榎宮祐作品の書評/レビュー

ノーゲーム・ノーライフ (10)

評価:☆☆☆★★


ノーゲーム・ノーライフ プラクティカルウォーゲーム

評価:☆☆☆★★


クロックワーク・プラネット IV

評価:☆☆☆★★


ノーゲーム・ノーライフ (9) ゲーマー兄妹は一ターン休むそうです

評価:☆☆☆★★


ノーゲームノーライフ (8)

神霊種との双六対戦
評価:☆☆☆★★
 神霊種との双六対戦終盤戦。

ノーゲームノーライフ (7)

内輪で騒いでいる感じ
評価:☆☆☆★★
 東部連合の巫女が利用していた神霊種とのゲームが始まる。空白は神に勝つことが出来るのか?

 唐突に始まって内輪で騒いでいる感じ。

クロックワーク・プラネット (3)

史上最悪のテロリスト
評価:☆☆☆☆★
 かつてパージされ見捨てられた滋賀の軍が禁じられた電磁気兵器を用い、秋葉原を占拠した。彼らの狙いは、東京の中心である天御柱だ。
 電磁パルスによって帯磁したInitial-Yシリーズ壱番機付き従うもの(ユアスレイブ)リューズや肆番機撃滅するもの(トリーシュラ)アンクル、ヴァイネイ・ハルターらは活動不能になり、マリー・ベル・ブレゲは絶望を感じる。

 そんな絶望の中でも諦めることを知らない見浦ナオトは、起死回生の一手として、皇女星宮蓬子を人質にとり、テロリストとして全ての罪を被ることを宣言するのだった。

ノーゲーム・ノーライフ (6)ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです

遊戯の神が現出した瞬間
評価:☆☆☆☆★
 空腹で行き倒れていた唯一神テトに食べ物をあげたいづなは、代わりにある昔話を聞かされる。それは6000年以上前、未だ各種族が唯一神の座を巡り星杯(スーニアスター)を奪い合っていた頃の話だ。
 他の種族に虐げられ絶滅寸前に陥っていた人類種のコロニーの一つを率いていた少年リクは、ある日、心の解析をしたいというエラーに憑りつかれた機凱種(エクスマキナ)の解析体(ブリューファ)のシュヴィと出会う。

 シュヴィから、他の種族たちが何の目的で戦っているのかを初めて知ったリクは、そのバカバカしい戦いを終わらせるため、志を同じくして死地に向かう覚悟を持った仲間と共に、他のすべての種族を謀り、相打たせて、最強たる神霊種(オールドデウス)の戦神アルトシュを倒し、星杯(スーニアスター)を現出させようとする。
 そのままの暮らしを営む仲間を姉のコロンに託し、人類種の存亡を賭けた戦いが始まる。

クロックワーク・プラネット (2)

末っ子を取り戻せ
評価:☆☆☆☆☆
 「時計仕掛けの惑星」として復活した地球に生きる見浦ナオトは、Initial-Yシリーズ壱番機付き従うもの(ユアスレイブ)リューズを手に入れ、「国境なき技師団」最年少第一級時計技師マリー・ベル・ブレゲとその護衛であるヴァイネイ・ハルターと共に、区画・京都を破滅の危機から救った。しかし、それを主導した軍や体制からは敵視されることとなった。
 そんなある日、マリーのもとに届いたメールに基づいて向かった区画・三重で、彼らは廃墟となった時計塔を発見し、その地下で国際法に違反する攻撃兵器と、それを守護するInitial-Yシリーズ肆番機撃滅するもの(トリーシュラ)アンクルを発見する。

 操られているアンクルを助けようとするナオトだったが、敵の攻撃により、何もなくなった地球中心部へと落下してしまうのだった。

ノーゲーム・ノーライフ (5) ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです

みんな仲良くゲームをしましょう
評価:☆☆☆☆★
 18歳のニート童貞・空と11歳のコミュ障ヒキコモリ・白の兄妹は、異世界の唯一神テトに召喚され、最弱の人類種(イマニティ)の住むエルキア王国の王となった。
 「盟約に誓って(アッシェンテ)」のゲームにおいて、天翼種(フリューゲル)のジブリール、獣人種(ワービースト)の東部連合に属する初瀬いづな、人類種の前王の孫娘ステファニー・ドーラ、森精種(エルフ)たちの国エルヴン・ガルドのスパイとなっている人類種のクラミー・ツェルとその友人のフィール・ニルヴァレンを仲間とした二人は、吸血種(ダンピール)のプラムの求めに従い、深い眠りに落ちている海棲種(セーレーン)女王ライラ・ローレライを目覚めさせるゲームに挑み、目覚めさせられなければ、いづなの祖父の初瀬いのが死んでしまうという事態になった。

 エルヴン・ガルドではクラミーらの作戦が進行し、空と白は新たに天翼種を仲間に加えるため、ジブリールの先輩であるアズリールと対することになる。

ノーゲーム・ノーライフ (4) ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました

弱者の騙し合い
評価:☆☆☆☆★
 18歳のニート童貞・空と11歳のコミュ障ヒキコモリ・白の兄妹は、異世界の遊戯の神にして唯一神テトにより、人類種(イマニティ)の最後の砦、エルキア王国に召還され、ゲームによって王となった。唯一神が定めた「十の盟約」により、いかなる争いごとも出来ないこの世界では、全ての決着は、「盟約に誓って(アッシェンテ)」行われるゲームでつけなければならない。
 アヴァント・ヘイムを構成する天翼種(フリューゲル)のジブリール、世界第三位の大国、獣人種(ワービースト)の東部連合との勝負に買って同盟を組み、前王の孫娘ステファニー・ドーラに内政を任せた空白兄妹は、東部連合の巫女と今後の政策を賭けて勝負をしていた。そこに、滅びに瀕した【十六種族】第十二位の吸血種(ダンピール)のプラムがやってきて、空白兄妹に種族を救って欲しいと願い出るのだった。

 「十の盟約」により他者から血液を得られなくなっている吸血種は、第十四位の海棲種(セーレーン)と同盟を結ぼうと思うものの、逆に彼女たちの奴隷状態となっていた。その現状を変えるのに重要な海棲種の女王ライラ・ローレライは、物語に影響されて自ら眠り姫状態となり八百年。その眠りから覚ますため、オーシェンドへと向かった一行は、女王代理のアミラと面会する。

クロックワーク・プラネット (1)(暇奈椿)

天才と異能
評価:☆☆☆☆☆
 機械オタクの高校生である見浦ナオトが生まれ落ちた世界は、滅亡後の地球だった。地球は科学者の予想を50億年も裏切って寿命を迎え、緩慢に冷却していく百年で人類は滅亡する運命に陥った。だが、Yと名乗る時計技師が地球の全ての機能を歯車で再現する設計図を引き、「時計仕掛けの惑星」の上で人類は千年の時を過ごしてきた。
 千年が過ぎ、「時計仕掛けの惑星」の設計図は失われた。地球のメンテナンスは、日常的な保守を行う軍と、本格的な修繕を行う「国境なき技師団」の両輪により、辛うじて行われている。

 最年少第一級時計技師であるマリー・ベル・ブレゲは、突然のメンテナンス依頼により、日本の京都を訪れる。その道中、飛行機から落下したコンテナが、見浦ナオトの暮すおんぼろマンションを直撃した。
 その中から、あまりにも美しい自動人形、Initial-Yシリーズ壱番機「付き従うもの」リューズを発見した見浦ナオトは、その完璧さを乱すただひとつの歯車を聴いて見つけ出し、修理してしまう。彼は異常な聴覚の持ち主だった。

 滅亡後の地球の京都で生じた危機と、マリー・ベル・ブレゲと護衛ヴァイネイ・ハルター、見浦ナオトと従者リューズの出会いが、世界を救う可能性を生じさせる。

ノーゲーム・ノーライフ (3) ゲーマー兄妹の片割れが消えたようですが……?

消えた兄の行方は
評価:☆☆☆☆★
 18歳のニート童貞・空と11歳のコミュ障ヒキコモリ・白の兄妹は、異世界の遊戯の神にして唯一神テトにより、人類種(イマニティ)の最後の砦、エルキア王国に召還され、ゲームによって王となった。唯一神が定めた「十の盟約」により、いかなる争いごとも出来ないこの世界では、全ての決着は、「盟約に誓って(アッシェンテ)」行われるゲームでつけなければならない。
 アヴァント・ヘイムを構成する天翼種(フリューゲル)のジブリールを配下にすることに成功した空白兄妹の次の狙いは、世界第三位の大国、獣人種(ワービースト)の東部連合だ。ゲームで不敗だという、彼らの大陸における大使である初瀬いのと初瀬いづなとの勝負を前に、兄である空が姿を消し、白は壊れそうになってしまう。だがそれには、森精種(エルフ)たちの国エルヴン・ガルドと、彼らのスパイである人間クラミー・ツェル、彼女の友人のフィール・ニルヴァレンが関わっていた。

 勢いだけの展開も正直言うと少し飽きてきた。勝負の展開もパターンといえばパターンだしな…。やっぱり、よく知りもしないことを言葉だけ詰め込んで解決したように見せるのも興ざめだよ。

ノーゲーム・ノーライフ (2) ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです

エロい絵が描ける展開
評価:☆☆☆☆★
 18歳のニート童貞・空と11歳のコミュ障ヒキコモリ・白の兄妹は、異世界の遊戯の神にして唯一神テトにより、人類種(イマニティ)の最後の砦、エルキア王国に召還され、ゲームによって王となった。唯一神が定めた「十の盟約」により、いかなる争いごとも出来ないこの世界では、全ての決着は、「盟約に誓って(アッシェンテ)」行われるゲームでつけなければならない。
 神霊種(オールドデウス)、龍精種(ドラゴニア)、森精種(エルフ)、幻想種(ファンタズマ)、天翔種(フリューゲル)、獣人種(ワービースト)らから成る【十六種族】の最下位に位置する人類種が成り上がるため、次なる標的を猫ミミ少女たちの天国である獣人種の国である東部連合に定めたものの、彼らの手口が分からずに勝負を挑むことは出来ない。そこで、あらゆる知識を秘匿しているエルキア王国在住の天翼種であるジブリーールを配下に引き込むことにした空白は、彼ら唯一のゲーム手段である「しりとり」の勝負に挑むのだった。

 セクハラしながらおおざっぱに進めているように思わせながら、意外に堅実に手順を踏んで攻略をする空白なのだが、勝負に負けて空に惚れさせられた前王の孫ステファニー・ドーラには、いい加減煮しているようにしか見えない。
 二巻まで来て未だ国内に脱していないことを考えると、もう少し構成を整理出来なかったのかな、と思わなくはない。だが意外に飽きないのでオッケーと言うことにしておきたい気もする。

ノーゲーム・ノーライフ (1) ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです

ゲームで異世界の世界征服
評価:☆☆☆☆★
 ネット上でささやかれる都市伝説。それは、これまで一度たりとも敗北したことがないゲーマーの存在だ。「空白」と呼ばれるそのゲーマーの正体は、18歳のニート童貞と11歳のコミュ障ヒキコモリの兄妹だった。
 そんな彼らの元に届くチェスの挑戦状。これまでに出会ったことのない強さを見せる相手に何とか勝ちをあげたところ、その相手は異世界の遊戯の神にして唯一神テトだった。

 神に招待され異世界へとやってきた空と白の兄妹は、人類種(イマニティ)の最後の砦、エルキア王国だった。この世界では唯一神が定めた「十の盟約」により、いかなる争いごとも出来ない。全ての決着は、「盟約に誓って(アッシェンテ)」行われるゲームでつけなければならない。
 神霊種(オールドデウス)、龍精種(ドラゴニア)、森精種(エルフ)、幻想種(ファンタズマ)、天翔種(フリューゲル)、獣人種(ワービースト)らから成る【十六種族】の最下位に位置する人類種は、もはや王都を残すのみにまで追い詰められ、起死回生の一手として、新たなる王を定めるゲームが開催されていた。

 その大会に参加した空と白は、祖父が先王だったというステファニー・ドーラと、彼女を訳の分からないいかさまで負かしていたクレミーに出会うのだった。

 現在進行中の作品で言うと「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」に似ている。こちらは様々な時空から飛び抜けた能力を持った少年少女が異世界に召還され、ギフトゲームというゲームで様々なものを奪い合う世界観であり、そこで主人公たちは、ノーネームという組織をもり立てていく流れになっている。

 本作で特筆すべき点は、イラストと作者が同一だということだろう。ライトノベルはマンガ的だという論評があるが、それを地でいっているわけだ。
 業界の人間ではないので確かなことは言えないが、外から見ている限りライトノベルの進行は早い。次々と続巻を出していく以上、イラストの発注も早くなるのだろう。時には本文と口絵が矛盾することも散見されることから、それは裏付けられると思う。

 こうなると、イラストと文章が不可分なジャンルであるにも拘わらず、そのシナジーを出すのは難しい。しかし本作では、両者が同一であるため、それが比較的容易になされる形式だと思われる。
 ちょうど最終回を迎えたから言及するが、原作と画に分かれながらそのシナジーを発揮しているのが、「バクマン。」の真城と高木だ。本来は一人で両方やるのが漫画家のスタイルであるにも拘わらず、それを分けて、かつ、互いに良い影響を及ぼし合うという関係が出来ている。それも週刊連載で、だ。

 まあこれはフィクションではあるが、イラストが重要な要素を占めてしまっているライトノベルの世界で、そんなシナジーも考慮して作品作りをしていくことも必要なのかも知れない。

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