相川黒介作品の書評/レビュー

インヴィジョン・ワールド (2)

飛び級の迷宮
評価:☆☆☆★★
 特務機関ムラサメの創成士である天王寺真冬の推薦を受けて始まりの迷宮に潜ることになった遥斗たちは、迷宮を生み出した七人の革新者のオリジンである御原九十九と敵対することになる。

 シリーズ最終巻。

インヴィジョン・ワールド

屈服させたいヒロイン
評価:☆☆☆★★
 Super-Augmented-Reality(SAR)は、情報に質量を与え顕現させる技術だ。サードアイによる電脳化で起動したアプリのデータを、幻影実体化装置(インプリメント)による幻影換装で幻実体とする能力を持つ人々を<創成士/イマジニア>と呼ぶ。
 このSARは世界に革新をもたらしたが、また、災厄を招くことにもなった。トウキョウで発生した世界初のワールドロストによる幻実体の暴走は、次元迷宮(ダンジョン)とそこに現れた虚空なる者(ゴースト)という人類の敵対者を生み、“悪夢の七日間”と呼ばれた。そして未だ、トウキョウは次元迷宮(ダンジョン)から解放されていない。

 たびたび発生する次元迷宮(ダンジョン)を攻略するのは、<創成士/イマジニア>の役割だ。そんな彼らを養成する学園ヴァルフォールに一人の特待生が入学した。彼の名は神凪遥人。脳内メモリ領域が最低ランクのEであるため、大規模なアプリを使うことが出来ないという欠点がありながら、異常なまでの出力と、脳内に常駐して削除できない謎のアプリを持っているために、生徒会長の天王寺千影の推薦で入学することが出来た。
 そしてその初日。夢幻都市イデアに突如発生した次元迷宮(ダンジョン)に足を踏み入れてみた神凪遥人は、傲慢で思い込みの激しい先輩の緋桜杏奈に戦いを吹っ掛けられる。彼女は彼を、スナッチャーという、次元迷宮(ダンジョン)に出没する襲撃者と勘違いをしたのだ。

 幼馴染の白兎羽奈子とも偶然再会した神凪遥人は、天王寺千影からの提案で緋桜杏奈と組んでスナッチャー捕縛の任務に就くことになる。そして、容疑者の可能性がある猫好きの恋塚美亜と接触するのだった。

 とりあえず口絵に物申したいが、「ネコバスター」だと猫を倒しちゃわないかい?猫好きなのに。このネタが本文中で取り上げられるのかと思ったが、単なるミスか何かのようだ。
 そして、ヒロインのキャラクターがひどい。少なくとも自分には受入が難しい。とにかく言動にいらついて仕方がない。設定もヒット作の継ぎ接ぎ感が否めないので、どこかで期待させる何かを見せて欲しいところ。

 第18回スニーカー大賞特別賞受賞作「エピデミックゲージ」を改題改稿した作品だ。

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