是鐘リュウジ作品の書評/レビュー

ルクス・ソリスの探偵軍師

能力を利用した集団バトル
評価:☆☆☆☆★
 少年探偵として名を馳せる羽澄悠は、事件を解決して学校へ向かう途中に拉致され、佐渡島沖の多鳥羽島に連れて行かれてしまう。それを成したのは、天獄院黒海という財閥の娘だ。
 多鳥羽島では新エネルギールクス・ソリスを利用した思念具象化武器イデアを用いた戦挙が行われており、それに勝てば多鳥羽島を支配する三校の頂点に立つ統一生徒会長になることが出来る。天獄院黒海は双子の妹の天獄院白宇に奪われた玉座を奪還するため、羽澄悠に軍師になるように命じる。

 二千万円の報酬に揺らいで依頼を受けることになった羽澄悠は、いきなり予備戦挙の戦場に送り込まれることになる。しかし、前回戦挙のせいで味方は三人のみ。そのうち、戦えるのは少女拳士の鎹頬白と、少女剣士の士蜂真賀里のみだ。だが、羽澄悠に秘められていたイデアドライヴが事態を打開する。

 天獄院黒海の意思により、少女として学園に編入することになった羽澄悠は、天獄院白宇と側近の四振奈留子による統治の現状を知り、特務救護隊の秋宮雛里と友人になる。そして、戦挙を有利に進めるため、ブリラントベルジュの恋城寺王華と側近の八街降・八街散を味方に引き入れようとするのだが…。

 第14回エンターブレインえんため大賞特別賞受賞作「学園謀反戦記サチューゴ」を改稿・改題。男の娘を出す理由は純粋に売上のためと思われるが、そうすべき理由が最後に明かされるところは面白い。

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