井上堅二作品の書評/レビュー

項目 内容
氏名 井上 堅二 (いのうえ けんじ)
主要な著作

 井上堅二さんの作品の書評/レビューを掲載しています。

Lady!? Steady,GO!! Special Edition

人として立つために
評価:☆☆☆★★
 超巨大複合企業SANADA当主の孫でありながら出来損ないと蔑まれる、最高の身体能力・知力・容姿を備えた常識知らずが真田燐之介であり、その幼馴染であり真田一族でありながら、一族から端男(はした)と蔑まれるのが静目圭だ。そして圭の役目は燐之介に常識を教えることでありながら、燐之介や甲斐景虎の暴走に巻き込まれて騒動を大きくしてしまい、燐之介の妹の真田華凛に怒られることになる。
 そんな燐之介は、SANADA次期当主の座を競うため、ワークスというチームと立ち上げようとしていた。しかし、端男を管理する飛鳥井に拒否され、未だチームを立ち上げることが出来ていない。そんな時、景虎は飛鳥井が執心するリリシア・スティンクルという没落貴族の少女に関する情報を手に入れ、燐之介が飛鳥井に対するカードを握るための作戦を実行する。そんなことも知らず、圭は目前で起きる異常事態に翻弄されながらも、自分の道をつかみ取っていくのだった。

 新シリーズの始動。作中では圭の視点で描かれるため、何が起きているのか分かり辛い。

バカとテストと召喚獣 (12)

信じて欲しい
評価:☆☆☆☆★
 試召戦争によるFクラスのAクラス越え目前で学園長の藤堂カヲルの横やりが入り、一年生の転入生リンネ・クラインの視察のもとで開催された三年生と二年生の試験召還戦争は、二年生首脳部の主導権争いで混乱するものの、坂本雄二と霧島翔子が思いを伝えあうことで仕切り直しの時を迎えた。
 残された問題は、三年生主席である高城雅春による姫路瑞希奪取の目論見だ。吉井明久はそれを阻止すべく行動を開始するのだが、高城雅春から裏事情が暴露され、島田美波に関する問題も知ってしまうことで、自分の行動の正義を失ってしまう。

 シリーズ最終巻。

バカとテストと召喚獣 (11)

迷走する少年少女
評価:☆☆☆☆★
 坂本雄二の悲願である、試召戦争によるFクラスのAクラス越えが達成しようとした瞬間、学園長の藤堂カヲルによりその結末はお預けとなった。三年生主席である高城雅春や一年生の転入生リンネ・クラインを伴ってやって来た彼女は、二年生と三年生による、試験召還戦争の対決を申し渡す。
 姫路瑞希に執着する高城雅春から守ろうと立ちふさがった吉井明久は、高城雅春とキスをしてしまい、久保利光の心に衝撃をもたらす。一方、作戦を決める二年生各クラスの代表会議では、小山友香が坂本雄二に告白し、霧島翔子の心に諦念と、根本の心に嫉妬を生じさせていた。そしてその不和は、試験召還戦争の趨勢にも暗い影を落としてくる。

 クライマックスに向けた展開なのだが、吉井明久周辺の人間関係よりも、むしろ坂本雄二周辺の人間関係が中心となっている。この巻でそちらにある程度決着をつけ、ラストでは吉井明久にスポットを当てるという構成になっているようだ。
 ヒロインよりも男の子たちのあれこれが強調されつつあるように感じる今、ヒロインらしさが光るラストを期待したい。

バカとテストと召喚獣 (10.5)

過去と未来と現在と
評価:☆☆☆☆★
 後輩ツッコミ役が登場したり、入れ替わりがあったり、成人したFクラスメンバーが見れたり、小学生時代の思い出が語られたりする短編集。幕間ではオカマが選ぶ好みのタイプランキングの発表が行われる。

「僕と兄さんと謎の抱き枕」
 久保利光の弟である久保良光は、最近、兄の部屋で見かけた抱き枕の真相を探るため、文月学園の学校見学会に参加することにした。土屋康太の妹である土屋陽向も一緒にFクラスへと向かうと、そこには異端審問会の面々が待ち構えていた。
 出会う人ごとにくだんの人物、吉井明久についてインタビューする久保良光は、徐々に、文月学園的な思考に毒されていくことになる。

「僕と雄二と危ない黒魔術」
 霧島翔子が持っていた怪しい本を没収した坂本雄二は、偶然、そこに書かれていた黒魔術の儀式を実行してしまった結果、吉井明久と入れ替わってしまった。嫌な予感を覚えた雄二in明久は、吉井玲のセクハラ目覚ましをかわして自宅に駆け戻る。そこには、霧島翔子にプロポーズしようとしている、明久in雄二の姿があった!
 元の姿に戻ろうとする二人だったが、そこに明久に女装させようとする玉野美紀や、工藤愛子とムッツリーニ、島田美波と清水美春らが介入してきて、現場は混乱の渦に落とし込まれる。

「僕と未来と召還獣」
 進路希望調査に迷う雄二や明久の前に学園長の藤堂カヲルが現れ、またもや思いつきで調整した試験召還獣のテスターを依頼してきた。今回は、召還者の20代前半の姿をシミュレーションするというものだ。
 これまでの痛い経験が彼らに二の足を踏ませるが、やはり興味本位で結局召還してしまうFクラスとAクラスのいつもの面々は、シミュレーションした自分達の姿に何を見るのか?特に木下秀吉の未来は必見かも。

「私とウサギと仄かな初恋」
 小学四年生の姫路瑞希は、地味好きとあだ名される、引っ込み思案で病弱で、自分を太っていると思い込んでいる女の子だった。やりたくない飼育委員を押しつけられてしまったとき、彼女を庇って声をあげたクラスメイトの吉井明久と知り合うことになる。
 当時はクラスの女子の人気者だった明久と仲良くする瑞希に向けられるのは、女子のやっかみと嫉妬の視線だ。落ち込み、追い込まれ、自爆発言をしてしまった瑞希は、体調を崩して入院してしまう。そのときに、悲劇と、現在に至るまで彼女を支えた出来事が起きるのだった。


 次巻が本編最終エピソードとのこと。短編集は続くのかな?

バカとテストと召喚獣 (10)

ようやく見えた頂で
評価:☆☆☆☆☆
 Fクラスの半年越しの悲願であるAクラス越えの準備が整った。あとは実際の試召戦争で勝つだけだ。坂本雄二はそのための最後の詰めに余念がない。しかし吉井明久にはいくつか心配事があった。あのキスから姫路瑞希とまともに会話が出来ておらず、しかも、三年主席の高城と小暮が瑞希に執着している。そして島田美波は、リンネ・クラインを以上に警戒している。でも、この戦争には勝たなければならない。
 ついに、AクラスとFクラスの試召戦争の火ぶたは切って落とされた!坂本はFクラス特有の裏ワザを駆使して戦況を有利にしようとするのだが、その作戦は霧島翔子に見透かされ、逆に罠を仕掛けられる展開となってしまう。そしてその影では、色々と暗躍する人々が…。その結末は?

 吉井に対して一歩踏み出したかに見えた瑞希だったが、高城先輩の介入によって、思わぬ方向に流されていこうとしている。吉井はそのことには気づかないのだが、直観的に瑞希を心配しているみたい。
 一方、努力しても報われない感じの美波の方は、吉井への思いをドイツ語で綴った日記を落してしまい、その回収に神経をすり減らしていた。良い子なのに、どうしてこう、残念な方に向かっちゃうんだろう?

 こんなヒロインたちに対し、吉井明久はきっちりと男を見せることが出来るのか?バカの一念、壁を貫く?な展開となっている。
 それにしても、最後の幕切れは実際に学園であったら暴動ものだね。社会では良くあることかもしれんけど。

ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール(共著)

お題付き競作集
評価:☆☆☆☆★
 19人の作家が「3分間のボーイ・ミーツ・ガール」というお題で、原稿用紙30枚の短編を書くという企画もの。
 少年と少女が、教室で、外で、宇宙で出会ったり、敵だったり恋人だったり妖精だったり、そして楽屋ネタだったり、様々なシチュエーションでそれぞれの個性を発揮している、と思う。構成も、ワンアイデアものもあれば、短い中に複雑な設定を組み込んでいる作家もいたりして、面白い。

 個人的に一番好きなのは、庄司卓「5400万キロメートル彼方のツグミ」かな?基本的にこういうネタって、シチュエーションに萌えるかどうかで決まる気がするな。


 田口仙年堂「3min.30cm」、日日日「詰め込み教育の弊害と教室の片隅に彼女」、庵田定夏「ガチで人生が決まる面接に行ってくる」、嬉野秋彦「ねこなぶり」、榊一郎「3分間の神様」、本田誠「七年前のマリッジリング」、櫂末高彰「お湯を注いで」、野村美月「こっちにおいで、子猫ちゃん。」、綾里けいし「ネオンテトラのジレンマ」、庄司卓「5400万キロメートル彼方のツグミ」、前書き「先輩にリモコンを向けてみた」、羽根川牧人「トキとロボット」、竹岡葉月「ロイヤルコーポあさひの真実」、築地俊彦「QとK」、はせがわみやび「3分間のABCD」、新木伸「杉宮遥は男前っ!」、佐々原史緒「call」、田尾典丈「彼女に関する傾向と対策」、井上堅二「三分間のボーイ・ミーツ・ガール」

バカとテストと召喚獣 (9.5)

あなたと子供を作りたい
評価:☆☆☆☆★
「僕と子供と召喚獣」  藤堂カヲル学園長の思いつきで変更された試験召喚システムのテストに付き合わされることになった吉井明久と坂本雄二、そしてFクラスの面々たち。その変更とは、二人で一体の召喚獣を召喚できるようにすること。つまり、二人の子供ができる!
 当然、島田美波と姫路瑞希は明久に、霧島翔子は雄二に迫るわけだが、そこに色々な思惑が絡んで来て…。学年主任の高橋先生の意外な反応が見られます。

「僕と姫路さんとある日の昼下がり」
 ショッピングモールにお買い物に行くことになった明久と瑞希。デートの様な状況にドキドキする瑞希に対して、明久はいつも通り。そんなとき、明久は彼を見つめる視線に気づく。これは異端審問会の誰かか?デートの合間に、命を守る戦いが始まる!

「僕と土屋家と揺れない心」
 一言でいうと、ツッコんではいけない土屋家。明久と雄二、どちらが動揺しない冷静な心を持っているかで言い争いになったため、ムッツリーニの家を舞台として、彼らの冷静さを確かめる企画が立ちあがった。
 審判役の木下秀吉、ゲスト出演の島田美波の自虐的ボケっぷりを見て欲しい。でもこの企画は映像じゃないと表現が難しいかも。

「俺と喧嘩と不思議なバカども」
 7.5巻の帰国直後の美波と明久の物語の裏で繰り広げられていた、明久と雄二、ムッツリーニや秀吉との出会いの物語。やさぐれている雄二の印象がいまと違いすぎる。

 今回はラブコメというよりもコメディあるいは青春ものの要素がちょっと多め。短編という形式のせいもあるのかもしれない。

バカとテストと召喚獣 (9)

遅れて参戦するヒーロー?
評価:☆☆☆☆☆
 姫路瑞希の奇襲でボーっとしてしまった吉井明久は、Cクラスとの試験召喚戦争に遅刻する。明久不在のFクラスは、妙に張り切って補充試験に臨む瑞希の活躍で、戦力不足を感じさせない戦闘を繰り広げる。
 そんな中、遅刻して参戦することになった明久は、Cクラスの代表、小山友香の影に、彼女に作戦を伝授する先輩たちの姿が見え隠れすることに気づく。そして、そのアドバイスは坂本雄二の先手を打つ結果となり、元々不利なFクラスは、勝利への道筋を見失っていく。

 期せずして別働隊となった明久は、Aクラスの上位4人組のサポートを受けながら、少しでも状況を有利にしようと動き出す。同じころ、雄二も全戦力を投入した突撃作戦を実行に移そうとしていた。だが、その作戦の要となる瑞希に、陰謀の魔の手が迫る!

 別行動の明久が、ふだんはあまり絡まない霧島翔子や工藤愛子、木下優子なんかとバカをやりつつ、最後はやっぱりヒーローとして決めてくれます。一方、島田美波なんかとの絡みは減ってしまったので、彼女の印象は少しうすめかも。
 また、新たなキャラクターが登場し、次の展開への期待を高めてくれる。

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バカとテストと召喚獣 (8)

噂をきっかけにした新たな展開
評価:☆☆☆☆☆
 吉井玲の提案で明久の家に居候することになった姫路瑞希。だがそんな幸せな状況を異端審問会が許すはずがない。一応は同居を隠そうとはするものの、明久も瑞希も脇が甘いので、会話の端々に事実が匂わされて発覚してしまう。
 異端審問によりFクラスが分裂状況にあることに加えて、Cクラスが仕掛けてきた謀略で異端審問官たちの明久や坂本雄二に対する嫉妬心はさらに掻き立てられ、とても試験召喚戦争をできるような状況ではなくなってしまう。
 真実と嘘が混じる噂が飛び交う中で、噂を本当にしようと勇気を振り絞る人があり、火消しに励む人もいる。そんな状況で繰り広げられる試召戦争の行方は次巻に持ち越される。

 前巻の闇鍋騒動からの続き。島田美波の妹の葉月もちょっと登場し、いずれ交換留学生が登場しそうな伏線が張られたりもするけれど、基本的には美波にリードされ気味の瑞希が体を張っちゃう感じの展開。
 試召戦争も行われるけれど、それはどちらかというと関係をかき回すためのツールという感じになっているかな。

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バカとテストと召喚獣 (7.5)

四話四様の色調
評価:☆☆☆☆☆
 男子同士のちょっとした賭けトランプが、いつの間にか霧島&姫路を相手とする尊厳をかけた闘いに変化していく「僕とダウトと男の尊厳」。学園長の実験により、本音をダダ漏れさせるようになった召喚獣を巡る駆け引きを描く「僕とホンネと召喚獣」。ついに姫路の料理の犠牲者が女子組にも拡大?の「僕と福引と闇の鍋」。ドイツから帰国したばかりで日本語に苦労する島田と吉井の出会いを描く「ウチと日本と知らない言葉」の4本の短編を収録。

 召喚獣というツールを介してはいるけれど、日常のちょっとした出来事を面白おかしく描くことが多いので、長編よりも短編の方が合っているような気がする。徹底的にバカバカしい話や、ちょっとまじめな話など、1冊で色々な話が読めるところも、短編の良いところだろう。
 今後の展開に大きな影響を与えるのは3本目、吉井の吉井らしさが表れているのは4本目の話だと思う。

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バカとテストと召喚獣 (7)

没収品を賭けた野球大会
評価:☆☆☆☆★
 体育祭の一種目として開催される、召喚獣を使った教師との交流野球大会。勝利の暁に返還される、持ち物検査での没収品を取り戻すため気合が入るFクラスの面々。だが、いつもならあらゆる手を尽くして勝利をもぎ取ろうとするはずの雄二が若干精彩を欠いていて…というお話。

 今回は野球というルールの枠組みの中で行う勝負なので、たまに野球を全く知らない人のボケが入る以外には、いつもに比べて自由度が低いため、意外な展開は少ないかもしれない。野球大会がメインなので体育祭の競技もほとんど描かれず、本来ならそこで暗躍するはずのムッツリーニも、いつもよりはおとなしい感じがする。
 次は短編集らしいので、また色々な展開が見られるでしょう。あと今回は、試験問題の元ネタが結構本格的だった気がする。

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バカとテストと召喚獣 (6.5)

玲ねえさんが絡むと限度というものがなくなる気がする
評価:☆☆☆☆☆
 木下姉弟入れ替わり大作戦、海辺とお祭りでの騒動、雄二と翔子のはじめて物語が収録された短編集。はじめのふたつでは、試召戦争から離れ、キャラクターのカップリングが生み出す妙が楽しめます。ある意味いつもどおり。海辺といえばアレ、お祭りといえばコレといったイベントが発生。共通して言えることは、いずれにせよ女性陣の発言権がとても強いということかな。
 最後の一編は、小学生時代、神童と呼ばれていた頃の雄二と翔子の姿が描かれます。なぜ優等生だった雄二がいまのカタチになったのか、なぜ翔子は雄二を好きになったのかが明らかに。こちらはかなり真面目で感動を誘う感じのストーリーです。
 また、幕間のおまけでは、なぜ瑞希の料理が殺人的なのかが、化学的に説明されています。

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バカとテストと召喚獣 (6)

一歩を踏み出す勇気
評価:☆☆☆☆☆
 専門家という訳ではないので詳細に分析したわけではないが、自分の印象ベースで話をすると、近年の人気があるライトノベルの特徴として、物語の世界観やド派手なパフォーマンスよりも、キャラクターの関係性を重視する傾向がある気がする。初めは世界観を前面に押し出していた作品も、巻を重ねるごとにキャラクター同士のやり取りが増えていくという、方針転換が見られたりする。
(これは、ライトノベルというジャンルが受け入れられて読者層が広がり、経済力の高い層の意見が強く反映されていった結果なのかもしれないと思うが、それはひとまず置いておく。)

 本作も初めこそ試験召喚システムという世界観が中心にあったが、徐々にそれは、明久・瑞希・美波などの恋愛模様を描くためのツールに変化してきている。こうなると、関係性に何がしかの決着をつけるか、こんな感じでずっと続いていきます、みたいなのが着地点になるわけで、そこに至るまでに如何に関係性を深めていくことができるかが勝負になるのだろう。そんなわけで、これまで美波の積極攻勢が目立っていたけれど、今回は瑞希が色々がんばります。
 試験召喚システムの制度上、本来ならばテストの点数が良い奴が偉いということになるはず。主人公たちはタイトル通りあまり成績が良くないので、ダメなやつと即断されるはずなのだが、それは作者の本意ではないと思うので、如何に点数不足をチームワークや作戦でカバーするのが重要。今回、瑞希はこの面でも啖呵を切っています。

 次巻はちょっと学校から飛び出すようなので、どんな風に試験召喚システムが織り込まれるか、あるいはまったく無視されるのか、どういう展開になるのかが楽しみです。

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バカとテストと召喚獣 (5)

みなさんちの家庭の事情
評価:☆☆☆☆★
 明久の姉、玲が来襲。生活状況のチェックと称する干渉は、明久の生活を改めさせクラスメイトの猜疑を生むことになる。  日々減点されていく明久の生活評価を向上させるため、テスト勉強と称してクラスメイトの家を渡り歩く展開になるのだが…テスト勉強というよりも、それぞれの家庭の事情に直面するはめに。
 盛り上がっていく美波や瑞希の気持ちはどこに向かうのか。試験召喚システムの異常と共に、次巻では何かが起こりそうな予感。

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バカとテストと召喚獣 (2)

お笑い、お色気、ちょっとピンチ
評価:☆☆☆☆★
 学園祭。姫路瑞希の転校阻止と坂本雄二の人生の選択権を守るため、試験召喚大会での優勝を目指す吉井明久。人の心を利用しインチキすれすれの手段でトーナメントを勝ち上がって行きつつも、努力も忘れない。
 模擬店のチャイナドレスあり、学園内外から迫る魔の手あり、いろんな意味で少しずつ世界が広がってきた。

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バカとテストと召喚獣

結局はテストの点か…という気もする
評価:☆☆☆★★
 試験の成績で教室の設備がランク付けされ、テストの点数に応じた強さを持つ召喚獣を駆使してクラスの入れ替え戦をやる実験校のお話。基本的には成績が良い人が強いのだけれど、一芸に秀でていたり、ちょっとした特殊能力を生かしたりして下剋上も可能な仕組みになっている。今回は、最下層のF組が打倒A組を目指してのし上がっていく様子を描いている。一応、最初の回想が最終決戦の伏線になっていたりもする。
 ただ、世界観の説明がイマイチで、構内の描写も舌足らずで分かりづらく、うまく入り込めない感じはした。しかし、設定的には面白いので、慣れてくればもっと良くなってくる気がする。

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