麻宮楓作品の書評/レビュー

はじめてのクソゲー

顔が見えなくても出来るラブコメ
評価:☆☆☆☆★
 藤宮遊真はゲーム好きが高じて、ジミーユというハンドルネームでプレイ日記をブログ公開している。今日は国民的ゲームの発売日。楽しみにゲームショップに行ったところ、既に売り切れ、予約もしていない。
 なんで予約しなかった!というツッコミが聞こえてきそうだが、ともかく、このゲームをやりたい気持ちを抑えることは出来ず、代わりに「インフィニット・ダークネス」というゲームを買ってみた。ところがそのゲームはとんでもないクソゲーで、バグの宝石箱というくらい、これでもかこれでもかと、思いつく限りのバグが仕込んである。

 そのいらだちをプレイ日記として公開したところ、ユッキーという人物から「レール上を歩くだけの人生ね」というコメントをもらってしまった。そのユッキーとは、なんと藤宮遊真野クラス委員長である天野雪緒。彼女に挑発された藤宮遊真は、「インフィニット・ダークネス」のクリアを目指してゲームをすることになってしまった。

 そんなストーリーなので、メインはゲームのプレイ日記をファンタジー風に表現したパートであり、雪緒と遊真のチャットによるコミュニケーションパート、ごく稀にリアルで会った時のパートという構成になっている。
 このチャットというのが特徴的で、つまり相手の顔が見えない。だから、なんでお前は気づかない!というくらいの反応を彼女がしたとしても、彼は全くそれに気づかなくても不思議ではないのだ。ゆえに、ラブコメの不自然な部分を減らしたという意味では、画期的な設定かもしれない。
 ほのぼの安心のラブコメです。それに遊真の友人が気が利きすぎる。

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