琴平稜作品の書評/レビュー

勇者リンの伝説 Lv.5 赤点回避と失われた絆を取り戻すために、時をかける俺

時間改変の修正の末に
評価:☆☆☆★★
 魔女イオから借りた魔具で時間移動をして赤点を回避しようとしたカイ・アンバーは、その結果、彼自身やリン・アルクスやニーナらに生じた変化を修正するため、何度も時間移動してやり直しをすることになる。
 そして最終的には、入学時点から時間改変が発生してしまい、一番初めに望んでいた未来が訪れるのだが…。

勇者リンの伝説 Lv.4 ニーナが王女で王女がニーナで、風雲急を告げる舞踏会。

入れ替わり王女
評価:☆☆☆★★
 冒険者育成機関ユースタシア学園の学園祭である獅子王祭で一位になったカイ・アンバーのクラスは、王宮の舞踏会に招待されることになった。
 クロト・ラインフォールやリン・アルクス、ニーナらが美しいドレスを準備して出かけた王都の城下町で、彼らは城を逃げ出した王女ソフィアに遭遇する。ソフィアはニーナにそっくりな女性だった。

 封魔球(レチッド・ボール)を普及させようとするダグラス侯爵に求婚され嫌気がさした王女は、城を抜け出してきたらしい。その話に同情したニーナは、一晩入れ替わって侯爵をこっぴどく振ることを提案するのだった。

勇者リンの伝説 Lv.3 七つの球を探し求めて俺たちの学園祭がカオス。

セクハラは全て呪いの道具のせいです。
評価:☆☆☆★★
 冒険者育成機関ユースタシア学園の学園祭である獅子王祭で、カイ・アンバーのクラスはメイド喫茶を開くことになった。そのリーダーたる支配人に立候補したのは、カイ・アンバーだ。学園一になれば願いを叶えてもらえるという甘言に釣られた結果である。
 女子として再入学したクロト・ラインフォールの手作りお菓子を目玉として、何とかメイド喫茶を形にして安堵したカイだったが、学園祭当日、リン・アルクスと合流したことで、再び事件に巻き込まれてしまう。

 魔女を名乗る人物から、学園中にばらまいた封魔球(レチッド・ボール)を回収しなければ、魔物が暴れて学園祭を台無しにするという脅迫が届いたのだ。見学に来ていたジルやニーナと共に、封魔球を探し回ることにしたカイたちは、主にセクハラ方面で大変なことになる。

勇者リンの伝説 Lv.2 勇者二人に挟まれて体育祭という名のクエストに挑むわけだが。

クロトの秘密
評価:☆☆☆☆★
 冒険者育成機関ユースタシア学園に入学し勇者候補筆頭と目されていたカイ・アンバーは、適性検査である翼獅子の儀式を幼馴染のリン・アルクスと同時に行ったばかりに、彼女が勇者課程で自分は伝記士課程に進むことになってしまった。元戦士のニートのジルことハルバートや元召還士の花屋の娘ニーナと組み、夏休みのクエストをこなしたカイ・アンバーは、リン・アルクスに備わる勇者としての独特な適性を認め始めていた。
 次なるイベントは、3人1組で出場する体育祭だ。先輩のミハエル・ノーストイットによる妨害活動のために仲間が欠場することになってしまった勇者課程優等生のクロト・ラインフォールと組むことになったリン・アルクスとカイ・アンバーは、いつものように自由に勇者への道を歩んでいく。

勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。

勇者になれなかった少年は幼馴染の勇者と伝記士を目指すことにしました
評価:☆☆☆☆★
 冒険者育成機関ユースタシア学園に通うカイ・アンバーは、ぶっちぎりの勇者候補と周囲から目されていた。その剣術は圧倒的で、相手になる生徒はいない。しかし、適性を調べる翼獅子の儀式で、幼馴染のリン・アルクスと一緒に手を突っ込んだカイ・アンバーは、勇者と共に旅をして実績を記録する伝記士課程になってしまい、逆に魔物を殺せないリン・アルクスが勇者課程となった。
 落ち込むカイ・アンバーだったが、夏休みの宿題でクエストをこなすリン・アルクスに連れ出され、彼女の旅を記録する宿題をすることになる。

 まずは仲間集めをはじめた二人は、プロを雇おうと言うことで街に出て、元戦士のニートのジルことハルバートと元召還士の花屋の娘ニーナを仲間にすることになる。果たしてこのパーティで、魔物を憎む勇者課程生徒のクロト・ラインフォールらのパーティに勝つことができるのか?

 第24回ファンタジア大賞金賞受賞作。魔王を頂点とする魔物が存在する世界で、勇者を目指して世界を変えようとする少女と、彼女と共に旅をする少年の、周囲を巡る人々との関係をコメディタッチで描く。ほとんどがギャグながら、意外に真面目になる部分もあったりして、バランスは良い。

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