ソードアート・オンライン (4) フェアリィ・ダンス(川原礫)の書評/レビュー


 ソードアート・オンライン (4) フェアリィ・ダンス(川原礫)の書評/レビューを掲載しています。

関連作品の書評/レビュー
ソードアート・オンライン (3) フェアリィ・ダンス ソードアート・オンライン (4) フェアリィ・ダンス ソードアート・オンライン (5) ファントム・バレット

ソードアート・オンライン (4) フェアリィ・ダンス

リアルあってこそのバーチャルという印象
評価:☆☆☆☆★
 アインクラッドの緊迫感が凄まじかったので、アルヴヘイムは何か達成感が足りない気がしてしまう。短期決戦の性格上、裏技的にショートカットする展開は仕方ないとして、最終決着がああいう感じでついてしまうのはいかがなものかと思わなくもない。期待していた分、少し残念な気持ちがする。しかし、これは少し狭隘な見方かも知れず、その後のストーリー展開を考えると、バーチャルの側面よりもリアルの側面に軸足を置き直したと捉えるべきなのかもしれない。

 あとがきで作者は、ゲームの面白さを伝えるということに注力したと述べている。作者の意図としては、VRMMOの世界を描くことで、そこにログインするバーチャルな意識が感じる面白さを表現しようということなのだろう。この考え方は、バーチャルとリアルを同等に扱う、アインクラッドの頃から一貫したものだ。
 だがボクは、自分の狭い経験に基づいて考えるので、ゲームの面白さというテーマを提示されると、キーボードやコントローラーを操作するリアル存在を強く意識してしまう。VRMMOという世界観が自分のものになりきっていないから、面白さを感じるのはリアルの存在だと認識してしまうのだろう。
 この経験則に基づく認識を覆していたのが、アインクラッドのデスゲーム設定だったので、その縛りが取れた結果、没入の度合いが浅くなってしまうのは仕方ない気がする。そういった背景もあり、今回はバーチャルよりもリアル重視という印象を受けてしまったのだろう。この点は、作者の意図と少しずれてしまったかもしれない。

 次巻以降も続くようなので、そちらはどんな感じになるのだろう?

   bk1
   
   amazon
   
川原礫作品の書評一覧

ホーム
inserted by FC2 system