哀楽作品の書評/レビュー

シュバルツ・ロワ -漆黒の王-

復讐の刃にさらされるロワ
評価:☆☆☆★★
 エスパス・ゴルトズィルヴァーの兄代わりにして、シュバルツ・ロワである魔界の少年王リュヌ・オプスキュリテの側近だったトト・エルクを殺した犯罪者の娘であるサングレ・ブルート女伯爵は、リュヌを仇と狙って罠に誘い込んでいた。そして彼女の魔法により、親友のエスパスは操られて敵に回ってしまう。
 一方、魔界の王が世界の王たるシュバルツ・ロワであることを容認できない天上界の王スィエル・フォア・マリノアは、娘であるメリエル・リフェ・マリノアが魔王のところに逃げ込んだという私怨も含めて、リュヌの命を狙っていた。このため、リュヌを口実をもうけて天界に呼び出して戦力を分断し、その隙にリュヌの母親のメール・オプスキュリテを殺して魔界を制圧しようとする。そしてリュヌには、騎士団長のレグネ・カルトルフをぶつけようとするのだった。

 リュヌにつきそうビルフォニア・シームやその兄のセルゲイ・シーム、魔界に残るアジェ・フィデルやネロ・ビアンコはどう対処するのか?

 盛りだくさんにネタを積み込みすぎて、少なくともボクにはついて行けない部分が多かった。女子高生のあっちこっち飛ぶ会話みたいに。それにせめて、人物の呼称は統一してくれないかな。時々誰が誰か分からなくなる。


シュバルツ・ロワ -漆黒の王-

もう少し練りこんでから
評価:☆☆☆★★
 天上界の王スィエル・フォア・マリノア、人間界の王ガルソン・アブニール、彼らと共に世界を統治し、彼らの頂点に立つのはシュバルツ・ロワ、魔界の王である少年リュヌ・オプスキュリテだ。彼は臣下のアジェ・フィデルやビルフォニア・シームを率い、三界の治安安定のために尽力しているのだが、魔界の王がその地位にあることを、スィエルやガルソンは気に食わず、常にその命を狙っている。
 しかし、ガルソンと婚約されそうになったスィエルの娘メリエルは、一度会っただけのリュヌを慕い、婚約を嫌がって魔界へと家出をしてきた。そして魔界は、いつものように様々な事件が起き、それをリュヌが自ら解決に当たっていく。


 個人的な印象としては、まだ物語になりきっていないと感じた。正直なところ、先にあらすじを読んでおかないと、三界の関係とシュバルツ・ロワの役割が本文からは読み取れない。それに、魔界以外の描写が少なすぎる。特に、スィエルやガルソンがあまりにも小物過ぎて、とてもじゃないがそれぞれの世界を支配できているとは思えない。
 その後描かれる魔界での出来事や事件も、あまりにも唐突に起こって、あまりにもあっさりと解決したりする。自分でルールを作りながら、それを自らの恣意的判断で簡単に破る魔王も、為政者としては失格だといえよう。

 そんなわけで、世界観が第三者に物語として認知されるほど、作り込みができていないように感じた。思い付きがふわふわと漂っている感じだ。

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