樹戸英斗作品の書評/レビュー

巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 (4)

無理矢理たたむ
評価:☆☆★★★
 惑星ゼラで最後の地下空洞が発見された。そんな時、荒田維留のもとに失踪した月山友麻から連絡が届く。星沢織姫と共に彼女のもとへ向かった荒田維留は、意外な人々と再会するのだった。
 シリーズ最終巻。打ち切りエンド。

巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 (3)

ゼラの正体
評価:☆☆☆★★
 荒田維留たちは、惑星ゼラの村の近郊で弓使いエルフのフィオネラと知り合い、彼女の仕事を助けて、村を脅かすゴーレム討伐をすることになる。
 同じように村に来ていた他の大手ギルドと協力体制を構築し、新たにスナイパーの望月林檎デススターを仲間に加え、ゴーレムの巣に乗り込む荒田維留たちだったが、崩落事故がきっかけで、パーティーは二つに別れ別れになってしまう。そして一方のチームが地下で見つけた遺跡の正体とは?

巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 (2)

大人たちの思惑
評価:☆☆☆★★
 波古乃島で発見された超次元転移ゲートから繋がる惑星ゼラの地下大空洞を攻略し地上を目指すために作られた私立天乃川学園高等部攻略科に入学した荒田維留は、惑星ゼラで行方不明となった異母姉の月山友麻を探すため、大橋紗夜香やリオ・クリステル・ソフィ・ド・ヴィヴィアンヌ、星沢織姫、矢城衛健吾とパーティを組んだ。しかし、背中の伍重連環封印に人造精霊・緋鎧の魔王ファルヴァシウスを封印した魔神使いである事実を知られてしまい、学園から糾弾されることになる。
 ところが、理事長が父親の兄弟弟子であり、学園長が父親の師匠だった関係もあり、彼らのひそかなサポートを受けて、学園に残るための最後のチャンスが与えられることになった。その課題が、攻略不可能と思われたミッションをクリアすることだ。

 魔神使いの事実にもかかわらず、これまでと変わらずパーティを組んでくれる仲間に加え、新たに参加を表明した少女や、監視として理事長からつけられた結城直樹と併せ、攻略に挑むことになる。緋月真緒音のサポートもあり、それは何とか達成可能に思われたのだが、途中、何者かの妨害を受けることになる。

巨大迷宮と学園攻略科の魔術師

惑星地下大冒険
評価:☆☆☆★★
 波古乃島にある私立天乃川学園で発見された超次元転移ゲートは、惑星ゼラの地下大空洞へとつながっていた。そこは数多の階層に分かたれており、何者かが設置したゲートを通じてしか別の階層には移動できない。そしてそれが出来るのは、ゼラに住んでいる人や怪物ではなく、地球の人だけなのだ。
 私立天乃川学園高等部攻略科は、惑星ゼラの地下を踏破し、未だ誰も辿り着いていない地上を目指す人材を育てつつ送り込む学園だ。なぜなら、ゼラで発見された汎用端末に付属している身体能力増幅装置は、未成年にしか効果を発揮しないからだ。

 荒田維留は惑星ゼラで消息を絶った異母姉の月山友麻を探すため、師匠の神地嵐舟の居所を出て高等部攻略科に入学した。そこでは師匠の姪の緋月真緒音が生徒会長をつとめている。
 荒田維留の背中にある伍重連環封印には、人造精霊である緋鎧の魔王ファルヴァシウスが封じられている。伍重連環封印は魔術師に恐怖を持って記憶されているため、荒田維留はそのことを隠し、大橋紗夜香やリオ・クリステル・ソフィ・ド・ヴィヴィアンヌ、矢城衛健吾とパーティを組む。そして、魔法暴発体質であるため、誰ともパーティを組まずに惑星ゼラへ行く万能系魔術師の星沢織姫と知り合うのだった。

 「 迷宮街クロニクル」(林亮介)のようなダンジョン系RPGの要素を持ち、かつ、バンバン人が死ぬのだが、あまりにも淡々と描かれるため、あまり凄惨な感じはしない。基本的に主人公たちは最強の能力を持っているのだが、色々な事情があって全力を出すことが出来ず、ゆえに、周囲と協力し繋がる理由がある。
 もう少し臨場感とリアル感を出す演出の工夫が必要である気がする。

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