バカとテストと召喚獣 (10.5)(井上堅二)の書評/レビュー


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バカとテストと召喚獣 (10.5)

過去と未来と現在と
評価:☆☆☆☆★
 後輩ツッコミ役が登場したり、入れ替わりがあったり、成人したFクラスメンバーが見れたり、小学生時代の思い出が語られたりする短編集。幕間ではオカマが選ぶ好みのタイプランキングの発表が行われる。

「僕と兄さんと謎の抱き枕」
 久保利光の弟である久保良光は、最近、兄の部屋で見かけた抱き枕の真相を探るため、文月学園の学校見学会に参加することにした。土屋康太の妹である土屋陽向も一緒にFクラスへと向かうと、そこには異端審問会の面々が待ち構えていた。
 出会う人ごとにくだんの人物、吉井明久についてインタビューする久保良光は、徐々に、文月学園的な思考に毒されていくことになる。

「僕と雄二と危ない黒魔術」
 霧島翔子が持っていた怪しい本を没収した坂本雄二は、偶然、そこに書かれていた黒魔術の儀式を実行してしまった結果、吉井明久と入れ替わってしまった。嫌な予感を覚えた雄二in明久は、吉井玲のセクハラ目覚ましをかわして自宅に駆け戻る。そこには、霧島翔子にプロポーズしようとしている、明久in雄二の姿があった!
 元の姿に戻ろうとする二人だったが、そこに明久に女装させようとする玉野美紀や、工藤愛子とムッツリーニ、島田美波と清水美春らが介入してきて、現場は混乱の渦に落とし込まれる。

「僕と未来と召還獣」
 進路希望調査に迷う雄二や明久の前に学園長の藤堂カヲルが現れ、またもや思いつきで調整した試験召還獣のテスターを依頼してきた。今回は、召還者の20代前半の姿をシミュレーションするというものだ。
 これまでの痛い経験が彼らに二の足を踏ませるが、やはり興味本位で結局召還してしまうFクラスとAクラスのいつもの面々は、シミュレーションした自分達の姿に何を見るのか?特に木下秀吉の未来は必見かも。

「私とウサギと仄かな初恋」
 小学四年生の姫路瑞希は、地味好きとあだ名される、引っ込み思案で病弱で、自分を太っていると思い込んでいる女の子だった。やりたくない飼育委員を押しつけられてしまったとき、彼女を庇って声をあげたクラスメイトの吉井明久と知り合うことになる。
 当時はクラスの女子の人気者だった明久と仲良くする瑞希に向けられるのは、女子のやっかみと嫉妬の視線だ。落ち込み、追い込まれ、自爆発言をしてしまった瑞希は、体調を崩して入院してしまう。そのときに、悲劇と、現在に至るまで彼女を支えた出来事が起きるのだった。


 次巻が本編最終エピソードとのこと。短編集は続くのかな?

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