桐山なると作品の書評/レビュー

四百二十連敗ガール (4)

暗黒サッカー
評価:☆☆☆★★
 毒空木美也子にだまされた石蕗ハル、時宗愛結、秋海棠ゆずりは園芸部に入部させられてしまい、岡庄先生に引率され、加味高原フラワーロード作成の合宿に駆り出されることになってしまった。
 そこで、門脇茜と蛇の目英梨香という、毒空木美也子がサッカーをやっていた頃の知り合いと遭遇してしまう。その結果、部屋に閉じこもってしまった美也子は…。彼女の過去に何があったのか?

四百二十連敗ガール (3)

女王降臨
評価:☆☆☆☆★
 アイドルの卵たちが通う聖シンデレラ学園に優良枠として入学した数少ない男子生徒の一人である石蕗ハルは、入学式の失態が元で「蟯虫かじり虫」と呼ばれ女子生徒から避けられるようになってしまう。そんなハルに恋をしたのは、美少女ながら素行に問題がある毒空木美也子だった。
 彼女は、ハルが学園の全女子生徒四百二十人に振られれば自分と付き合ってくれると思い込み、ハルを振られさせる全告ツアーに引っ張り回す。ハルは養護教諭の姫林檎鈴に癒されながら、時宗愛結や秋海棠ゆずりという友人を得つつ、美也子に振り回される日々を過ごしていた。

 そんな嫌われ者のハルが唯一、美少女達から笑顔を向けてもらえるのが、外部の一般人も撮影が許可される通学時だ。いつものように美少女達の作り笑顔をめでていたハルは、その様を美也子に発見されトラブルに発展してしまう。それを仲裁に来たのは、美化委員の倉橋菜花と、美化委員一年生代表の椿玲奈だった。
 トラブルの原因がハルにあると知った椿玲奈は、シンデレラグランプリで自分が優勝すればハルと付き合うと宣言する。それを阻止したければ、シンデレラグランプリ不参加を宣言していた美也子は大会に参加しなければならない。これは美也子を構成させようとする玲奈の作戦だったのだ。

 それを知りつつも、美也子はシンデレラグランプリ優勝を目指し奮闘することになる。

四百二十連敗ガール (2)

少女が主役
評価:☆☆☆☆★
 聖シンデレラ学園は美少女たちを集める学校だ。ゆえに、入学する男子には筆記試験による厳しいふるいがかけられる。主席入学した石蕗ハルは、入学挨拶を失敗したばかりに学園中の女子から蟯虫かじり虫と呼ばれ、忌み嫌われる存在となってしまう。
 美少女の彼女が欲しくて学園に入学したハルにとっては、この状況は全く好ましくない。しかし女子と話すことがままならない日々を過ごすハルの前に、彼に対して好意を示す美少女の毒空木美也子が現れる。だが彼女は、あまりにも暴力的な行動で有名な少女だった。

 そんな美也子との契約で、学園中の女子にふられたら美也子と付き合うことになったハルは、美也子の主導で全告ツアーを行うことになる。その過程で知り合った時宗愛結と友人になり、今度は3人で全告ツアーが続けられる事になる。
 傷心を養護教諭の姫林檎鈴に癒やされながら、今回は水泳部の布袋葵や弓道部の秋海棠ゆずりに告白することになる。

四百二十連敗ガール

突き抜けた馬鹿らしさ
評価:☆☆☆☆☆
 聖シンデレラ学園は、世界中にヒロインを排出する学園だ。女子高生は誰もが美少女、そしてそんな女子に釣られて、あこがれのラブコメ生活を夢見て男子生徒が集まるため、意外にも狭き門だ。
 美少女の彼女を作るために頑張って勉強して主席入学した石蕗ハルは、入学式当日の友人のいたずらにより、全校女子生徒から蟯虫かじり虫と呼ばれるほどの嫌われ者に、一瞬で成ってしまった。

 ある日、そんな彼に告白する美少女が現れる。彼女の名前は毒空木美也子、見た目は天使ながら、学園一の暴れん坊だった。彼女を散々にふるハルだったが、大泣きして立ち直った毒空木は、全校女子四百二十人にハルをふらせ、自動的に自分に振り向かせる作戦を思いつき、ハルの告白のサポートをすることにするのだった。

 ハイテンション学園コメディとでも言うべきだろう。第14回えんため大賞大賞受賞作品だ。あらすじの通り、主人公が美少女にふられまくりつつ、時宗愛結など一部の美少女にはフラグを立ててしまうというお話。ラブコメのようであり、熱血青春コメディのようでもある。
 全文ハイテンションなので、文章的に優れているというわけではないが、馬鹿らしさも突き抜ければ立派なものといえるだろう。

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