人間が不幸になったと繭墨あさとに断罪された小田切勤は、茫然自失の状態で自室に籠ってしまう。繭墨あざかの手も振り払った彼の前に現れたのは、彼が唯一助け出すことに成功した水無瀬家当主の白雪だった。彼の恩義に報いるため水無瀬白雪はあさとのもとに赴き、逆に虜となってしまう。
 彼女を助けるために再び立ち上がる力を取り戻し、繭墨あざかの協力を取り付けることに成功した小田切だったが、あさとへ至るための鍵を手に入れた小田切があざかの部屋で目にしたのは、意外な光景だった。

 あさと編のクライマックス。あさとの見せる偽りの希望に縋ることを拒否し、その虚言に惑わされることを辞めた小田切がただ一人でも立ち向かうことを決意したとき、あさとを生み出した背景と、彼を打ち破る力の源泉が明らかになる。
 今回は小田切がメインで繭墨あざかの登場する場面は多くない。代わりと言っては何だが、大家さんの孫の七瀬七海が活躍する場面が少しある。

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