星図詠のリーナ (2)(川口士)の書評/レビュー


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星図詠のリーナ (2)

災害復興は最終的には自分たちの手でやらなきゃね
評価:☆☆☆☆★
 地図はすでに存在しているものを紙の上に書き表したものであり、過去から連綿と続いてきた変化の、現在における断面を写し取ったものと言えるだろう。じゃあ、地図作成は後ろ向きな作業かというと、そうとばかりも言えない。なぜなら、いまを知ろうとするのは、いまはないものを作り出す余地を見出すためでもあるのだから。
 再び地図作成を命じられ、侍女のサラと傭兵のダールだけを連れて出発したリーナ。今回も何やら騒動に巻き込まれ、何となく通じ合っていたと思っていたダールとも、立場や目的の相違などもあって、気持ちの行き違いが発生してしまう。そして、不思議な力を持つ存在たちの登場。
 一言で言うと、変な王女による公共事業の物語です。

 公共事業で思ったのだけれど、過去に公共事業が有効だったのは、国家が専売事業を持っていたからでは?金山や塩田を支配していればそこからぼろ儲け出来るし、公共事業はその利益分配という見方もできる。だから、リーナがいるような世界では意味を持つ。
 でも、国家の収入減が税金だけの世界ではどうだろう?公共事業の費用はすべて、現在か将来の国民の負担になるだけなのでは?物語とは何の関係もないけれど、ふとそんなことを思った。

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