秋山大事作品の書評/レビュー

恋は選挙と学園覇権! (2)

傍にいる資格
評価:☆☆☆☆★
 有名政治家の恋ヶ浜敏臣の次女である恋ヶ浜花凛は、幼馴染の内藤勇と高校生活を共にするため留学先から緊急帰国し、日本で高校生活を続ける条件として出された水仙学園評議委員補欠選挙に見事当選した。
 そんなある日、恋ヶ浜敏臣に呼び出された内藤勇は、恋ヶ浜花凛の隣にいる資格を持っているか、実力を示すことを求められる。自身、彼女の才能が伸びるのを邪魔しているのではないかという懸念を持っていたため、その挑発に乗って、学園祭の一年生部門で一位になるという勝負をすることとなった。

 新垣エリーズや鶴殿桜子、矢車琥珀のクラスと人員の貸し借りをして質を上げ、妹の内藤胡桃に情報収集を任せながらも、恋ヶ浜花凛には勝負を知られないように準備を進める内藤勇だったが、恋ヶ浜敏臣の支援者である大手食品会社リリーフーズの次期後継者の百合山紫苑が、クラスの出し物での売上勝負を挑んで来て、話題をさらっていくのだった。
 この状況に、恋ヶ浜花凛は黙って指をくわえて見ていられるのか?

恋は選挙と学園覇権!

自分の力で人生をもぎ取る…という幻想
評価:☆☆☆☆★
 有名政治家の次女である恋ヶ浜花凛は、父親に留学させられていた米国の私塾を半年でクリアし、幼なじみにして執事体質の内藤勇が通う水仙学園に転校してきた。だが、彼女の父親は次々と留学を続けさせるつもりだったため、学園に残る条件として一週間後の評議委員補欠選挙に当選することを出してきた。
 対立候補は、花凛の幼なじみであり、彼女が留学中は毎日、新垣エリーズを通じて勇を呼び出して用事を申しつけてきたお嬢様の鶴殿桜子と、先輩の風祭だ。桜子と風祭が公約する同好会の予算配分停止と部活動への追加予算振分に対抗するため、お笑い同好会の内藤胡桃やくのいちを自称するドジっ娘の矢車琥珀の協力を取り付け、花凛は同好会の存在意義を示すことで選挙に勝とうとする。

 最近、選挙ラブコメとでもいうべきラノベ作品が散見されるようになってきた。例えば「生徒会に行きましょう!!」「スクール・デモクラシー!」「大日本サムライガール」などがそれに該当する。この作品も、登場人物たちがラブコメしながら選挙をするという点では共通しているといえるだろう。
 利益誘導型と公平正論型の選挙戦の部分はきっちりと構成されているのだけれど、その分、キャラクターがテンプレート過ぎて弱い気がしてしまう。別にプライベート部分ではいくら弱かろうと構わないのだが、いざ選挙となれば、相手をねじ伏せる強さも欲しい。その強さの分がラブコメによって薄められすぎていて、分かりにくかったように思う。おそらく、ヒロイン級のキャラを多く盛り込みすぎて、選択と集中がなされなかったのではないだろうか。

 第16回スニーカー大賞優秀賞受賞作品。

ホーム
inserted by FC2 system