天乃聖樹作品の書評/レビュー

ごはん食べたい! -なんでもしますから?-

気付かない主人公
評価:☆☆☆★★
 退魔師の父と占い師の母を持つ高校生である陽山晴斗は、オカルトを嫌っていた。しかし、なぜか周囲の人間には不気味がられる、女顔の男の子だ。
 両親がアメリカにチャネリングに行った関係でその日の食事にも困るようになった晴斗は、同じようにおなかをすかせている女子高生の夜野小雨と出会う。彼女は自称貧乏神だった。

 中二病の痛い少女だと思いながらも、なけなしのお金でご飯を恵んでしまう晴斗だったが、同じくお腹をすかせた、妖精女王の末裔を名乗る鈴木・タイターニア・鈴音と3人で、なんでも屋をやってご飯を食べるお金を稼ごうとする。
 初の依頼者は犬神のレベッカ、次の依頼者はチュパカブラと、聖なる魂と呼ばれる存在が相次いでやってくるのだが、晴斗は頑なに自分の常識を守ろうとする。だが彼自身、実は真の人と呼ばれる、霊力を持つ稀有な存在だったのだ。

 第5回GA文庫大賞奨励賞受賞作品。気付かない主人公によって傷つけられる少女たちを救う物語のような、単なる腹ペコたちのコメディのような。もう少しオリジナリティが欲しい。

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