久楽美月作品の書評/レビュー

青と黒の境界線

世界の中心にいる二人
評価:☆☆☆★★
 工業都市ノワールの爆発事故で発生した黒い煙幕が原因で、世界は雨の降らない世界となった。水が常に不足するゆえに争いがおこり、それを調停するべく水道局の権限が非常に強くなる。
 そんな世界における唯一の希望は雨女だ。雨女のいるところは常に雨になる。これゆえ雨女は生まれると同時に水道局により監禁され、外の世界も青い空も知らずに暮らしていた。

 三代目の雨女ジュビアは、かつて自分を外に連れ出してくれた人物との約束を守るため、自由の身でいようと水道局の追手である雨女対策本部のセリューから逃げている。その道中、ジュビアはアスールという青年に出会う。
 雨女とは対照的に晴男であるアスールの周囲は晴れにしかならない。雨女と晴男が出会えば世界は変わる。そんな伝説を真に受けて、アスールはジュビアに出会おうと、晴男対策本部のラミアらの追手をまき、彼女の前へとやって来たのだ。

 しかし、二人が出会っても何も起こらない。出会うとは何なのか、そして伝説は本当なのか?彼らを陰ながらサポートする呪術師ソティラスと弟子のケニス、彼らを車に同乗させる運送屋のダズ、水道局に対抗する組織のメンバーだったリュネットらと共に、彼らは世界を変革させるために行動する。

ホーム
inserted by FC2 system