逢上央士作品の書評/レビュー

建築士・音無薫子の設計ノート 謎(ワケ)あり物件、リノベーションします。

建築ミステリーっぽい
評価:☆☆☆★★
 同棲していた喜多村伶に出て行かれ、ゼミにも顔を出さなくなった建築学科に通う大学生の今西中は、教授から紹介され、音無薫子と月見里一が運営する建築事務所のインターンになった。ところが代表の音無薫子は、依頼主の要望をそのまま受け入れず、自分の考えた設計を押し付けてくる人物だった。
 とんでもない所に来たと感じる今西中だったが、持ち込まれる案件の中、彼は彼女から本物のイノベーションの在り方について教わる。

なぜ異世界ダンジョンでスマホがつながるのか~竜胆遥人の迷宮攻略

スマホで異世界ファンタジー
評価:☆☆★★★
 図書室にいたら突如ダンジョン探索ゲーム「LuVYRINTH」に取り込まれた竜胆遙人は、そこでリア・サルビアという少女と出会い、彼が住む現世界(プレゼンス)の他に、彼女が住む図書界(ビブリス)という異世界があることを知る。
 スマホのアプリを使って魔法が使えることを理解した遙人は、リアと共にダンジョン攻略に挑むのだが…。

オレを二つ名(そのな)で呼ばないで! (5)

ようやく開催にこぎつけた文化祭での混乱
評価:☆☆☆☆★
 嘉倉ルリに冤罪を着せたトラブルを乗り越え、神賀茂学園と吉備津原学園の合同文化祭は開催されることになった。各団体の催しとは別に、生徒会が主催する二つ名(エリアス)システムを来場者に体感してもらう二つ名体験も開催される。
 しかしその体験イベントで問題が発生してしまう。新実装の二つ名のリセットに備えて改造されていた機能を悪用され、各人の二つ名を勝手に入れ替えるシャッフルという現象が発生してしまったのだ。学園の生徒たちは能力に慣れているからまだよいものの、来場者たちは突如得た力を無秩序にふるい、混乱を巻き起こしかける。

 それを防ぐため、御手洗新はツナ研メンバーらと協力し、学園内鬼ごっこで能力使用に方向性を持たせ鎮圧させようとする。しかしそのためには強力な障害があったのだ。

オレを二つ名(そのな)で呼ばないで! (4)

能力を使う文化祭
評価:☆☆☆☆★
 異能力を顕現する二つ名(エリアス)システムの試験的運用が行われている神賀茂学園、阿倍野学園、春住学園、吉備津原学園、真備乃学園、葦屋学園合同の二つ名サミットで問題を起こした生徒会長の天童美男は学園を去った。その置き土産として伝えた一言のせいで、御手洗新は、穂積瑞穂、天童美美、樫月静華、鴛鴦碧、甘池舞、茉莉花羽澄、茉莉花飛白らツナ研女子メンバーとの距離感の取り方に迷うことになる。
 そんなタイミングで、夏休み明けの吉備津原学園との合同文化祭に向け、ツナ研の出し物の研究のためにプールに遊びに行くことになった郷田大悟を除くツナ研のメンバーは、そこで吉備津原学園生徒会長の月見里佳憐と副会長の阿万田敬司に会い、彼らが連れてきていた子供たちの面倒を一緒にみることになるのだった。

 そのイベントのおかげもあり、何とかツナ研は平常営業出来るようになってきた。そして合同文化祭の準備が始まり、御手洗新は、天才発明少女の嘉倉ルリと、彼女の友達の伊部晶と深く関わっていく事になる。

 最後はバトル展開になるのだけれど、基本的には学園青春ラブコメの展開となっている。だが、どうやらラブコメ描写はあまり得意ではないようで、ちょっとパッとしない感じだ。

オレを二つ名(そのな)で呼ばないで! (3)

大人たちへの反抗
評価:☆☆☆☆★
 異能力を顕現する二つ名(エリアス)システムの試験的運用が行われている神賀茂学園、阿倍野学園、春住学園、吉備津原学園、真備乃学園、葦屋学園合同で、二つ名サミットが開催されることになった。有志参加型の活動発表会に、御手洗新、穂積瑞穂、天童美美、樫月静華、鴛鴦碧、甘池舞、度会亘、佐伯一叶、茉莉花羽澄、茉莉花飛白、郷田大悟、玉田太朗の属するツナ研も参加することになる。
 しかし、このイベントには、一部の生徒会による企みが隠されていた。兄の天童美男から不正への協力を頼まれた天童美美は、仲間を裏切る思いを抱えて参加しなければならなくなる。そうして始まるのは、タワーをダンジョンとする、ロールプレイング型のゲームだ。障害の乗り越えて頂上を目指すゲームなのだが、その最中に、参加者たちの思いもよらないトラブルが発生する。

 課外活動であるため、他校生徒との交流や、普段は話せない話などが各所で行われる展開となる。そして物語は、二つ名システムの秘密を巡る騒動へと発展していくのだった。

オレを二つ名(そのな)で呼ばないで! (2)

二つ名の源
評価:☆☆☆☆★
 神賀茂御神が開発した、異能力を顕現する二つ名(エリアス)システムの試験的運用が行われている学園に入学した従弟の御手洗新は、通常はひとつしか手に入れられない二つ名を二つ手に入れた。しかしそれは、幼馴染の穂積瑞穂のいらぬ気遣いのおかげで、咬ませ犬(エンハウンサー)と幼刀九児狗(ロリコーン)という、微妙なものとなってしまった。
 だがそれを手に入れる過程で、御手洗新は、天童美美や樫月静華というかけがえのない仲間や、度会亘や佐伯一叶という微妙な友人を手に入れていた。そして彼らは、クラスメイトの鴛鴦碧も加え、二つ名研究部、略してツナ研という、新たな部活を立ち上げる。

 しかし、黄金杯で活躍した御手洗新や天童美美は、各部活からの注目を集めていた。そんな部活のうちの一つ、サッカー部で、茉莉花羽澄と茉莉花飛白という逸材と出会うのだった。

 能力を使ったバトル斬雨杯や、能力を使った部活動対抗戦を通じ、青春の悩みを解決したり、敵だった人たちと和解したりするお話だ。

オレを二つ名(そのな)で呼ばないで!

変な二つ名をつけないで
評価:☆☆☆☆★
 神賀茂御神が開発した、異能力を顕現する二つ名(エリアス)システムの試験的運用が行われている学園に入学した従弟の御手洗新は、担任の神賀茂桃香に提出する二つ名申請書に記入する名前で悩んでいた。あまりにもありすぎる候補の中から、ようやく一つを選び出して申請したところ、既に幼馴染の穂積瑞穂によって申請書が提出されていたことが発覚する。
 瑞穂の微妙な感性により提出された二つ名に落ち込む新だったが、黄金杯という能力を使用したタッグ戦に優勝すれば、もう一つの二つ名を手に入れることも可能だと聞き、瑞穂と組んで大会に出場することにした。

 生徒会長の天童美男の妹である、お人形さんのような天童美美が繰り出す攻撃に燃やされそうになったり、孤月流剣術の使い手である樫月静華に真っ二つにされそうになりながら、試合を戦っていく。
 だがその過程で、パートナーである瑞穂のお守りが盗まれる事件が発生し、新はピンチに陥ることになってしまうのだった。

 MF文庫Jでありそうな学園異能ラブコメと言えよう。それにつきる。第3回「このライトノベルがすごい!大賞」優秀賞受賞作品だ。

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