桜庭一樹作品の書評/レビュー

項目 内容
氏名 桜庭 一樹 (さくらば かずき)
主要な著作

 桜庭一樹さんの作品の書評/レビューを掲載しています。

GOSICK GREEN

評価:☆☆☆☆☆


GOSICK PINK

評価:☆☆☆☆☆


GOSICK BLUE

評価:☆☆☆☆☆


GOSICK RED

評価:☆☆☆☆☆


GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐

希望が持てる終わり方
評価:☆☆☆☆☆
 監獄に幽閉され、薬を飲まされて未来を予言させられていたヴィクトリカを救出するため、コルデリア・ギャロとブライアン・ロスコーの片割れは、その身を引き換えにした。そうして、もうひとりのブライアン・ロスコーに連れ出されたヴィクトリカは、新大陸を目指す。
 一方、戦場に送られた久城一弥は、ヴィクトリカとの再会を糧に、今日も銃弾飛び交う中を生き抜いていた。そして戦火の影響を受けるのは、銃後を守るアブリル・ブラッドリーやセシルも同じ。果たして彼らに再会の時は来るのか?

 桜庭作品ぽくない終わり方に一番驚いた。純粋ハッピーエンドで、事後談めいたエピローグが用意されているとは…。ここから、ハードボイルド・アクションものが書けそうなくらい。
 長い中断もはさんでしまったけれど、非常にきれいに、そして爽やかに終わったと思う。その分、負担がアブリルに行ってしまった気もするけれど。

GOSICK-ゴシック- (8) 上 神々の黄昏

引き裂かれる二人
評価:☆☆☆☆☆
 1924年の冬。クリスマスはヴィクトリカの誕生日でもある。冬期休暇を前に慌ててソヴュール王国から帰省する貴族子弟たちを見送り、アブリルからはカタチのない餞別ももらった後、久城一弥はプレゼントを持ってヴィクトリカの許へと向かった。そんなヴィクトリカから課せられたのは、退屈しのぎに15の謎を持って来ること。
 人のほとんどいない学園中を探しまわり、ついには街にまで下りて探したものの、大晦日までに発見した謎は14個。しかし世界情勢は、昨日と同じ明日が続くと思っている一弥の予想に反して、大きく変わろうとしていた。それは、金色の妖精/美しき怪物/灰色狼を巻き込み、そして一弥すらも巻き込み、進展していく。

 グレヴィールを兄貴と呼ぶようになったのはいつからだっけ?と思いつつ。今回のヴィクトリカと一弥の描写は、少女と少年から大人の女と男になりかける時の、何ともいえない空気を醸し出してくれる。
 特に、ヴィクトリカが一弥から受け取った手紙を己が身に刻みこむ部分や、久城瑠璃の前で頭をかきむしって泣く部分、アブリル絡みでいうと、ヴィクトリカのところへ行く前に彼女が去った正門を見る描写など、これまでの一弥では絶対に取らなかったであろう行動がある。彼は何かを知るものになったのだ。

 娘をオカルト兵器と信じ、自身の栄達のために利用しつくそうとするアルベール・ド・ブロワ侯爵。そんな彼は、幼いころの感情を抱えたまま今に至っている、大きな子どもなのだ。ここに、ひとつの対比があるのだと思う。
 そんな彼の目論見がこのまま進んでしまうのか、あるいは。世界を覆う二度目の嵐が吹き荒れる中、彼らの運命はどこへと向かうのか。

GOSICKs (4) -ゴシックエス・冬のサクリファイス-

嵐の前の平穏
評価:☆☆☆☆★
 クリスマス・イブに聖マルグリット学園で繰り広げられるリビング・チェス大会。生徒たちは自らが用意したチェスの駒に扮し、帰省前の最後のひとときを思い思いに楽しんでいる。そう、彼らは実家から必ず帰省するように言明されているのだ、なぜか。
 仮装して楽しんでいるのは生徒たちばかりではない。セシル先生やゾフィ、視察に来たジャクリーヌ・ド・シニョレーや、グレヴィール・ド・ブロワ警部なども、それぞれかこの思い出に喜びや苦味を感じつつ、今を楽しんでいる。

 五話構成になっていて、クリスマスイブの学園の様子を描きながら、グレヴィールがなぜドリル頭になったのかや、ヴィクトリカが生まれた日の出来事などを回想している。グレヴィールの事件の話は再構成しているだけの気もするけど…。
 久城一弥とヴィクトリカ、アブリルたちの平穏な日々もこれまで、二度目の嵐のときが近づいている。

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ばらばら死体の夜

あってもなくても、それぞれに人を惑わす
評価:☆☆☆☆★
 英米文学の翻訳者で大学講師でもある吉野解は、十数年前、自分が大学院生の頃に下宿した古書店・泪亭の二階で、二十七だという美しいが生気のない女・白井沙漠に出会い、襲う。それから何度か逢瀬を重ねた後、女が切り出してきたのは、三百万円というお金の無心だった。

 三百万円というのは十分に大きなお金ではあり、女にとっては人生を左右する額でもあるが、資産家の娘と結婚し、裕福な環境で暮らす吉野にとってはそれほど大金でもないはず。おそらくはそんな見込みがあったはずだ。しかし吉野にとっても、それは人生を左右する金額だったのだ。

 お金、特に消費者金融に関係して社会を落伍していった男女の姿を、周囲の人々の視点から時系列をばらばらにして描き出していっている。
 前半の、お金がないことが人間の心に闇を孕ませるような空気感を作り出している部分と、後半の、消費者金融のシステムを説明している部分の雰囲気があまりにも違いすぎて、そこで一気に興ざめしてしまった。いかにもとってつけたような感じが否めないと思う。でも、全体的には面白い。

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ブルースカイ(新版)

時間を超えて現れる少女
評価:☆☆☆☆★
 旧版持っているのに新版を買ってしまった…。読んだのは6年くらい前だから忘れていたのだけれど、読んだら思い出した。加筆修正もなし?これはボクの失敗だけど。

 中世ドイツ、未来のシンガポールに突然現れる現代の少女。彼女はなぜ時間を超えて移動しているのか?システムとは一体何なのか?

 彼女が飛ばされる場所には少女という概念が存在していないのが面白い。中世ドイツでは子どもの女は、子どもを産むことですぐ大人の女になってしまうし、未来のシンガポールでは、少女のポジションを青年と呼ばれる男たちが担っている。こういうのもシステムの補完作用なのだろうか?

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GOSICK (7) ゴシック・薔薇色の人生

王国に巣食う闇がまた闇を呼ぶ
評価:☆☆☆☆★
 グレヴィール・ド・ブロワ警部によって、ソヴュール王国の首都ソブレムに連れ出されてしまったヴィクトリカを追いかけて、留学生の久城一弥もソブレムの劇場に向かう。そこで催される演劇は、亡くなった王妃ココ・ローズにまつわるもの。そして、ブロワ侯爵がヴィクトリカを召喚したのも、王妃ココ・ローズ殺害事件の真相を明らかにさせるためだった。
 新たな嵐、二度目の世界大戦を巻き起こしそうな悪い流れを感じつつ、その中で自分に有利な立場を築くためにヴィクトリカを利用しようとするブロワ侯爵に対し、ヴィクトリカはそんな策謀に久城を巻き込ませないために必死に久城を遠ざけようとする。

 それでも必死にヴィクトリカについていこうとする久城一弥は、外に出られないヴィクトリカに代わり、事件当時の情報を集めてくる。その中には、ヴィクトリカの母、コルデリア・ギャロの楽しい時代の姿もあり…彼女がブロワ侯爵に手に落ちていく様子も明らかにされる。
 最初と最後は以前のGOSICKなのだが、途中所々は少し雰囲気の違う部分もある。やたらと女という存在を強調する表現方法は、直木賞以後の作品によく見られるものの気がする。

 暗い雰囲気になろうとするところを、セシル先生やグレヴィール、寮母のゾフィなどが必死に明るく盛り上げる。アブリルもちょっとだけは登場するけど。
 てっきり作者の中で黒歴史に入れられた作品かも知れないと思っていたので、続編が出てよかった。マルチメディア戦略サマサマといったところだろうか。

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伏 贋作・里見八犬伝

盗人にも三分の理、一寸の虫にも五分の魂
評価:☆☆☆☆☆
 祖父の下で猟師として暮らしてきた14歳の少女・浜路は、祖父の死をきっかけに江戸にいる異母兄・道節のもとに引き取られる。その頃、江戸には伏という人間と犬のあいのこがいて、時々人間を襲っていた。道節は貧しい浪人暮らしをしながら、その賞金稼ぎをしており、浜路も猟師としてその仕事をすることになる。
 伏は見た目はまるで人間なのだが、身は軽く、気ままで時に残虐で、体のどこかに牡丹の様なあざがある。そして寿命は20年くらいと短い。そして人間の生活に紛れ込んで生きている。
 浜路はそんな伏を追いかけているうち、滝沢冥土という青白い読売に出会う。曲亭馬琴の息子であるという冥土は、伏に関する瓦版を売りながら、伏について詳しく調べていた。そして、父・馬琴の書く里見八犬伝の本当の物語、里見義実とその姫・伏、弟の鈍色と彼が拾った犬・八房の物語を浜路に語って聞かせるのだった。

 江戸にわずかに残った伏を浜路に追っかけさせながら、その過程で出会う冥土や信乃に伏にまつわる物語の始まりと終わりを語らせるという構成になっている。このため、作中に冥土の著した贋作・里見八犬伝や、信乃の語る伏の森という章が挟まれる。

 物事にまつわる光と影。あるものが司るルールの中で繁栄を謳歌するものもいれば、そのルールにより虐げられ苦しむものもいる。世の中の良い悪いはこのバランスの具合による。これを象徴するものが伏姫と鈍色であり、里見の里と伏の森であり、村雨丸と伏であろう。
 この秩序と無秩序の中で、浜路というちっちゃな猟師は、基本的には秩序を守るために伏を討つという姿勢は揺らがせないものの、その幼い純粋さにより、伏の生き様にも涙し共感したりする。

 時代の流れ、人々の考えにより、バランスの重石は左右する。浜路や道節と、伏たちの狩る狩られるの行ったり来たりは、結局どこへと辿り着くのか。

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道徳という名の少年

大層凝っている
評価:☆☆☆★★
 小さな国の小さな街に生きる美しいが不道徳な人の一族を5代くらい追った物語になっている。ページ数を見れば分かるように分量は少ないが、紙質や挿画や装丁などには大層凝っている。

 背徳的でいて何となく美しい物語だな、とは思うが、内容についての論評は差し置いて、この本を読みながら思ったのは、電子書籍が普及した場合に、紙の書籍が進む方向性についてだ。
 この本は、そういった時代にあって、紙の書籍が生き残るための、付加価値追求実験の一つなのかもしれない。だからこの価格は、そういった時代に備えるための投資を上乗せしてあるのだろう。

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ファミリーポートレイト

生きるために書くということ
評価:☆☆☆☆☆
 作者のハードカバー作品は、しばらく寝かせておいてから、気力の充溢した時に読むのを通例としている。だからこの作品は、ボクの書架で一年くらい眠っていたことになる。そしてついに読んだ。第一部を読むのが辛くて、でもこれがあるからこそ第二部がとても面白いと思えるのだから、やっぱりそれは必要なプロセスなのだろう。

 母親と共に各地を転々と放浪していたコマコ。小中学校に通うことも無かったが、文字を教えられてからは物語の世界にのめりこみ、呼吸をする様に本を読む、そんな生活が続く。そして14歳の時、母親との生活は終わりを告げ、父親の下で生活することとなった。
 14歳までの生活で人としての根本を母親に依存していたため、何にもなくなってしまったコマコ。しかし様々な男との出会いで、自らが拠って立つ世界を再発見していく。

 第一部を読み終わったとき思ったのは、本当に自分は教師にならなくて良かった、ということだった。ほんの気まぐれの行動で可能性をスポイルし、しかもその相手から好かれているなんて、地獄でしかない。(あるいは神になったと思うのか。)
 第二部は面白いけれど、ある意味では哀しい。結局奪いつくされたものは、取り戻したとしても、本当に自分のものにはなってくれない。それを持っている何者かを想定しなければ、表現することも出来ないのか。

 作家がどの様な気持ちで文章を書くのか分からないけれど、自分の中に無いものを素通りさせて表現することは出来ないだろう。そう考えると、この物語を著せることが少し恐ろしい。

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製鉄天使

あなたのえいえんの国はどこにある?
評価:☆☆☆☆☆
 「赤朽葉家の伝説」のスピンアウトらしいのだけれど、登場人物の名前が変わっているのはなぜだろう?70年代後半から80年代前半、赤緑豆小豆が中学校に入学し、製鉄天使というグループを立ち上げて四国地方を制圧していく歴史をひも解きながら、少女の変化と成長を、周囲の変化と対比させながら描いている。

 中学生高校生の間にだけ存在する世界に生きながら、そこから出る時の選択にはいくつかタイプがあった様に思う。最後まで役をこなし、大人の世界でも同様の組織にエスカレーションしていった者。あるとき役から覚めてしまって別の道を選択した者。中学生までで引退しながらも、完全燃焼しきれず中途半端に引き戻されてしまった者。そして小豆たちがした選択。
 中国地方を"せかい"と呼び、子供だけに見える世界といいながら大人の世界を模倣し、ある年齢になれば普通の大人になってしまう。自由を叫んで生きながら、最終的には平凡な大人になってしまうのかなあ、と思って読んでいたので、最後の結末はボクとしては希望の持てる展開でよかったと思う。

 章末ごとに謎めいた語り部と聞き手の会話があり、最後にはその正体が明かされるのだが、本当にそれが正しい語り部なのかは作中の記述から考えて疑問が残る。その辺はミステリー的と言えなくもなく、赤朽葉家の伝説のスピンアウト作品としての証明になるのかもしれない。

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私の男

間違っていると思うのになぜ間違っているかは分からない
評価:☆☆☆☆☆
 人もうらやむ結婚をした花。それなのに、その目は、その心は、養父である淳悟を求めてしまう。憎しみをはらみながらも。なぜ、ここに行き着いたのか、この結末は必然だったのか。この原因を手探りするように、少しずつ二人の歴史を遡っていく。
 突然断ち切られた想いをどうすればよいのか。行き場をなくした愛はどこを目指せば良いのか。読み進めて行く内に、そんなことを考えさせられる。
 人知を超越する自然の力により崩された関係性を、人間がどう構築しなおすか。そのときに、誤ったピースを組み合わせてしまうこともあるかも知れない。枠外にいる人間は、それを間違っているというだろう。しかし、枠の中に他にピースがなければ、そうするしかないことだってあるのだ、きっと。

 サムシング・フォー。結婚式でこの4つを花嫁が身に着ければ幸せになれるという風習。この一つである古びたカメラが思い起こさせる罪と愛の物語

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GOSICKs (3) 秋の花の思い出

束の間の休息
評価:☆☆☆☆★
 短編のミステリーを書くことはとても難しいと思う。複雑なトリックを作って長々と解説させるわけにはいかないし。だから、読者の思考の隙間を突くような、盲点となるトリックで勝負しなければいけない。
 この作品を、しかも短編で、ミステリーチックに書く必要ってどの程度あるのだろうか。それぞれのキャラクターは確立しているのだから、そういう縛りをなくして自由に動かせたほうが生き生きするような気もする。
 本作品は次なる本編の序章。ようやく帰り着いた学園でいつもの毎日を送るヴィクトリカの周りでは、彼女を主役とする物語が動き出そうとしているようです。

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赤朽葉家の伝説

流れ着いた先で
評価:☆☆☆☆★
 時代の変化とともに、神話のエネルギーは特別な人の下から離れた。行き場のなくなったそれは多くの人たちを流れに乗せ、それにのれなかった者たちは波間に消えていってしまった。
 そして辿りついた静かな浜辺。一見すると何もないように見える。それまで自分達を運んでいたものはどこかへ消え去り、残ったものは不安だけ。しかし、良く考えてみると、何も考えずにただ流されていれば良い時代にだって、それぞれの人々は同じように不安を抱えていたのだと思う。
 そんなことを考えさせられました。

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少女には向かない職業

もうたえられない
評価:☆☆☆☆★
 誰かから無条件で信じられている、愛されている人間は、それをよりどころにできる限り、何があっても道を誤らない。そういう気がする。葵だって、母親が彼女を見続けていてくれれば、サチが信じてくれれば、それを社会との接点にして、何があっても揺らがない視点を持ち続けられた気がする。
 悪魔の誘惑はどこにでもある。何がきっかけでそれが表出するかは分からない。その時に、揺らがないでいられるかは、よりどころがあるかどうかにかかっている気がするのだ。

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少女七竈と七人の可愛そうな大人

ようやく落ち着いた気分になれた
評価:☆☆☆☆☆
 「七竃がそんな顔に生まれてしまったのは君の母がいんらんだからだ。」美しき少年雪風は、同じく美しき少女七竃にそうつぶやく。これは切ないほどの祈りを込めた言葉。
 雪が降ればすべてが真っ白に染まってしまう小さな町。その町の中にある小さな家の薄暗い居間にある世界。自分たちを乗せて走る鉄道模型。年を経るごとにだんだん拡張されていく線路だけれど、それは閉じていてどこにも飛び出せない。ただぐるぐると回るだけ。しかし、時は無常にも流れ、春が来れば覆い隠されていたものは再び姿を現す。そしてそれは小さな世界を絶望的なまでに破壊しつくしてしまう。
 うつくしきかんばせを覆い尽くす黒く長い髪は、自分を襲う呪いへの抵抗。それを切り落とし、鏡にうつし出された血の呪いから、少女は解き放たれる日はくるのだろうか。新しい土地で小さな白い花が咲く日が。

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GOSICK (4) 愚者を代弁せよ

欲望に潜むもの
評価:☆☆☆☆★
 一弥と映画を見に行った帰り、アブリルは映画の情景と学園の風景が似通っていることに気づく。怪談映画に出てきた時計塔に進入しようとすると、普段にはない口調でセシルにとがめられる。
 その頃、一人退屈していたヴィクトリカは一冊の回顧録を見つける。それは、数十年前、王国に金と恐怖をもたらした錬金術師が残したものだった。
 そして、時計塔で発見される死体。果たしてこれは錬金術師ののろいなのか?一体学園に隠された秘密とは?ヴィクトリカの生い立ちがいま明かされる!

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GOSICK (3) 青い薔薇の下で

何でも売ります
評価:☆☆☆☆★
 一弥の旅先で起こった事件をヴィクトリカが遠隔で解決する。情報が電話に限られていることとヴィクトリカが風邪を引いているというマイナス要因のため、グレヴィールがいつもより前面に出ています。そのおかげであの髪型の起源が判明するわけですが…。貴族の誇りとは重いものですね。

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GOSICK (2) その罪は名もなき

旅立つ者に道は拓ける
評価:☆☆☆☆★
 近代のヨーロッパ。小国の山奥にある寄宿生の学校へ留学した東洋人の少年と、その学校に幽閉された小さな小さな少女の出会いと冒険の物語第二弾。
 今回はいつもは覚めた目で世の中を見ているヴィクトリカが、衝動に駆られて学校から脱出してしまいます。…いつものように一弥を引き連れて。
 向かった先は、自動車も通れない道の先にある小さな村。灰色狼の村と恐れられる場所に隠された秘密とは何なのか?そして、ヴィクトリカを動かしたものとは…?
 ヴィクトリカに一弥が与えた変化とはどれほどのものだったのだろうか、と実感できるストーリーになっています。

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GOSICKs(2) 夏から遠ざかる列車

見えない傘の下で
評価:☆☆☆☆☆
 ゴシックの短編集。今回はサブキャラたちの周りで巻き起こる物語。それぞれのお話で、いろんなペアの関係が描かれます。アブリル、一弥のお姉さん瑠璃…。最終話では、グレヴィールのとんがりが2つに別れた理由も判明します。
 ミステリーとして読むよりも、世界観や登場人物を理解するために読みたいと思う人にはおすすめです。

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GOSICK―ゴシック

正体見たり
評価:☆☆☆☆☆
 大学の先生がある実験をしたそうです。コインを投げ、表が出れば+50セント、裏が出れば-50セントとし、チャートを描く。それを何枚か書いて相場師に見せたら、「この株は買いだ!」と大騒ぎしたらしい。たまたまそのチャートの形が、相場が上がるサインとされる形になっていたそうな。つまり、人は物事を信じたいように解釈する、と。
 はじめにこんなことを書きましたが、この本は全く相場とは関係ありません。読み終わってみれば、こんなことが言いたかったのかな?と思ってもらえるかもしれませんが。
 これは、第二次世界大戦前のヨーロッパにある架空の小国に留学した日本人の少年と現地の貴族の少女との交流を描いた物語です。ミステリーということになっていますが、そう思って期待して読むよりは、古きよき時代?の雰囲気にひたって楽しむキモチで読んだ方がよいかもしれません。

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推定少女

あっても消えてしまうもの
評価:☆☆☆☆★
 中学生の頃、ある企業の商品開発の様子を示すドキュメント番組を見たことがあります。そこでは、女子高生の意見を取り入れて商品開発を行っていました。担当者の言うことには、子供の新鮮な発想を取り入れることによって、売れる商品を開発できるということでした。
 それを見てボクは思いました。あんたも昔は子供だったじゃん!何で今は同じ発想ができないの?ボクは、大人になっても子供の視点を失わない人間でいよう、と。
 子供の頃、親に対してムカついても、実際にそこから逃げ出そうとはなかなかしない。なぜなら、そんなことをすれば一発で生活ができなくなることを知っているから。結構、したたかなんです。  そんな頃を思い出すお話です。

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