囲恭之介作品の書評/レビュー

バリアクラッカー (2) 火刑台上のリベリオン

教皇庁の闇
評価:☆☆☆★★
 バリアクラッカー事件の功績により、教皇庁から派遣されたトリスタン枢機卿の新体制の下、統治を担う評議会テン・コミュニオンの第九席に抜擢されたベルヘルミナだったが、レプトイドとアイギスの真実を知り、異端審問官としてレプトイドを殺すことにためらいを感じるようになっていた。
 そんな時、アイギスに守られているはずの異端審問官が謎の人体発火現象によって死ぬ事件が勃発する。その際、ナレシュの脱獄を幇助しようとしたサラマンダーの少女を守ろうとし、シビル・グイドーニスの攻撃を妨げてしまうのだった。

 この失態から評議会の参政権を凍結されてしまったベルヘルミナは、クリカラと共に事件の謎を密かに追うことになる。

バリアクラッカー 神の盾の光と影

犠牲の上に成り立つ平穏
評価:☆☆☆★★
 千年都市アーモロートに住む人々は、神が授けたと言われる不可視の盾アイギスに守られ、平和な日々を過ごしていた。一方で、アイギスを持たない人々は忌み嫌われ、地下世界へと押し込まれていた。
 そんな世界の治安を守る異端審問官であるベルヘルミナ・バスカヴィルは、とある任務の最中、ミュー・メリアドクとレトリック・メリアドクという妹兄をを助ける。だがミューはアイギスを持たなかったのだ。

 ミューを助けるため、アイギスを破壊する伝説の存在バリアクラッカーの実在を証明しようとするベルヘルミナは、情報屋のクリカラと共に事件の真相に挑む。ところがそれを、シビル・グイドーニスの伯父が政治的に利用しようとし、事態はアーモロートを混乱の渦に巻き込んでいく。

 第21回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞受賞作。

ホーム
inserted by FC2 system