大平しおりの書評/レビュー


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リリーベリー―イチゴショートのない洋菓子店

山奥の洋菓子店の価値
評価:☆☆☆★★
 大学生の中屋明海は、パティシエ修行中で片思いの関和志を連れ、北部市の君影山に出来た寂れた洋菓子店リリーベリーを訪れた。その店は、一年間限定の営業で、商品もルージュ・フロマージュひとつしかない。だが、その味に衝撃を受けた関和志は即座に弟子入りを願うものの、若い店主の竹下望に即座に断られてしまう。
 一念発起した関和志は、即、フランスへの留学を決意し、旅立ってしまう。残された中屋明海は、思い人の留学のきっかけを作った竹下に恨みを抱き再来店するものの、商品をダメにした罪滅ぼしに、安い給料でバイトをすることになってしまった。

 竹下のことを単なる都落ちだと思っていた明海だったが、東京から宮舘信悟と阿部川竜也が追いかけてきて店に加わったことで、竹下の抱える事情を知ることになる。

 主人公のハイテンションについていけるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの分かれ目だろう。

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