朝倉サクヤ作品の書評/レビュー

物理の先生にあやまれっ! 弐号機

揺らぐ心と信頼関係
評価:☆☆☆☆★
 地球上に突如現れた正体不明の7体の巨大ロボット、AAEを操る資格を持つ子どもに現れる紋章。それが現れ人生の主役かと橋良九星が喜んだのも一瞬のこと。もっと完全に操れる少女・綾瀬川椛の登場により、やはり脇役扱いになってしまう。しかし、様々な出来事を経て椛の信頼を獲得した九星は、他の3人のAAEパイロット、月緒メイ・シルバーライアン、アムリネウス13世アイシス、ナディア・ヴェルディ・シュバルツシモンにも好意を持たれ、彼らの代表である星徒会長に就任した。
 そのどさくさでアイシスと同棲してブルマ裸エプロンを堪能したり、ナディアとゲームで夜を明かしたりして、椛に鉄拳制裁をくらうという危険はあるものの、楽しく過ごしていた学園生活。しかしその不安定な信頼関係は、小さなきっかけで破綻していく。
 そしてそれとは別に、AAEに反発する勢力の活動も活発になってきた。どうする九星?

 2巻で打ち切りというのは、かなり早い決断ですな。


物理の先生にあやまれっ!

世界のバランスを崩すギフト
評価:☆☆☆☆★
 秋葉原、ニューヨーク、モスクワ、ベルリン、ナイル、アマゾン、南極に、謎の巨大ロボット兵器が突如現れた。通常の人間は光学迷彩により認識することもできない。それらを認識し、操縦する資格を持つのは、身体のどこかに門章が現れた少年少女のみ。その事実を明らかにしたのは、間宮ソフィー村本という大学院生だった。

 橋良九星は普通の高校生だが、亡き父の遺言に従い、分を知れどあきらめることは知らない。そんな彼の左手に突然現れた、丸に三角の門章。さんざん悩んだ末、世界平和のために巨大ロボットのパイロットになることを覚悟したのだが、実はパイロット候補生は一人ではなかった。
 しかも彼はパイロットにいちばん近いというわけでもなく、それに最も近いのは、左腕にもみじの門章を綾瀬川椛という少女。しかし彼女があまりにも傲慢だったため、彼は彼女に対抗してライバル宣言をすることになる。

 互いの誇りを賭けてぶつかり合う少年と少女。しかし、少女の頑なな姿勢の背景には、思わぬ理由があったのだ。
 その確執も解けるかと思ったところで、彼らの間に入り込んでくる少女、月緒メイ・シルバーライアンは、ニューヨークに現れたロボットのパイロットにして、橋良九星の幼なじみ。他にも各国のパイロットが現れ、橋良九星をめぐる環境は混沌としてくるのだった。

 巨大ロボットが登場するのだけれど、いまのところ敵が登場しない。ただ、ロボットに選ばれた少女たちが、それぞれの正義を振りかざして力を行使してしまうゆえに戦いは起きる。
 パイロット未満の橋良九星は、その戦いを未然に防ぎ、彼女たちを協力できるようにしたいと理想を抱くのだが…果たしてそれは実現が可能なのか?

 ロボットものなのに、なぜかハーレム展開になる。

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