霧友正規作品の書評/レビュー

出雲新聞編集局日報 かみさま新聞、増刷中。

かわいらしいかみさま
評価:☆☆☆☆★
 日本一小さな新聞社である出雲新聞社に入社した桜庭悠馬は、倉間恭平という先輩と出会い、見た目は可愛い動物でありながら神様である存在が見える能力を持っていることに気付く。
 結果、神様向けの新聞を製作する部署に配属され、ねこの局長の下で仕事をすることになった彼は、かみさま新聞の購読者を増やすため、問題を抱えている人々の悩み解決に協力することになるのだった。

見えない彼女の探しもの

幽霊との恋
評価:☆☆☆☆★
 ちょっとした儀式をすると、誰もが幽霊を見ることが出来るようになり、幽霊の権利が保障され始めている世界において、小鳥遊昴は幽霊が見れないという希少な人間だ。そんな彼の前に、佐々木詩織という幽霊の少女が現れる。彼女は自分を成仏させて欲しいという。
 友人の月見里舞衣らの協力を得て、渋々、彼女の要望に応えようとする小鳥遊昴だったが、彼女を自宅に住まわせ生活するうちに、幽霊に対するかたくなな心に変化が訪れる。そんな時、幽霊を強制的に成仏させる能力を持つカウンセラーの櫻木真也が現れ、佐々木詩織を引き受けると申し出てくる。

 第25回ファンタジア大賞ラノベ文芸賞受賞作「僕には彼女が見えない」を改稿改題。幽霊が見えない少年と幽霊との恋。幽霊が見える妹を原因とする家族との確執なども描かれる。成仏する幽霊が相手だけに報われない恋ではあるが、それを引きずり過ぎない所はあっさりとした精神性をしている。

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