相磯巴作品の書評/レビュー

Wandervogel (2)

アイちゃん絶好調
評価:☆☆☆☆★
 ドラゴンに驚いて逃げ出した開拓船により、新大陸に置き去りにされてしまった、やる気ない勇者ユウキや姉のタマキ、下ネタ大好き少女アイたち。
 初めは海から開拓船を追いかけようとするのだが、紫海に棲んでいるモンスターたちのせいで脱出できない。そこで、遺跡にあるという遺失技術を利用して脱出を試みる。

 こう書くと普通の冒険譚の様でもあるが、起きるイベントが普通じゃない。歓迎された村では怪しげなキノコ酒でラリって脱衣宴会になってしまうし、脱出した先ではユウキが奴隷になり女装しなければならなくなるし、アイちゃん絶好調の展開になる。
 また、そんな展開とは別に、ちょっと真面目に世界の謎っぽいことが仄めかされたりもします。

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Wandervogel

その気もないのに抜いちゃった
評価:☆☆☆☆★
 超人的な体力を持つ姉タマキのおまけで、双子の弟ユウキは新大陸発見に赴く開拓船に乗り込むことになった。普通の人以下の体力しか持たないユウキだったが、出発前に立ち寄った王都で伝説の魔剣グラムを抜いてしまう。
 誰にも見つからずにグラムを開拓船に持ち込んだのは良かったが、おまけで乗った立場上、新大陸に一番乗りする捨て駒の役目をすることになり、いきなり緑竜に襲われて遭難してしまう。そんな彼を助けに、タマキや友人のアイたちが向かうのだが、その頃何故かユウキは現地住民に勇者として祭り上げられていた。

 ほんわかふんわりしたユウキと、彼を溺愛する姉タマキ、そして彼らの周りに集まるアイやリリアというどこか変なメンバーたちが繰り広げるギャグパートと、後半から始まる巻き込まれ勇者ストーリーから成る。やる気も実力もない子が運と剣の力で適当にこなす感じの展開になる雰囲気だったのだけれど、少し背景のある要素も含んだ物語になった。
 前半と後半では微妙に関係者の立場が入れ替わっているところが少し不思議。思いっきり続く形になっているので、そこでどう落とすかが楽しみな気がする。

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