神高槍矢作品の書評/レビュー

代償のギルタオン (3)

後味の悪さ
評価:☆☆☆☆☆
 ロクトは退場したものの、援軍として最悪のギルタオン「ギッシェルミナ」に乗る大佐ディスカニオが呼び寄せられていた。彼が到着する前に決着しなければ、港町シーカポートは消滅しかねない。一方、ラーンハイム軍と対立し、窮地に追い込まれる革命組織シュメルツヘイムは、決断を迫られていた。
 そんな都市を、ヤシャナとの取引でライクを養子にすべく、巨大戦艦マキッドゴイルに乗ってやってきた王族のガラハルト中将。しかし、ライクは軍を信用することが出来ず、申し出を拒絶する。

 刻一刻と迫る破滅の時。ライクは最善の判断を下すことが出来るのか?

 打ち切りエンドっぽい。中々の後味の悪さ。

代償のギルタオン (2)

翻弄
評価:☆☆☆☆☆
 放浪の末たどり着いた港町シーカポートで、ライクは革命組織シュメルツヘイムに拘束されてしまう。そんな彼の前に姿を現したのは、新リーダーだという優しげな少女シャミーだった。
 一方左遷されたロクト・ラックライは、巡洋艦ヘルネンスの艦長としてシーカポートを訪問し、偶然、キルクライズを発見する。自身の復権のために他者を犠牲にしてでもキルクライズを手に入れようとするロクトだったが…。

代償のギルタオン

世界を滅ぼす憎しみ
評価:☆☆☆☆☆
 ランフェルド辺境に住む孤児義兄弟のヤシャナ、ライク、ミコは、豪華列車に密航し首都での生活再建を目指すものの、途中で戦乱に巻き込まれ、せっかく乗った列車は砂漠の真ん中で停車してしまう。
 そこにやってきた艦長サリアンナ・レコード率いる戦艦ヘルヴィータは、遺跡で採掘を待つロストテクノロジーの決戦兵器ギルタオン収容を任務としており、乗客たちを救助しながらも、任務続行を決断する。だが、ラーンハイムのギルタオン取得を妨害すべく、敵国リオンザイルが攻撃を仕掛けてくる。さらには、ギルタオン撲滅を目指すテロ組織シュメルツヘイムの首領ギギ・ウェットネスも、戦いに加わってくるのだった。

 ヘルヴィータは、オルタロットを操る味覚喪失者のグラカリム・オーディナや、ワイズマーレを操る視覚喪失者のミルリーチ・ベルギアら、ギルタオンパイロットが奮闘するものの、戦力が足りない。そこで作戦補佐官のシャリオ・スラインハートは、収容した孤児たちの中からパイロットを選出しようとする。だが、ギルタオンのパイロットは、代償として大切なものを失うことが課せられていた。

 第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作。

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