天冥の標 (6) 宿怨 PART 2(小川一水)の書評/レビュー


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天冥の標 (6) 宿怨 PART 2

旅立ちの前の嵐
評価:☆☆☆☆☆
 西暦2502年、《世界冥王斑患者群連絡会議》「二二二二年第三次拡張ジュネーブ条約についてのアップデート会議」を主催するロイズ非分極保険者団に大使の派遣を申し出ていた。その申し出はあっさりと了承され、内嗣子イサリ・ヤヒロと妹のミヒル・ヤヒロ、副議長のロサリオ・エル・ミシェル・クルメーロが派遣される。
 一見、和やかに進んでいるかに見えた会議だったが、マツダ・ヒューマノイド・デバイシズの筆頭執行責任者ジェズベル・グレンチャカ・メテオールは、それほど甘い人物ではなかった。再びイサリとミヒルがアイネイア・セアキにかけた迷惑に気を取られている内に情勢は一転しており、《救世群》は屈辱的な政治的扱いを受けることになる。

 だが彼らの行動は、実は非染者に対する最後通牒でもあったのだ。ミスン族とカンミアの分封による行動で、《恋人たち》と接触を持っていた太陽系外生命体カルミアンとの契約に成功していた《救世群》は、自身の持てる最大の武器を利用し、ついに復讐の時を迎えようとしていたのだ。

 PART1から3年後の出来事であり、PART3に続く模様。《酸素いらず》のオラニエ・アウレーリアによる外宇宙出向の準備も整う情勢の中、太陽系人類には未曾有の危機が訪れる。
 そんな中、それぞれの陣営の中で異なる立場となったイサリやアイネイア、彼の恋人であるミゲラ・マーガスはどのような選択をしていくのか。

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