神喰のエクスマキナ
- 選り取り見取りの女の園
- 評価:☆☆★★★
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勇者に憧れて体術を鍛え、あらゆる魔術系の遺物を集めて研究した斎賀諌斗は、念願かなって異世界に乗り込むことに成功した。そこにいたのは、魔王ではなく、神を喰らう獣<神喰>だ。そして人間も襲う<神喰>と戦うのは、<神喰>から切り離した鎧核と融合し、それによって引き出した魄導力で鎧霊装(マキナ)化することで力を得た騎士、全て女性だったのだ。
男性にも関わらず、鎧核適合値が高い斎賀諌斗は、ヴァリエニス王国女王ウェイレン・オッド・ウォーヴァリエニスの許可を得て、シルフェニス魄導騎士団エストーナ小隊のルナティ・アスラシア預かりとなり、騎士候補生として訓練に加わることになる。
第24回ファンタジア大賞読者賞&銀賞受賞作品なのだが、とりあえず、日本語は何とかした方がよい。女王が臣下に対して謙譲語を使うのは、さすがに意味が分からない。
また、地の文の視点が異世界基準であるにも拘らず、自然に日本刀という概念が使われていてびっくりした。日本と何かつながりのある異世界という設定があるのかもしれないが、それが明らかでない時点で使うのは不自然だ。
内容的には、俺TUEEEEな主人公が、ジゴロセリフを吐いてモテモテと理解すれば大体あってる。
ハレルユニコーン
- エロギャグファンタジー
- 評価:☆☆☆★★
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ある日、道端でお手製のグラビア雑誌を拾った無剣鎖裏は、その表紙を飾っていた佐伯八雲から、昨今のエロ規制を影で操る寄性虫の存在と、それに対抗する《健全なる者》の存在を知らされる。
いきなり寄性虫との戦闘に連れ出された無剣鎖裏は気絶し、八雲の妹で見た目は世紀末覇者の佐伯出雲に助けられる。そして、同意無しに契約は実行され、八雲の持つ《チチイロカネ》に比肩する聖器《ウォーチン=ポッコーチン=ハレルユニコーン》略して《オッチンハルコン》を手にすることになった。
性的興奮を力に変える聖器を手に、産婦人科医の佐伯宗一郎や、生徒会長の大百足元康と戦うことになる。 第11回スーパーダッシュ小説新人賞最終成功作品だ。
アヌヴィス! (2) こうして俺は人外娘たちに求婚されました
- 人外へまっしぐら
- 評価:☆☆☆☆★
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超エジプトゥ文明出身のマミーのポコを復活させた刑部一葉は、デスワームの最強種「黄金色に輝かしき者」アーペップを取り込み、元魔王で人面犬となったスフィーと共に暮すことになった。
憧れの君である相馬紫明と渡辺未来の会話から吸血鬼好きの嗜好を知った一葉は、吸血鬼を取り込むためにプエルトリコに向かい、返り討ちにあってしまう。
不死身の身体にあぐらをかいて致命的に防御に欠けることに気づいた一葉は、最強の甲羅を持つというンデンデキのトッキーを取り込みに向かい、マハンバとの抗争に巻き込まれてしまうのだった。
チュパカブラの女の子やンデンデキの男の娘、人面犬や心の中のアーペップと、人外たちからモテモテになる一葉だが、人間でも担任の小野町子に気にかけてもらったり、いろんなところに気がありすぎる。
もっとも、「現実から目を背ける眼鏡」のおかげでお色気展開に見えるけれど、実際は凄惨な光景なんだよな。この道具は窮余の一策と言うことだろう。
アヌヴィス! こうして俺は最強のデスワームになりました
- 寄せ鍋ではなく闇鍋
- 評価:☆☆★★★
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クラスメイトの相馬紫明に憧れる刑部一葉は、担任の小野町子の実家でもらったチケットで出かけた超エジプトゥ展の倉庫に迷い込み、そこに安置されていたミイラにお茶をこぼしてしまい、マミーのポコを復活させてしまう。
ポコの超エジプトゥ文明復活の手伝いをさせられることになった一葉は、異世界に連れて行かれて魔王の少女に出会ったり、ゴビ砂漠の縦穴の中でデスワームの最強種「黄金色に輝かしき者」を取り込んだり、どんどん人間からかけ離れた存在になっていく。
当然、憧れの相馬紫明との仲を発展させていくことは無理だと思われるのだが…。
第6回HJ文庫大賞銀賞受賞作品。特に目新しさも無く、展開も行き当たりばったり感があり、ターゲットもゴールも明確でなく、なぜいま、この作品を受賞作とする必要があったのか、個人的には理解できなかった。おそらく、既存の作家で十分な内容であり、新人として発掘する意図が見えない。
HJ文庫の売れている作品から要素を抽出した様に見受けられ、様々な材料を投入して寄せ鍋のように料理としてまとまれば良いが、どちらかというと食べられない闇鍋に近くなってしまっている気がする。