ソードアート・オンライン (3) フェアリィ・ダンス(川原礫)の書評/レビュー


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ソードアート・オンライン (3) フェアリィ・ダンス

現実のお姫さまを取り戻しに、ゲームの世界へふたたび
評価:☆☆☆☆☆
 現実世界に戻ってきたキリトが直面したのは、アスナを含む約300名のプレイヤーが、ソードアート・オンラインの世界から帰還していないという事実だった。
 眠り続ける結城明日奈に対して、何も出来ない無力感にさいなまれる桐ヶ谷和人だが、1枚の写真が彼にすべきことを示してくれた。それは、ソードアート・オンラインの技術を流用して開発された、アルヴヘイム・オンラインの世界で撮られた、捕われのお姫さまの肖像。彼女を解放し、再び傍らに立つために、和人はVRMMOの世界に向かう。

 ソードアート・オンラインは、ゲームという仮想世界の中に、死というリアルの概念を取り込んだ世界だった。一方でアルヴヘイム・オンラインの世界は、リアルでは不可能な、身一つで空を飛ぶ、というスキルを付加した世界になっている。
 前者の世界と違い、後者の世界では、アカウントという仮面を通し、現実では出来ないことを後腐れなく思い切ってやれる世界。だが一方で、ゲーム内の行動は現実の自分の精神にフィードバックされるし、ゲーム内の人格は現実世界の人格から無縁ではいられない。これを敷衍すると、上記二つの世界の違いは、設計者の思想の違いであるといえるかもしれない。

 アスナが思い切って活躍できない代わりに、キリトの妹である桐ヶ谷直葉がヒロインの座に躍り出たり、ソードアート・オンラインで登場したキリトとアスナの子供のユイが再登場したりしている。
 前巻の構成から考えて1巻で完結するのかなと思っていたのに、肝心のところはこれからというところでつづくになってしまったので、早い続巻の刊行が待たれるところです。

 現実世界で王子さまがお姫さまを助けるみたいな状況は作りようがないのかな?キリトもアスナを助けるためには仮想世界に行かざるを得ないわけだし。現実世界で力づくでことを進めたら、出てくるのが弁護士、では笑い話にもならない。

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