鏡貴也作品の書評/レビュー

堕ちた黒い勇者の伝説 真伝勇伝・革命編 (8)

最後の賭け
評価:☆☆★★★
シオン・アスタールによる革命は最終段階を迎えつつあった。このまま大貴族にすり潰されるか、奇跡を起こすかという段階だ。状況はあまり良くない。シオンははったりをかましつつ、人々に希望を見せる言葉を紡ぐ。

 シリーズ完結巻。

 半分は連載分の掲載。ライナ・リュートが禁呪に殺されそうになったり、フェリス・エリスが催眠術にはまったりする。

いつか天魔の黒ウサギ (12) 初夜と最後の五日間

消えきらない繋がり
評価:☆☆☆☆★
 世界が崩壊するまであと5日間。紅月光は安藤美雷と契約を結び直すことを決意し、対等の関係となった。一方、クロガネタイトとしての記憶を取り戻した黒鉄大兎は、表向きは普通の学生として振舞いつつ、黒守・フィリエル・優一と結託して世界崩壊への道を突き進む。
 一方、頭に入り込んだシグレハルカから事情を把握した碧水泉は、予言の干渉を防ぎつつ、セルジュ・エントリオ、ハスガ・エントリオに事情を伝える。

 いよいよ次は最終巻。果たしてどんな結末を迎えるのか?

大伝説の勇者の伝説 (13) 昼寝と団子と王様と

だんごの始まりの街へ
評価:☆☆☆★★
 這い神レムルスの術式により、世界は一年間だけ、神々の支配から逃れることができた。その隙をついて、ルシル・エリスが魔眼保持者たちの王エーネを暗殺にやってくる。リューラ・リュートルーの力でルシルを拘束したライナ・リュートは、フェリス・エリスらと語らい、世界を変えるために頑張ることを決意する。
 一方、勇者アスルード・ローランドの呪いから解放されたシオン・アスタールは迷っていた。そんな彼の許に、ライナからの手紙が届く。そして、ガスターク帝国には、キファ・ノールズが使者として赴いていた。

 だんごの始まりの街への帰還が果たされる。

終わりのセラフ (1) 一瀬グレン、16歳の破滅

評価:☆☆☆☆★
 「帝ノ月」の次期当主である一瀬グレンは、従者の花依小百合や雪見時雨と共に、呪術師養成学校である第一渋谷高校に入学した。ここは、「帝ノ月」を隷属視する「帝ノ鬼」が支配する学校であり、その次期当主である柊真昼が入学する学校でもある。
 一瀬の後継者を完全に隷属させるため、徹底してグレンを蔑視する五士典人や十条美十ら周囲の人々に対し、花依小百合や雪見時雨は憤りを感じるのだが、主の命に服し、己の実力を見せるような行動はとらない。グレンは、その類い希な実力を隠し、柊たちを油断させようとしているのだ。

 ところが、そんなグレンの思惑を見透かしたかのように、柊真昼の婚約者である柊深夜が近づいてくる。かつて、グレンと真昼が親しくしていたことを知っている深夜は、グレンが未だその思いを断ち切れていないと思っているのだ。
 だがそれでも実力を隠し、学校で侮られ続けるグレンに、終末思想の最大宗教である「百夜教」の暗殺者の魔の手が迫る。「百夜教」は「帝ノ鬼」を潰すため「帝ノ月」と手を組もうとしていた。

 「終わりのセラフ (1)」の過去を描く。実力はあるけれどそれを見せない主人公と、彼と同居して護衛する美少女従者が二人。だがグレンは彼女たちに見向きもせず、5歳の時の初恋の少女との思い出を大切に、現在を生きているのだ。
 そしてそれは相手の少女である真昼も同じ。ただし彼女は、グレンよりもより現実的に、世界をひっくり返す道を選ぶ。

いつか天魔の黒ウサギ (11) 悪魔と魔女と生徒会長の恋

世界崩壊まであと13日
評価:☆☆☆☆★
 世界崩壊まであと13日。紅月光が知らないところで、《軍》黒守・フィリエル・優一が《魔女たちの園》の女王アンナを殺害し、彼が隠していた秘密が明らかにされ始めた。
 ひたすらに《預言》を変えるために鉄大兎と共に力を集める月光だったが、彼の手の及ばない、しかしごく身近なところで、それ以上の力が終結に向けた集結をはじめる。

 紅月光の生徒会室の方とかなり内容的にかぶっているので、ほとんど進んでいないような気がしないでもない。というか、明らかに進んでいない…のだけれど、最後には安藤美雷に関してとんでもない展開になったりもしているので、一概に進んでいないとも言えないかも知れない。結局、よく分からないな。

大伝説の勇者の伝説 (12) 遅れてきた魔眼の王

束の間の休息、繰り返される悲劇
評価:☆☆☆☆★
 這い神レムルスの命を賭けた術式により、シオン・アスタールの血脈の中に埋め込まれていた堕ちた勇者アスルード・ローランドの呪いは一年間だけ封じ込められた。だが、護るべき臣民たちを捨て、ライナ・リュートの元に走ってしまったシオンは、自らを王失格と判断し、その身をミラーらにゆだねる。
 一方、シオンを助けるために王様としての仕事にやる気を出しつつあったライナは、キファ・ノールズやフェリス・エリスから心配されながらも頑張っていた。そこに、蒼の公主ピア・ヴァーリエが殺されたという連絡が入る。

 彼らとは昔こういうイベントを一回やんなかったっけ、と思っちゃった。始まり方も終わり方も大体同じじゃないかな?まあ、巻数で言えば大分昔のことだけど。さすがに同じイベントはいらなくない?
 何か余裕が出て、状況がリセットされた感があるんだけど、これってもしかして、まだまだ続くのかな?

いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室 (5)

生徒会室外の役員たち
評価:☆☆☆★★
「泉ちゃんの秘密」
 宮阪高校の結界の中核となる樹に、願いを書いた紙を釘でさせば願いがかなうという噂が広まり、結界が弱められる事件が発生した。紅月光生徒会長はその事件を解決するため現場に向かうのだが、そこに沙糸ヒメアや碧水泉がやってきて、何か面倒くさいことになっていく。

「不審者な女子高生」
 コンビニで黒鉄大兎のためにお菓子を買おうと悩む沙糸ヒメアだが、お金が足りない。そこに、海外宝くじ詐欺の手紙を受け取った安藤美雷がやってきて、億万長者になるために5千円が必要と言いだす。常識外の存在である二人が互いの利益を満たすために至る結論とは?

「消滅前夜の紅月光生徒会室」
 紅月光生徒会長は、生徒会役員たちに帰宅を命じた。世界の終りまであと五日。最後の帰宅の機会である。黒鉄大兎は家族との時間を過ごすために帰宅するのだが、他の生徒会役員たちはそれぞれ思い思いの行動をとりだす。

「温泉ノート」
 紅月光、安藤美雷、黒鉄大兎、碧水泉、セルジュ・エントリオ、ハスガ・エントリオというメンバーで、箱根湯本温泉に骨休めにやってきた。当然このメンバーなので、行くまでにも到着してからも問題がいっぱい。彼らの過ごすオフの姿とは?

真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説 (7)

燃え上がる革命の炎
評価:☆☆☆★★
 革命前夜。シオン・アスタールがケスタリウス皇子を殺してしまったことをきっかけに、ミラーの計画よりも早く、戦いが勃発することになってしまった。準備不足の中、クラウ・クロムやルーク・スタッカートはそれぞれのやり方で奮闘するが、劣勢であることは否めない。
 一方、シオンは玉座へと向かい、父王との初めての邂逅を果たしていた。

 半分以上はドラマガ連載の短編。シオンの部屋にあったマニュアル本をライナ・リュートが読んでいるところをフェリス・エリスに目撃されて誤解されたり、3人でだんごをつくったり、3人でお酒を飲みに行ったり、忙しくも穏やかな日々を送っていたときのエピソードだ。

 しかしここ最近、イラストが良い感じだねえ。

いつか天魔の黒ウサギ (10) 校庭で笑う魔女

明らかになりはじめる真の黒幕
評価:☆☆☆☆★
 預言の成就まであと20日。魔術組織第一位《軍》の崩壊をかぎつけた第三位《テンペロン・クローリー》が宮阪高校を襲撃し、それを察知した雑多な魔術組織が疑心暗鬼に駆られて戦いを勃発させ、ついには第二位《教会》までもが《ロンギヌス閃光》を撃ち込んでくる事態となってしまう。
 屋上で必死に防御に明け暮れる黒鉄大兎は、紅日向のサポートも受けつつ、自身の呪いも暴走させつつ、何とかしのいでいた。一方、サイトヒメアは結界の構築に勤しみ、昏睡に陥っていた碧水泉は意識を取り戻す。

 そんな慌ただしい状況の中、紅月光の前に現れたのは魔女リーネ(璃衣音)と悪魔ペルティだった。いま、月光とリーネの二年前の関係が明かされる。
 そして《予言》にまつわる秘密もついに明かされ…。

大伝説の勇者の伝説 (11) ニンゲン総代

最後の勝負に向けてのスタート
評価:☆☆☆☆★
 這い神レムルスに捕らえられたライナ・リュートは、彼らの住む世界の成り立ちを聞かされる。それは司祭と女神、勇者と悪魔、ニンゲンとニンゲンαが何度となく繰り返し織りなしてきた千年の歴史だった。そしてその繰り返しは、ついに今回で新たな局面を迎えた。その重要なファクターが魔法だ。
 局面を調和させるために数々の駒を生み出してきた神に対して、人間が多大な犠牲を払いつつ、神に対抗するために生み出した技法、それが魔法。しかし、元々の世界の仕組みの力は大きく、簡単に枠組みを壊すことはできない。しかし、魔法という新たな因子の登場は神々の行動に変化をもたらし、勇者や悪魔の行動を予定とは違うものにしてきている。

 レムルスが自らの全てを賭けて譲り渡したのは、貴重な時間を使って試行錯誤するための権利だ。それを受け取ったものたちはどんな選択をするのか?それが次巻以降で描かれることになる。
 今回の口絵は気合い入ってるよ!

いつか天魔の黒ウサギ (9)

碧水泉の選択
評価:☆☆☆☆★
 預言の成就まであと27日。軍の崩壊をかぎつけたテンペロン・クローリーの総攻撃を10日後まで引き延ばし、ひとまず時間を得た紅月光の生徒会だったが、預言を回避するためのどんな行動も、より深い預言に記されているという紅日向らの諦観に押しつぶされそうになっていた。
 それを回避するため、黒鉄大兎は、テンペロン・クローリーへの抵抗をやめ、預言の回避に全力を尽くした方が良いのではないかと提案する。その作戦を実行するため、サイトヒメアはテンペロン・クローリーからの監視を振り切る魔術の構築に全力を挙げ、碧水泉は預言を見て教会を味方に引き込むための工作に尽力すると言い出す。

 それぞれがそれぞれにできることをやり始めた頃、月光の居る生徒会室に、東の天魔からの使いがやってきて、自分たちの世界に来て欲しいという。だが当然月光は…。

 預言を回避するための策を打っても、無駄だね、それは○○スクデュルに書かれていた行動だから失敗する、とか言われちゃう状況でも、月光はまだあきらめていないし、他の生徒会メンバーもあきらめてはいない。それは根拠があることではないけれど、ただそう信じているのだ。
 とにかく、何もしなければ変わらないのは事実。何かを変えるため、やれることをやっていくのだが、預言の成就を望む勢力も当然いるわけで…。そして、サイトヒメやシグレハルカ、クロガネタイトがどうして生まれたのかが明らかになる。

 初回特典のNo.1は、自販機でコーラを買うお金を誰に借りるかの選択を迫られる月光だ。

いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室 (4)

碧水ワールドへようこそ!
評価:☆☆☆☆★
 いつものように、まじめに授業にも出ない生徒会役員たちがあほな騒動を繰り広げる短編集。今回のキーワードはカレー!カレーが食べたかったのかな?
 だけどやはり短編の主役は碧水泉でしょう!彼女が何も知らない沙糸ヒメアや安藤美雷に色々吹き込むことで騒動が巻き起こされるのですから。彼女は本当に他人のコントロールが上手い。最強種たちを手のひらの上で転がします。まあでも前回に比べたらエロネタは控えめかも。

 カレーから温泉が引き出されたので、次回は合宿ネタになるようです。

いつか天魔の黒ウサギ (8) 魔女と花火と女学校

世界崩壊まで28日
評価:☆☆☆☆★
 軍の崩壊を確認するために、第3位の組織テンペロン・クローリーから魔女リーネと悪魔ペルティが宮阪高校生徒会室を襲撃して来た。残っているのは碧水泉ひとりだけ。ただの人間である彼女はこのピンチを切り抜けられるのか?
 そして、鉄大兎の隣の家に、時雨遥が帰宅する。予言を見て彼女がやって来たことを知ってしまった大兎は、サイトヒメアとのことも含めて、どう対処するのか?

 大兎をめぐる二人の少女、サイトヒメアと時雨遥の秘密が明らかになる!

大伝説の勇者の伝説 (10) 英雄と悪魔

ライナを救いに来る各勢力
評価:☆☆☆☆★
 ライナ・リュートがレムルス・レムルド・アークエドに拉致されてしまった。彼を救出するため、フェリス・エリスとキファ・ノールズは行動を開始するものの、ライナの行方は全くつかめない。

 一方、シオン・アスタールの下には、レムルスからライナを救出に来るよう、罠の匂いプンプンの誘いが来る。果たしてシオンは動くのか?そして、ライナを拉致したレムルスの目的は?

 今回はちょっと薄め。あと、何か絵柄が変わった?

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紅月光の生徒会室 (3)

素直じゃないのよ、紅月光
評価:☆☆☆☆★
「俺の跳び箱をこえてゆけ」
 体育館倉庫の跳び箱で初体験という記事に触発されたヒメアは、大兎を誘いこもうとして大がかりな結界を張る。しかし、策士策に溺れるというやつで、月光に助けを求めるのだが…。


「会長の油揚げ」
 宮阪高校に転入してきた柊ツネという、正義感っぽいもので空回りする少年が、あの紅月光生徒会長に宣戦を布告する!ただ、その背景には昔の悪行が関係していて…。あの生徒会長が謝罪する?


「男子の秘密のハードディスク」
 宮阪高校の各所に仕掛けられたカメラで、女子の盗撮写真が流出してしまう。それに気づいた会長はカメラ回収を命じるのだが、なんと命知らずなことに、残った一台のカメラがサイトヒメアを盗撮のターゲットにしてしまう。


「早退します、雨だから」
 紅月光生徒会長は、雨の日の通学路で妙なフラグが立つようだ。それは、不良生徒が良く引っかかる罠で…。


「放課後ノート」
 自転車が欲しいと駄々をこねるミライに対し、きっぱりと拒否する紅月光。そこに碧水泉や沙糸ヒメア、パンチー坂で青春を謳歌する少年たちが関わって来て、またまたバカ騒ぎが繰り広げられる。

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いつか天魔の黒ウサギ (7) 二学期でさよなら

世界の破滅28日前
評価:☆☆☆☆★
 鉄大兎は暴走の果てに、サイトヒメアを選ぶことを決めた。その決断を時雨遥に伝えようと思うのだが、なかなか彼女に会うことができない。しかも、ヒメア自身がその大兎の決意を信じようとせず、ままならない。
 一方、軍の崩壊を聞きつけた魔術組織テンペロン・クローリーの璃依音が宮阪高校を襲撃してくる。紅月光はそれを撃退するために手を打つのだが…。

 世界に刻まれた予言の内容が明らかになり、鉄大兎とサイトヒメア、時雨遥の関係の真実を知ることとなる。

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大伝説の勇者の伝説 (9) 落ちこぼれの悪あがき

ライナ失踪
評価:☆☆☆☆★
 異形の化物にライナが連れ去られてしまう。フェリスは手掛かりを求め、キファを連れて、レムルス帝国と交戦中のローランド帝国王シオン・アスタールの下へ向かう。一方、ライナたちの出奔に気づいたヴォイス・フューレルは、そこにレムルスが絡んでいることに気づくが、ちょうどそこにミラン・フロワードからの襲撃を受けてしまう。
 レムルスの目的は何なのか?そしてライナは無事なのか。レムルスに集結するミルクやフェリスたちが見る光景とは。

 久々にミラン・フロワードが派手に動くのはアニメの影響なのかもしれない。フェリスやキファがやたらとかわいらしくなっているのも同じ理由かな。

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紅月光の生徒会室 (2)

碧水泉の楽しい生徒会生活
評価:☆☆☆☆★
 ドラマガ連載の短編3本と、書き下ろしのオムニバス掌編から構成されている。1巻から引き続き、生徒会メンバーの学園生活的な側面を重視しているのがこちらのシリーズの特徴なので、今回も天才俺様生徒会長の紅月光が、凡人の生徒会メンバーやクラスメイトたちに振り回されます。
 また、こちらでいい味を出しているキャラクターといえば、やはり生徒会書記で普通の人間の碧水泉でしょう。すごく重いプロフィールを抱えながらも、いつも笑顔で楽しく、どこから仕入れたのかよく分からない情報を駆使して、色んな人をかき回します。

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堕ちた黒い勇者の伝説 真伝勇伝・革命編 (6)

革命前夜のクライマックス近し
評価:☆☆☆☆★
 前半はローランド帝国革命前夜のクライマックス間近の物語で、後半はドラマガ掲載の短編3本を収録している。

 シオンを見下しているクラウたちが、今後どういう経過を経て今の関係になるのかが少し見もの。他にはフェリスがライナを変態色情狂と呼ぶ理由が分かるかも。
 一方で短編は、前半のシリアスさが欠片もない、バカバカしいまでの気軽なストーリーとなっています。

 どうしてこういう変則的な編集方針にしたのかは、よく分かりません。

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大伝説の勇者の伝説 (8) 壊れた魔術師の未来

黒幕の裏には真の黒幕が!
評価:☆☆☆☆★
 冒頭、フェリスがイジられて可愛らしいことになってる!しかもいつもの照れ隠しが効かない。  流されっぱなしのライナも、リューラに会い、キファの告白を聞き、フェリスの態度を見て、色々と思うところはあったようで、積極的に動こうとする。
 しかし、珍しいことをすると大概より大変なことを引き寄せるようで、リューラ最強説を覆すような新要素が明らかになりつつある。黒幕の裏には真の黒幕が!という構造。

 今回はローランド側の話はなかった。あと、イラストがキラキラしてる。

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いつか天魔の黒ウサギ (6) 欠席のウサギ

崩れそうになる信頼関係
評価:☆☆☆☆★
 軍に壊された鉄大兎を助けるため、軍を出し抜こうと画策する紅月光たち生徒会メンバーたち。サイトヒメアはかつての自分の力を取り戻して大兎に接触しようとするのだが、その行動はこれまで二人が築き上げて来たはずの信頼関係を崩壊させてしまう要素を孕んでいた。  風呂敷は大体広げ終わったので、次からは終息させる局面に入って行く感じがする。自分の意思で結び直される、新たな始まりのとき。
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紅月光の生徒会室 (1)

照れ屋な王様
評価:☆☆☆☆★
 俺様生徒会長の日常生活を描く、とは言え、あんまり学校にはじっとしていられない。東で美雷がトラブルを起こしたと聞けば心配して<道程>を開き、西で大兎がやらかしたと聞けば駆けつけて頭を蹴り飛ばす。それが紅月光の日常生活だ。
 生徒会長、ミーツ、変な人間&化物たちの連作。

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大伝説の勇者の伝説 (7) 初恋と死神

立ち向かうためのストッパー
評価:☆☆☆☆☆
 他の人達も少しは出てくるのだけれど、ほとんどライナ一色で染まっている。百万単位で虐殺をし、自己嫌悪に陥りかけるライナのもとを訪れる人物。その人物はライナの心理を変える。
 印象で言うとほとんど二人の会話だけなのだけれど、今回は面白かったと思う。

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堕ちた黒い勇者の伝説 真伝勇伝・革命編 (5)

優先順位の問題
評価:☆☆☆☆★
 ルシル・エリスがフェリスを守るために現在の様な化物になるまでの物語。リューラ・リュートルーの暗躍。いまの状態に至った理由は、結局のところ何を優先したのかということなのだ。
 後半は短編集。とり伝的なネタだと思わせておいて、その裏面では女神が絡んでいるという感じのお話。

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いつか天魔の黒ウサギ (5) 夏休みカタストロフィ

海辺での強化合宿、だけど
評価:☆☆☆☆★
 期末試験も終わって夏休み。生徒会委員全員参加の軍による能力強化合宿が実施される。すべてを自分ひとりで解決しようとする月光に対して仲間の力を使わせるための黒守のたくらみかと思いきや、その矛先は大兎の方に向く。これまでは能力的にサブキャラ扱いだったのに、実はメインなのか?
 しかし、軍という組織は初めの頃、月光にボロボロにされている感じだったのに、実はすごく強かったんだねぇ。

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大伝説の勇者の伝説 (6) 戦場に堕ちるアルファ

現実感がないほどに瞬時に死んでいく、ひと、人、ヒト
評価:☆☆☆☆★
 ヴォイスの口車に乗せられて辿り着いた、ガスタークとゲイルフィックラントが対峙する戦場。レファルの操るグロウヴィルの攻撃圏内にあり、すでに仲間を安全圏に退避させられないことを教えられたライナは、自らの中に眠る何かと向かい合わなければならないことを知る。一方、レムルスとことを構えるローランドは、シオンの許まで敵の侵入を許してしまうという、意外なピンチに陥る。
 一撃で何万人もが死んでしまう、忘却欠片を使用した大規模戦闘のはじまり。こんな強力な兵器が飛び交う戦場に立ち向かえるのは一体何者なのか?そして、そんな中で進展を見せる、ライナとフェリス、キファの関係はどうなるのか?

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いつか天魔の黒ウサギ (4) 夜逃げの生徒会室

手に入れた力を上回る力、奪われる選択肢
評価:☆☆☆☆★
 遥救出のために異世界に侵入した生徒会メンバーだが、相手が人類と敵対する種族だったため、一時撤退を余儀なくされる。準備を整えて再度侵攻しようとした紅月光の下に、新たな天敵とも呼べる人物が現れる。そしてズタズタにされる月光のプライド。相手を凌駕する力を手に入れて、奪われた誇りを取り戻すことができるのか。
 同じ頃、自らの実力をはるかに上回る敵の前に、大兎は選択を迫られていた。いわく、遥を救うのか、ヒメアを守るのか、と。その問いに対する彼の答えとは。ほとんど2冊分の分量があり、ずっしりぎっしりの4巻です。

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いつか天魔の黒ウサギ (3) 神隠しの通学路

ちょっとペースダウン
評価:☆☆☆★★
 前巻までのハイペースから少し進行速度がスローダウン。学校襲撃事件の復習と、力不足を痛感した大兎が修行場所を訪れる、というのがメイン。すごろくで言うと、ゴール近くに行って振り出しに戻るを出しちゃった感じ?何か一回まとまりかけたんだけど、もう一度広がっちゃったというか。またまたいろんな単語が小出しにされている。
 遥が失踪して、その救出に生徒会の面々が向かうところでお話は続きます。

 6か月連続刊行って、毎月出版されるのはいいんだけれど、やっぱり内容的にはちょっと無理がある様な気がする…あと、財力も続かないよね、本来の読者層は。

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   いつか天魔の黒ウサギ (3)

大伝説の勇者の伝説 (5) 悪魔王、降臨

戦乱の拡大と再編成
評価:☆☆☆☆★
 トアレたちネルファの人々と共にローランド軍の追撃から逃れ、ヴォイス・フューレルの提案に従い南大陸から中央大陸に移動したライナ一行。しかし中央大陸は、北大陸から侵攻するガスタークとの戦乱の真っただ中にあった。
 やがて、人々の居場所を確保するために大国間の対立に介入せざるを得なくなったライナは、戦乱の根源にあるものと自らの役割を徐々に理解していく。かつての仲間たちとの再会、追い込まれていく状況。どうやら次巻でも大きな展開がみられそうです。
 また、この巻では、「とりあえず伝説の勇者の伝説」で登場したピア、ペリア、ゾーラなど、幼少期のライナが出会った人たちがかなり重要な役回りで登場します。たぶん外伝を読んでいないと、ライナとどんな関係だったかなどは分からないと思います。おそらくこのため、あとがきに各キャラの登場巻が紹介されており、未読の方には役立つかと思います。

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いつか天魔の黒ウサギ (2)

学校で異世界探検
評価:☆☆☆★★
 紅日向を退けて楽しい(つらい?)高校生活になると思ったのも束の間、異次元から奇妙な蛇が侵入して来て次々と生徒たちを喰らっていく。紅月光からの指令メールを受け、蛇退治に出かけた鉄大兎とくっついて行くヒメア。二人の追撃を振り切り月光の前に姿を現わした蛇は、凶剣が通用しない上、殺したはずの日向からのメッセージを伝えてくる。
 もうシリーズ終了?みたいなスピードで物語が展開していきますが、あとがきによるとまだまだ先は長いらしいです。

 これを学園ものに位置づけるのは現時点では違和感がある。高校を舞台にする必然性を感じないからだ。18歳以下の子供が毎日いて不審に思われないところ、という要請から高校が舞台になっているわけだが、おかげで事件と関係しない生徒には記憶操作をしなければいけないなど、高校を舞台にした弊害も出てしまう。
 学園ものらしく、もう一人のヒロインである時雨遥と大兎のストーリーも付け加えられているのだが、全体の構成から考えると少し浮いている気もする。高校を舞台にしなくても、これと同じ効果は別の方法で得られる気もするし…第一、作者が本当に描きたい部分は、学園の外側にあるように思えてならないのだよなあ。
 まだまだ続きがあるらしいので、ここで感じた様な事は的外れだった、という結果になることに期待。

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いつか天魔の黒ウサギ(1)900秒の放課後

学校は同世代が集まる不思議な空間なのです
評価:☆☆☆☆★
 幼い頃に出会った妖麗な少女、サイトヒメア。寂しそうなその少女に共感した少年、鉄大兎は何も分からずひとつの契約をする。そしてその記憶も失った9年後。平凡な毎日を送る高校生となったタイトは、隣のクラスの安藤美雷を助ける代わりにトラックに惹かれて死んでしまう…
 同じく9年前、紅家の双子、月光と日向は天才少年だった。天才の孤独に悩む月光は、ある日、ただ一人の同類とみなしていた日向がとんでもない化け物だったことを知る。それは、日向が両親を怪物の贄に差し出している光景だった…
 78,840時間の時を超え再び出会った者たちが、宮阪高校を舞台に、異次元の世界を舞台に闘いを開始する、という感じの物語。初回は、いろいろ事件は起こるんだけれど、結局は登場人物たちの紹介に終始する感じなので、どういう設定の世界なのかという当たりの話はたぶん次巻以降で描かれるのではないでしょうか。

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伝説の勇者の伝説 (11) 君子豹変の王様

そういうてんかいにするのね
評価:☆☆☆☆☆
 ついに別離の時が来る。こういう流れになるのは分かっていたけれど、なぜこうならざるを得なかったのかは良く分からない。今後、同じくらい続くようなので、その中で明らかにされるのだろう。
 最後の展開は、ボク的には結構意外だった。まさかそういう前向きな?決断を下すとは思わなかったし、現実的に、どうやって巻き返すのか、誰がついてくるのか、という疑問があるし。
 おかげさまで、続きが楽しみになりました。

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とりあえず伝説の勇者の伝説 (8) 権力のワンダーランド

外国語は何となくカッコイイ
評価:☆☆☆★★
 短編は本編の暗さを隠すように、相変わらずネタにはしっていますね。暗い道を歩いている人間にも明るい時期があったことを知るのは良いことなのか、悪いことなのか。
 書下ろしでは新キャラが登場しています。今後、本格的に登場するらしい。実は交友関係が広いライナ。どんどん広がっていきます、と。

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