伊藤ヒロ作品の書評/レビュー

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アンチ・マジカル 〜魔法少女禁止法〜

置き捨ててきたものが動き出す
評価:☆☆☆★★
 十一年前の魔法少女禁止法の施行により、魔法少女の時代は終わった。いや、その直前、人間の《キレイなココロ》を狙う鬼魔の女王を、魔法少女連合軍が撃破した時点で、魔法少女は煮られる走狗となったのだ。また、当時八歳の魔法少女ウサミーが、変身前に異常なファンたちにより拉致監禁され、全裸のまま遺棄されるという事件が起こるに至り、ほとんど全ての魔法少女は魔法ステッキを隠し、その才能を生かして社会に溶け込んでいった。
 だが、未だに魔法少女禁止法に違反しつつ、街の犯罪者たちに私刑を下す魔法少女が居る。その最後の魔法少女こそ、24歳となった赤石苺子こと「夢見るおしゃれ天使スウィ〜ト☆ベリー」だ。彼女は街の闇の中を駆け抜け、目につく犯罪者どもを潰していく。

 そんな彼女に偶然助けられた17歳の少年である佐倉慎壱は、幼馴染の宇佐美奈々が持っていた魔法ステッキを借り受け、魔法少女の弟子サクラとして、スウィ〜ト☆ベリーと共に行動することにした。わずか10日前の話だ。しかしそれが、ある意味で均衡を保っていた世界に不調和をもたらすことになるのを、彼は知らなかった。

 突如、かつての魔法少女の一人が高層マンションから転落死する事故が発生し、その捜査にあたったベリーは、元魔法少女たちが狙われる可能性を検討する。そしてそれを警告するため、既に一般人となっている成長した彼女たちに会いに行くのだが、それは、既に失われていることを知るための旅に過ぎなかったのだ。
 何となくノスタルジーを描きたかったことは分かるが、ラストに至るまでの構成が美しく組み上がっていない。そのあたりの行き当たりばったり感と、妙に仄めかして終わるラストは、いかにもアメコミっぽい。個人的にはそういうのの魅力はよく分からないので、フツー。

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