ソードアート・オンライン (5) ファントム・バレット(川原礫)の書評/レビュー


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ソードアート・オンライン (5) ファントム・バレット

切り伏せるだけでは済まない問題
評価:☆☆☆☆★
 体力も完全に回復し、桐ケ谷和人や結城明日奈には平穏な生活が訪れていた。そんなある日、キリトは、アスナ捜索に協力してくれた、総務省の菊岡に呼び出される。仮想世界から現実世界への影響を調べている菊岡は、ゲーム内での銃撃が現実の死を引き起こすという事件の真偽を確認するため、そのゲーム、ガンゲイル・オンラインへの潜入をキリトに依頼する。
 依頼を受けてログインしたキリトは、スナイパーの少女シノンと出会う。朝田詩乃としての彼女は、幼少期の事件による、あるトラウマを抱えていた。
 そして、ゲーム内で名を売るために参加した大会で、キリトに近づいてくる怪しいマントのプレイヤー。その口調とある特徴は、彼に闇に追いやった過去の記憶を浮かび上がらせるのだった。

 アスナを現実世界におき、単身でゲームに挑むキリト。今回は、モンスターを倒したり宝探しをしたりという面よりも、プレイヤー同士の対決と、それがもたらす結果に焦点を置いている。だから、ファンタジーというよりも、イメージはゲリラ戦や荒野の決闘という感じに近い。
 そんな世界でも、相変わらずキリトは、いきなり女の子と仲良くなったり、無理やり剣を振り回しているわけだが。

 ソードアート・オンラインの事件から1年が過ぎ、平穏な生活に戻ったはずなのに、この事件をきっかけにしてじわじわと浮かび上がってくるような闇色の記憶。そして似たような記憶は、シノンをも苛んでいる。
 倒すべき敵や取り返すべき人といった明確なターゲットがない場合、どうやって折り合いをつけて決着するのか。キリトの判断が次以降で問われそうな展開だ。

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