春日みかげ作品の書評/レビュー

ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 VI

評価:☆☆☆☆★


ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 V

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 安土日記 (3) 食いしん坊将軍 今川義元漫遊記

評価:☆☆☆☆★


真・三国志妹 II 妹さえ勝てばいい。

評価:☆☆☆☆★


ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 IV

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 全国版 (20)

評価:☆☆☆☆★


真・三国志妹 (1) 俺の妹が刑道栄に転生するはずがない

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 安土日記 (2) 小早川隆景の初恋

評価:☆☆☆☆★


ユリシーズ (0) ジャンヌ・ダルクと姫騎士団長殺し

評価:☆☆☆☆★


天と地と姫と (5) 流星光底 川中島の伝説

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 全国版 (19)

評価:☆☆☆☆★


天と地と姫と (4) 龍の上洛 信奈の上洛 織田信奈の野望 全国版

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 全国版 (18)

評価:☆☆☆☆★


天と地と姫と (3) 川中島 龍虎の邂逅

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 全国版 (17)

評価:☆☆☆☆★


薔薇十字叢書 神社姫の森

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 (16)

評価:☆☆☆☆★


天と地と姫と (2) 武田信玄 虎の覚醒

評価:☆☆☆☆★


天と地と姫と (1) 上杉謙信 龍の誕生

評価:☆☆☆☆★


ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 (3)

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 (15)

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 (14)

評価:☆☆☆☆★


織田信奈の野望 安土日記 (1) 本能寺茶会騒動録

京都の日々
評価:☆☆☆☆★
 陽世と対をなす陰世からやってきた朧月夜と名乗る少女は、竹中半兵衛にメロメロになり、名物の茶器を集めて陰陽術を復活させ、半兵衛を死の運命から救おうとする。
 一方、相良良晴の義妹ねねは、相良一門を立ち上げるために4人の少女たちを探してきて妹に据えようとする。さらには島津家久が上京し、その饗応役を命じられた良晴は…。

 そんな平和な日常の中、朧月夜が召喚した本朝最後の鬼が荒木村重にとりつき、織田信奈を手に入れるため陰謀を巡らせるのだった。

ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 (2)

奇跡の復活を求めて
評価:☆☆☆☆☆
 フランス姫太子シャルロットと出会い、彼女の姫騎士となったジャンヌは、最終防衛拠点であるオルレアンの包囲を解こうとする。何とか都市内に食料を運び込み、籠城軍と合流することに成功したモンモランシは、更なる援軍を頼もうとするも、ジャンヌの力に狂喜した市民の暴走により包囲軍と正面決戦を強いられることになってしまう。
 最前線に飛び込むジャンヌだったが、イングランド軍はユリス対策を万全に整えていた。ユリス殺しと黒いユリスの攻撃により聖槍で心臓を奪われたジャンヌは、仮死状態となりオルレアンで眠りについてしまう。

 聖槍で傷つけられた傷は復元しない。ジャンヌに残された時間はあと5日。モンモランシとアスタロトは、傷を治す力を持つ賢者の石、聖剣の鞘を探し、さらには援軍を引き連れてこようとする。鞘を探しに向かったアスタロトと別れてモンモランシが訪れたのは、義妹を妻にさせようと手ぐすね引いて待っている祖父ジャンのもとだった。

ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 (1)

永遠の乙女の誕生
評価:☆☆☆☆☆
 十五世紀、後に百年戦争と呼ばれるフランス王位継承権をめぐるイングランド王国との戦争の中、赤髭ジャンの孫であるモンモランシは、パリの王立騎士養成学校でブルターニュ公の妹アルチュール・ド・リッシュモンやブルゴーニュ公女フィリップ、フランス王女シャルロットらと共に生活を送りながら、騎士・姫騎士にまるで興味を持たず、魔術や錬金術の研究に没頭していた。
 しかし時代は平和な生活を許さない。モンモランシはアザンクールの戦いに参戦し、その惨敗を目にし、さらにはリッシュモンが捕虜としてイングランドに連れ去れれてしまう。リッシュモンを助けるため、羽根つき妖精アスタロトの助けを得て、賢者の石の力を取り込むために必要なエリクシルを開発しようと没頭し、気づいたら七年の月日が流れていた。

 お尋ね者の錬金術師となったモンモランシは、行きついた村で出会った、戦争に巻き込まれて死にそうになっている少女ジャンヌに、賢者の石の半分を与え、人外の存在ユリスにしてしまう。

織田信奈の野望 全国版 (13)

九州動乱、播磨の暴走
評価:☆☆☆☆☆
 中国方面司令官となった相良良晴は、織田信奈の命を受け、黒田官兵衛、ルイス・フロイスと共に、大友宗麟のもとを訪れようとしていた。ところが、コンキスタドール派のガスパール・カブラルことガスパール・コエリヨの策により、小早川隆景の命を受けた長宗我部の放った十種神宝の一つである蛇比礼(おろちのひれ)によって、相良良晴は仲間と分断され、肥後の相良義陽のもとへと流されてしまう。
 島津義久、島津義弘、島津歳久、島津家久の島津四姉妹との戦になる相良義陽を見捨てられず、釣り野伏を破る策と共に戦場に出る相良良晴だったが、武運拙く敗れ、島津家の捕虜となってしまうのだった。

織田信奈の野望 全国版 (12)

揺れる心
評価:☆☆☆☆☆
 上杉武田北条毛利による第二次織田信奈包囲網が完成間近に迫る中、信奈は完成した安土城お披露目と盂蘭盆会を兼ねた祭りを催す。
 信奈を不倶戴天の敵と見据えた上杉謙信は、直江兼続の勧めもあり、安土城攻略のヒントを求めて安土を訪れ、相良良晴と遭遇するのだった。

 上杉謙信と武田信玄、相良良晴と上杉謙信の関係を軸に描く。上杉謙信は毘沙門天と人間、どちらの自分を取るのか?

織田信奈の野望 全国版 (11)

兄の面影
評価:☆☆☆☆☆
 乱戦の中、行方不明となり、村上武吉率いる村上水軍に拾い上げられた相良良晴は、全ての記憶を失っていた。海賊見習いとして働き始め、鍛え上げられていく体と共に頭角を現し始める良晴は、小早川隆景と出会う。
 良晴に兄の面影を見出した小早川隆景に気に入られ、妹過保護の吉川元春に忌避されながらも、側近として働き始めた良晴は、織田信奈率いる織田方との合戦に臨むことになるのだった。

姫狐の召使い (4)

駆け足で終幕
評価:☆☆☆☆★
 冷泉帝から朱雀帝になった途端、政争によって大宰府に流されそうになった光源氏こと水原光は、安倍晴明の計によって須磨に退くことになった。朝日奈紫や葵、六条御息所も同行する。
 この旅のもう一つの目的は、芦屋道満が解放した前鬼と後鬼が真名を取り戻す前に再封印することだ。かつて安倍晴明が彼らを封じた際には空蝉こと弘法大師の霊が助けてくれたが、もはやその助けを借りることはできない。そのために、在野の陰陽師である明石とその父親の入道に会って協力を求める必要があるのだ。

 そして、菅原道真、藤原純友、平将門という存在を巻き込み、彼らは世界の真の姿を知ることになる。シリーズ最終巻。

織田信奈の野望 (10)

明らかになる真の敵
評価:☆☆☆☆★
 図らずも足利将軍を奉じることになり、織田信奈の天下人の器を試すために攻めることにした毛利両川の吉川元春と小早川隆景、近衛前久の命で織田信奈を攻める陰陽師の土御門久脩という状況の中、相良良晴は、竹中半兵衛、山中鹿之助、黒田官兵衛のいずれの命も諦めないという意地を貫き通した。そして松永久秀の真意を織田信奈に解き明かし、彼女の心をも救う。
 いよいよ恩賞の信奈の貞操にありつけるかと思ったその時、まさに瞬間に、二人の密会場所に本猫寺の当主を放逐されたけんにょが現れる。妹のきょうにょが信徒を唆し、休戦協定を破棄してにゃんこう一揆をあおっているという。そして、雑賀孫一も笑いを捨て、戦場へと立たなければならなくなった。

 村上武吉率いる村上水軍による堺封鎖と、本猫寺との流通を含む制海権確保の危機に、満足な水軍を持たない織田軍はどう対抗するのか?そして、海外から日本を狙う黒幕による陰謀も成就の時を迎える。

織田信奈の野望外伝 邪気眼竜政宗

滑り込む英雄
評価:☆☆☆☆★
 伊達輝宗と最上義光の妹である義姫の夫婦の嫡子である梵天丸は、男装の麗人にされた片倉小十郎を守役としながら、妹の愛姫だけを連れ、人目を避けて暮していた。周囲の領民からは南蛮由来の化け物屋敷と恐れられる梵天丸の住処に、上杉謙信の懐刀である直江兼続が訪ねてくる。
 そこで直江兼続が見たのは、あんち・くらいすとを名乗り、何事にも横着で、自分の出自にコンプレックスを持ち、自身の紅の瞳を見られることを恐れる幼女だった。

 その幼女は、義姫に背中を蹴り出されて堺へ赴くことになり、そこでルイス・フロイスから黙示録を教えてもらうことで、厨二病の才能を開花させた。
 梵天丸に深い心の傷があることを見て取ったフロイスは、自らの教会に住まわせて彼女のやりたいようにさせながら、何とかその傷を癒やそうと試みる。そしてそれは、未来から来た相良良晴の何気ない一言によって成されることになるのだった。

 外伝なのだが最後には本編の展開にも繋がっていく。史実とは異なり、母親の努力で十年早く生まれた梵天丸が、伊達政宗となり、天下取りの戦列に名乗りを上げていく。
 幼女好きのヒトには一巻丸々幼女が活躍するので良いのかも知れないが、そうじゃないヒトにはちょっと苦痛なところもあるかも知れない。

姫狐の召使い (3)

はじめての執着
評価:☆☆☆☆★
 幼馴染の朝日奈紫と共に平安時代に飛ばされた水原光は、狐耳の少女の安倍晴明と知り合い、光源氏として平安時代を生きることになった。右大臣の娘の葵を許婚にされ、惟宗允亮の娘の六条御息所を引き取ることになった光の前に今度現れたのは、朧月夜という少女だった。
 冷泉帝から朱雀帝へと御代は移り変わり、安倍晴明が鍛冶場にこもって霊剣製作をしている間に、新帝の密命で京のどこかに隠されている御霊探しをすることになった光は、それに、安倍晴明の過去の秘密を知るという空蝉が関わっていることを知る。

 その空蝉の行方を知っているという朧月夜に導かれて京の都を歩き回る光は、自らが権力争いの道具にされていることにまだ気づいてはいなかった。

 現代では寄る辺ない光にとって、平安時代で出会った安倍晴明は特別な存在。物事に執着を持たない光がただひとつ執着する存在となった彼女の全てを知りたいという思いは、彼らの立場ゆえに純粋に思いのままであることを許されず、他者に利用されてしまう。
 しかしそれでも、生きる目的を見いだしたと感じられるならば、他の何かを失うことになったとしても、後悔はないのだろう。

織田信奈の野望 (9)

織田軍団再結集!
評価:☆☆☆☆☆
 毛利両川と称される吉川元春と小早川隆景の計略により、黒田官兵衛は宇喜多直家により監禁されてしまった。解放の条件は、相良良晴に下った山中鹿之助を差し出すことだ。東大寺正倉院の蘭奢待を与えなければ死んでしまうもう一人の軍師である竹中半兵衛の身の心配もしなければならず、相良良晴は何を捨て何を拾うべきかの選択を迫られる。
 一方、近衛前久の陰謀により、身近に間者に忍び込まれ、土御門久脩の陰陽術で暗黒面に落とされかけている織田信奈に追い打ちをかけるように、松永久秀の二度目の謀反の報が届く。信じるものを裏切り、裏切られたと思う信奈の目を覚まさせるのは、意外な人物だった。

 相良良晴に一代の英傑としての覚悟が目覚め、悲しみの歴史を断ち切るために身を捨てる覚悟を決めさせる。そしてその結末と、彼に与えられるご褒美とは…?
 山中鹿之助のマゾっ気は、今のうちに手を打って置いた方が良い。

 そして、海から山から、新たに織田信奈の運命を左右する人物が現れる。

姫狐の召使い (2)

癒やし系美少女の罠
評価:☆☆☆☆★
 大冒険家を目指す女子高生の朝日奈紫に引っ張られ、古びた神社で古文書に吸い込まれた水原光は、狐耳の少女陰陽師の安倍晴明により式神とされ、光源氏として平安時代に生きることとなった。右大臣の娘の葵を許婚としてあてがわれ、嫉妬した紫には折檻される毎日を送っている。
 芦屋道満の事件を乗り越え、現代に帰る方法を調査していた光は、当代の学者である惟宗允亮の娘の六条御息所と知り合う。宮中暮らしが肌に合わず退いた彼女は、光との久々の楽しいおしゃべりに心奪われてしまう。

 一方、左大臣は比叡山の次期天台座主と目される良源を利用し、安倍晴明の失脚を画策していた。

 光を式神とするご主人さま、許嫁の巨乳少女、将来を誓い合ったと思い込んでいる幼なじみと、3人の少女たちに囲まれ、市中で浮き名を流すようになってしまった光の前に、これまでとは違う、癒やし系の美少女が現れる。
 日々の騒々しさに疲れた光は、その少女に安らぎを感じるのだが、それはあの六条御息所!つまり、非常にまずいことになってしまうわけだ。

 だがその影には、平安京に永劫の平穏をもたらすために、多くの犠牲を払ってきた歴史があり、そのしっぺ返しとも言うべきことが、光たちを襲う怪異なのであり、あまり単純に捉えることも出来ない。
 ドロドロした宮中の人間関係を、察しの悪い脳天気な人間の目を通じて、ラブコミカルに描いている。

織田信奈の野望 (8)

中世からの脱却への揺り戻し
評価:☆☆☆☆☆
 浅井朝倉連合軍を下し、織田信奈は近臣を各地に配して、急速に勢力を拡大していた。未来から来た高校生に過ぎない相良良晴も、羽柴秀吉の代わりに北近江二十万石の城持ち大名となった。しかし、密かに情を通じる信奈と良晴の関係は、明智光秀の邪魔があって中々上手くはいかない。
 そんなある日、竹中半兵衛に並ぶ軍師の黒田官兵衛が信奈に仕官を申し出て来て、良晴の配下に置かれることになる。信奈の視線の先には、猛将・吉川元春と知将・小早川隆景を擁する毛利家を頼って来た足利義昭の姿があった。

 官兵衛の陰謀のせいで信奈の勘気を受けることになった良晴は、わずか五千の兵で、播磨に攻め込んで来た宇喜多直家と彼を差し向けた毛利軍を相手にすることになる。そして京では、土御門久脩を使って中世的な戦いを仕掛ける関白・近衛前久が暗躍する。
 全てを拾うべく奮闘する良晴ではあるが、尼子十勇士の山中鹿之助をも抱え込むことになり、ついにパンクの時を迎えることになる。わが身も顧みず良晴と信奈のために尽くす竹中半兵衛が選ぶ未来とは…。

 歴史からの揺り戻しは、良晴に非情な選択を迫る。それを受け入れるのか、あるいは抗うのか。いずれにせよ、簡単な戦いではない。

姫狐の召使い

光源氏は現代人!?
評価:☆☆☆☆★
 水原光は嗅覚が人より鋭い高校生。いつも平穏に暮らしたいと常識を重視しているのだが、幼なじみの朝日奈紫は大冒険家を目指す女子高生で、いつも冒険に出かけて迷子になるので、平穏とはほど遠いのが現実だ。今回もまた、紫に引っ張って行かれた古い神社で見つけた古文書が騒動を巻き起こす。
 突然、光を放った古文書に吸い込まれ、光が目を覚ましたのは平安時代の一条戻り橋。鬼に殺されそうになったところを、狐耳の少女陰陽師・安倍晴明に助けられる。正確に言えば、彼女が式神として光を呼び出したらしい。

 紫も対として呼び出されたはずなのだが、近くにおらず、ひとまず晴明について行く光だったが、陰陽術を中二病と笑い飛ばし、中々現実を受け入れられない。常識という呪が光を縛っているのだ。
 そんな光を置き去りにするように、現実は怒濤の勢いで進む。紫が宮中にいるらしいと分かったものの、清涼殿に上がることが出来るのは殿上人だけ。そこで晴明は帝を誑かし、光を源氏の一族とさせてしまう。

 そうして出来た許婚の葵は、ツンデレ巨乳美少女。式神の馬の骨との婚約などまっぴらごめんというものの、芦屋道満に襲われたところを光に庇われたのをきっかけに、あっさりとデレてしまう。だがその頃、紫は道満に捕らえられ、なにやら光に不穏なことが起きつつあるのを女の勘で感じ取っていた!

 平安時代に飛ばされた高校生のハーレム系ラブコメ異能バトルという、いろんなものを詰め込んじゃった感じの作品になっている。源氏物語の世界ではあるが、特にそうである必要もないような…。変わった設定は一つに抑えておいた方が良いんじゃないかな?

織田信奈の野望 (7)

東国への二人旅
評価:☆☆☆☆☆
 何度も何度も死にそうになりながら、ようやく織田信奈と想いが通じ合った相良良晴だったが、身分制度が厳しい時代、君主と家臣が結ばれることなど有り得ない。せめてわずかの間だけでもという計らいと、関白・近衛前久が画策し、朝倉義景が浅井長政を巻き込んで企てる上洛戦に上杉謙信が加勢するのを防ぐため、伊達政宗に攻められ北条氏康と共に小田原城に篭城する武田信玄を味方に引き入れようと、相良良晴と織田信奈は二人だけの旅を楽しみながら小田原を目指す。
 浅井・朝倉連合軍を牽制する虎御前山の砦には、浅井長政をお市と愛す信奈の弟・津田信澄が信奈の影武者として、竹中半兵衛の式神・前鬼が相良良晴の影武者として残っていた。しかし、敵方に土御門久脩が参戦し、竹中半兵衛の陣を崩す算段を立てると共に、後詰であるはずの明智光秀は、信奈と良晴が東国に二人旅に出かけたと知るや否や、嫉妬に駆られて彼女たちを追いかけて出て行ってしまう。

 京都へと上洛し天下布武の第一歩を成し遂げつつある織田信奈ではあるが、その基盤は磐石には程遠い。朝倉義景に貞操を狙われ、近衛前久には田舎者と嫌われ、彼女を京都から追い落とそうとする勢力には事欠かない。本猫寺と和解したいま、目前の危機を回避するため、そして愛する信奈の未来を守るため、またも良晴は女難を発揮しつつ、命を懸ける。
 相変わらず良晴は美少女たちからモテモテになるのだが、その美少女たちが立場も身分もある人物ばかりだから、単純にハーレム!とか喜んでいられる状況じゃないのが辛いところ。その中でも本気の信奈と光秀に迫られ、今回も色々と大変だ。

織田信奈の野望 (6)

お笑いという戦い
評価:☆☆☆☆★
 浅井・朝倉の連合軍と対峙する織田信奈の軍勢の前に立ちはだかろうとするのは、本猫寺のにゃんこう宗だ。信奈の隆盛を嫌忌する公家の一部が、信奈に本猫寺攻めの意図ありと吹き込み、彼女たちの猜疑心を呼んだのだ。
 本猫寺には雑賀孫一を筆頭とする雑賀衆が味方に付いており、種子島の数では織田勢も叶わない。それに、一揆衆との泥沼の戦いの歴史を知る相良良晴は信奈に進言し、本猫寺との和睦会談の実施を許可してもらう。

 敵方に乗り込むにはまずツテを頼るのが一番ということで、堺の今井宗久を頼り、本猫寺の指導者けんにょに会うためのアドバイスを求めたところ、紹介されたのは千利休。そして彼女が良晴とフロイスに課したのは、お笑いの特訓だった!
 笑いは世界を救うという思想に基づいて武家を排斥しようとする本猫寺に対し、相良良晴は彼女たちを説得することができるのか?

 そしてなぜかその果てに、良晴を王とするハーレムと、冥土服を来た女の子たちがひとつのタマを追って走り回る驚愕の戦いが繰り広げられる。

織田信奈の野望 (5)

織田信奈包囲網
評価:☆☆☆☆☆
 織田信奈からの恩賞を反故にされてしまった相良良晴のもとに、明智光秀が花嫁衣装でやってくる。金ヶ崎の退き口での逃避行で、光秀に変なスイッチが入ってしまったらしい。おかげで信奈は大激怒。良晴は伊勢の滝川一益のところに左遷されてしまう。
 伊勢で好き勝手にやっていた滝川一益との賭けに勝って援軍を得ることに成功するものの、松平元康の領地には戦国最強との呼び声が高い武田信玄の軍が侵入する。また、織田信奈の本陣は、浅井・朝倉の連合軍により攻められる。

 圧倒的な兵力で攻め入ってくる武田信玄の実態を知るべく、陣地に潜入した良晴が出会った信玄は、勝千代を名乗る女性だった。そして良晴は、自分の信念に従い、信奈の不利になるアドバイスを勝千代に伝えてしまう。
 結果としてもたらせる、絶体絶命のピンチ。岐阜で防衛戦にあたる斎藤道三にも死神の影が…。理で突き進むか、情に流されるか。決断の時が迫る。

 浅井長政と津田信澄、織田信奈と斎藤道三、武田信玄と山本勘助、様々な人々の間に流れる感情と利害が交錯する。幕切れは、戦国の世としては甘い話かも知れないが、人間としては正しい姿なのかもしれない。

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織田信奈の野望 (4)

絶望的な状況
評価:☆☆☆☆☆
 金ヶ崎の退き口でしんがりを志願した良晴は、絶望的な戦力差にありながらも、何とか逃げ延びつつあった。しかし、新たな敵の出現により、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。
 一方、退却する信奈たちも楽な状況ではなく、京まで脱出できるかは微妙な状況。果たして彼らは無事に逃げ延び再会することができるのか?

 徹底的な大ピンチとそこからの大脱出が醍醐味です。

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織田信奈の野望 (3)

平穏モードから戦乱モードへ
評価:☆☆☆☆☆
 最後となる足利将軍の義輝は、次の将軍となるはずの義昭を連れて明へ亡命してしまう。そこで信奈は、足利の分家である今川義元を次期将軍に擁立し上洛するのだが、朝廷工作が上手く進まない。代償として莫大な献金を要求された信奈は、良晴を連れて堺へ出向く。
 そして京へと戻った信奈は、政権基盤を安定させるため近隣諸国へ出向くのだが、それは大ピンチへの序曲だった。

 堺での料理対決でゆったりした後は、京での戦闘、そして金ヶ崎の撤退戦という悲惨な戦闘が待っています。

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織田信奈の野望 (2)

信奈の縁談
評価:☆☆☆☆★
 京への上洛を目指す織田信奈に対し、その通り道にあたる近江の浅井長政から縁談の申し入れがあった。斎藤道三から譲り状をもらったものの、未だ美濃を平定していない信奈からすれば、長政は格上の無下には出来ない相手だ。
 良晴としては縁談を邪魔したい気持ちはあるが、素直には言えない。そこで美濃を取るべく動き始めるのだが、相手には陰陽術を駆使する軍師・竹中半兵衛がおり、織田勢はそれに翻弄されてしまう。良晴の策は間に合うのか?

 今回登場する竹中半兵衛も女の子。そして良晴が体験する戦国の歴史の流れは、自身が知るものとはまたしてもずれていきます。

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織田信奈の野望

戦国武将は女の子
評価:☆☆☆☆★
 現代の高校生、相良良春が目を覚ますと、そこは合戦場だった。今川義元の軍勢から命からがら逃げ出した良春は、助けてくれたおっさんと織田家への仕官を目指すことにするのだが、その途上でおっさんは流れ弾で戦死してしまう。そのおっさんの名前は木下藤吉郎。後の豊臣秀吉になるはずだった男の代わりに、織田信長に仕えようとするのだが、何と織田家の当主は女の子で、織田信奈というのだった。
 知っている史実との違いに混乱する良春だったが、とりあえず信奈にはサルと気に入られ、仕官には成功する。だがそこからが彼の本当の苦労の始まりだった。

 有名武将のほとんどがなぜか女の子という妙な世界に放り出された現代の高校生の活躍を描く。果たして史実どおりに物語が進むかどうかは、これからのお楽しみ。
 まあでも、時代設定を変えたラブコメと思えば良いとおもう。

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