遠藤浅蜊の書評/レビュー


 遠藤浅蜊の書評/レビューを掲載しています。

魔法少女育成計画 episodes

ほのぼのなのに阿鼻叫喚
評価:☆☆☆★★
 「魔法少女育成計画」「魔法少女育成計画 restart」に登場した総勢33人の魔法少女の事前・事後談を収録した掌編集だ。
 予想外に本編が売れたために書き足した様なエピソードが多く、魔法少女たちに本人も知らないつながりがあったり、穏やかな時期のほのぼのエピソードがあったりする。事後は阿鼻叫喚の嵐であったろう。

魔法少女育成計画 restart 後

凄惨な清算
評価:☆☆☆☆★
 森の音楽家クラムベリーが残した偽りの魔法少女の再試験を掲げ、魔法少女育成計画を再始動させた魔法少女キークの思惑通り、16人の魔法少女たちは時に協力しながら、時に疑心暗鬼になりながら、これまでに6人もの犠牲を払いつつ、巨大なドラゴンとの戦闘に挑んでいた。
 そして残るエリアは魔王城のみ。魔王を倒せばゲームはクリアできる。だがそれは、簡単な道ではなかった。

 ちょっといい話になった魔法少女たちには次々死亡フラグが立っていく絶望的な展開になっている。様々な理由によりバンバン殺されていって、誰が生き残るかは最後まではっきりしない。
 スノーホワイトによる解決は皮肉が利いていて悪くないな。すごく珍しい解決というわけでもないけれど。

魔法少女育成計画 restart 前

金に目がくらむ魔法少女たち
評価:☆☆☆☆★
 ペチカ(建原智香)、フランテイル、リオネッタ、御世方那子、プフレ(人小路庚江)、シャドウゲール(魚山護)、マスクド・ワンダー、マジカルデイジー(八雲菊)、のっこちゃん、夢ノ島ジェノサイ子、@娘々、ディティック・ベル(氷岡忍)、チェルナー・マウス、メルヴィル、ラピス・ラズリーヌ、アカネという16人の魔法少女のもとに、完全無料のソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」への参加を強制するメールが届く。
 魔法少女たちの前に現れたマスコットのファルは、これからみんなに仮想世界でモンスターと戦ってもらうと告げ、たとえそこでどんな怪我を負っても、現実世界にはフィードバックされないと告げた。クリア賞金100億円という言葉につられ、誰も拒否することなくゲームを始めるのだったが、そのうち、ファルのマスターがついていた嘘が明らかになる。ゲームの世界で死ねば、現実世界でも死んでしまうのだ。

 ソードアート・オンラインの様な世界でお送りする、魔法少女育成計画。スノーホワイトという名前の魔法少女も登場するようなので、前作以後の世界であることは間違いなさそう。
 一見、みんなで協力すれば安全にクリアできそうでありながら、上限4人のパーティ制が敷かれていたり、レアアイテムの数に限りがあるなどして、自然に競争心を刺激する仕組みになっている。当然、プレイヤー・キルもありだ。そんなわけで、プレイヤーの魔法少女の間に不和が生まれ、裏切りによる惨殺事件も多発する。

 バトル能力にたけた魔法少女が生き残るかというと必ずしもそうではなく、やはりしょぼい魔法の使い手が主役級に抜擢されている。今巻ではまだまだ沢山の魔法少女が生き残っているので、次巻では殺戮の嵐が吹き荒れそう。

魔法少女育成計画

戦え!魔法少女
評価:☆☆☆☆★
 完全無料のソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」のプレイヤーから選ばれた16人が魔法少女になれる。ところが、魔法少女を勧誘するファヴのミスで、定員8に減らさなければならなくなってしまったのだ。
 その方法は、魔法少女が善行を積むともらえるマジカルキャンディーの数を競うこと。毎週、保有数が一番少ない魔法少女が脱落するのだ。それにあたっては、マジカルキャンディーの管理をする端末のバージョンアップがなされ、魔法少女間でのキャンディーのやり取りが自由化される…。


 百発百中の手裏剣という魔法を持つリップルは最速の魔法少女トップスピードと組み、困っている声が聞こえるスノーホワイトはラ・ピュセルと組む。連衡合従が進んでいく中、上記のルールは魔法少女同士の血で血を洗うバトルを奨励していることに、魔法少女たちは気づいていくのだった。

 魔法少女同士の間に生まれるハートフルな会話の余韻を引き裂く様に、ありとあらゆるやり方で魔法少女が殺し殺されする展開となる。ゆえに一見すると救いがないようにも思えるのだが、意外に行動にふさわしい報いは与えられ、最後に生き残る魔法少女は正道に立ち返るという、道義的な構成になっているとも捉えられる。
 力無き正義は無力だとはよく言われることだが、ここに、自発的能動的選択が最善の結果を導く訳ではないという、あまりにも無力さを感じさせる前提を加えると、本作になる様な気もする。


美少女を嫌いなこれだけの理由

見た目だけじゃ判断できないぞっ☆
評価:☆☆☆☆★
 あ〜、あそこにいる人、すごい美少女だね。いや、アレは美少女という種族。
 人類に混じって生きてきた美少女という種族は、トイレにも行かなければ、汗もかかない。外見はみんな美少女で、それぞれがふたつの属性を持っている。ただし、見た目は美少女でも性別・年齢の違いはあるので要注意!思わずミニスカからのぞく太ももに目を奪われてしまったとしても、実はそれ、40過ぎのおっさんかも知れませんよ?

 そんな世界で、美少女たちしか所属しない日本郵政みたいな組織の、特定郵便局長みたいなポジションに就いた高校生一年生の亜麻野雄介は、本社や支局からの妨害に負けず、今日も営業活動に邁進する。
 そんな中で出会う美少女は、吸血鬼あり、学級委員あり、かえるあり、魔女あり、忍者ありと多彩。でも本当に、性別には注意しましょう。

 美少女という人間以外の存在を主役として、ガチンコバトルあり、ラブコメありの展開としながらも、人間っぽいイジメあり、嫌がらせありの、じみ〜な日常を描いている。もちろん、地味とは言っても美少女がやることなのでそんなに地味ではないけど。
 いまさら人間を使ってやるには普通過ぎる日常を描くには、時代劇で人情ものをやるみたいな感覚で、全く別存在の美少女というのを仕立てるのは、ひとつのやり方なのかも知れない。

 ただ、一貫したストーリがあるようで無いような、盛り上がっているようで盛り上がりにかけるような、何か意図があるようで無いような作品でもあると思うので、途中で飽きる人は確実にいるだろう。

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