陸凡鳥作品の書評/レビュー

魔法使いの召使い

お嬢様から召使いへ
評価:☆☆☆★★
 両親が無くなり、伯父たちに遺産を奪われて一文無しになったビアンカ・カルトッフェルは、魔法の手紙に導かれ、野菜の魔法使いエルヴィン・イスカリオス・ローエングリン・ローエングラム・ゲルネブロースの家へとやってきた。
 メイドのメーネの面接を受け、召使いとして雇われることになったビアンカだったが、元お嬢様でドジッ娘であるため、全く役に立たない。やがてビアンカは意気消沈していく。

 そんな時、エルヴィンから魔法辞典を預けられたビアンカは、その魔法で人助けをして感謝され、自分に価値を認められるようになっていく。だがその有頂天は、ウィスコーという存在によって壊されることになるのだった。

隣人は真夜中にピアノを弾く (2)

悪魔の後悔
評価:☆☆☆☆★
 大悪魔レイ・Cの命により、19年前に死亡したと思われていた悪魔ヴィクトル・デュヴィヴィエの確認に向かったバドとリッチは、悪魔としての能力を失ったデュヴィヴィエと出会う。彼は契約により、その能力を一人の男に渡していた。
 ツンドラの大地を巡り、自警団と政府から派遣された傭兵団の対立が起こる中、バドは、デュヴィヴィエの狙いについて探りを入れていく。

隣人は真夜中にピアノを弾く

希望は抱くとも救われず
評価:☆☆☆☆★
 上司であるレイ・Cの命令により、バーテンダーのテト・メンテスが殺害された事件の調査にやって来たバド・ポッドは、渉外担当であるリッチ・フレンドリーと合流する。事件現場に乗り込み、不法侵入で逮捕された二人は、事件の担当警部であるウィリアム・グッドウェイに対し新聞記者であると名乗り、情報共有に関する取引を申し出るのだった。

 だが二人は人間ではない。自らを隣人と呼び、人間には悪魔と呼ばれる存在だったのである。殺されたテト・メンテスも悪魔の一人で、悪魔を殺す人間の存在を許容できない悪魔たちは、事件の真相を調査すべく、二人を派遣したのだ。
 初歩的な調査の結果、テトが地元のギャングのボス、トーレスと深い関係にあったことを知った二人は、トーレスの情婦であるピアノ弾きのシェリ・レゾンに案内を頼み面会する。そして、トーレスがテトと契約していたことを知るのだった。

 しかし、誰がテトを殺したのか、決定的な証拠は出ない。そして悪いことに、隣人を敵視する人間の秘密組織である清装局が、ロイ・ローウェルを筆頭に乗り込んできた。ドンドン悪くなる状況の中、悪魔たちは真相に至ることが出来るのか?

 悪魔の話なので、希望は抱いても救いはないです。

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