筧ミツル作品の書評/レビュー

双界のアトモスフィア (3)

反省は生かしましょう
評価:☆☆★★★
 トーラー・ブランシェット=ベリアルとノイル・アテンド=ダンタリオンの盟主であるアスタロトが、八劍姫也の身柄を狙って攻めて来る。
 トマス・ガブリエル、佐坂夕、一色、エーファ・ガードナー、ゼナイド・ムトニエ・ド・ロード、アイリス・リンドヴルムらはそれを阻止しようと頑張る。

 反省は生かしましょう。

双界のアトモスフィア (2)

身に宿す力の責任
評価:☆☆★★★
 トーラー・ベリアル・ブランシェットが起こした事件を乗り越え、アイリス・リンドヴルムは八劍姫也の通う国立京学園に入学することになった。トマス・ガブリエル、佐坂夕、一色、エーファ・ガードナー、ゼナイド・ムトニエ・ド・ロードと交流を深めながら、中沢・アーデルハイトの指導を受ける充実した毎日を送っている。
 だが、悪魔ベリアルの起こした事件はまだ何も終結していなかった。新たな悪魔ダンタリオンが拘束されるベリアルの許に現れ、八岐大蛇の血統である姫也の力を見るため、周囲を巻き込んだ作戦を実行することを宣言する。

 そんなことを知ることもなく、姫也の周囲は、アイリスのメイドのノイル・アテンドが巻き起こすメイド旋風に浮かれ、青春を謳歌していた。しかし、その中心にいるはずの姫也は、自らの力について一人悩み続ける。

双界のアトモスフィア

融合した二つの文化圏
評価:☆☆☆★★
 第23回ファンタジア文庫大賞銀賞受賞作。

 半世紀前の2012年12月24日、世界は融合した。科学世界<フィロソフィア>が反映していた地球に、異世界・術式世界<テウルギア>が交わり、各世界に住んでいた住民は大混乱に巻き込まれた。
 なぜ発生したのか未だに分からない融合と、それに伴う混乱・大戦期を乗り越え、各世界は一応の住み分けと、表面的な外交関係が成立している。

 そんな世界にある国立京学園、異能による事件から治安を守る機関D.S.T.養成機関である学園に、八劍姫也は通っていた。かつては母親につき従って竜国ヴァルハラで暮らしたこともある彼は、ある事件がきっかけで新東京に戻り、術式の使えない候補生として学んでいる。
 担任である“錬鉄”中沢・アーデルハイトにかわいがりされつつ、分隊長のエロ信奉者トマス・ガブリエル、佐坂夕、一色、エーファ・ガードナー、ゼナイド・ムトニエ・ド・ロードと楽しく学園生活を送っていた姫也の前に、幼なじみだった竜国ヴァルハラの第一皇位継承者アイリス・リンドヴルム殿下が、騎士トーラー・ブランシェットの手引きでやってくる。彼女は国内の混乱を治めるため、D.S.T.を頼りに来たのだ。

 「とある魔術の禁書目録」と「境界線上のホライゾン」をミックスした様な設定の作品というのが第一印象だ。そのあたりの影響が強く見え過ぎて、新しい物語を読んでいるという気はあまりしなかった。

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