西東行作品の書評/レビュー

鳥は星形の庭におりる

残された証し
評価:☆☆☆☆★
 プルーデンスは、彼女を愛してくれた祖母がこの世を去り、神々に対する快復の祈りも通じなかったことから、自分に対する人々の愛も、世界に対する神々の愛も信じられなくなってしまう。
 しかし、弔いのために祖母の生地を訪ねたプルーデンスは、祖母の残した護符が秘密の迷宮を解く鍵であることを知り、祖母の愛したものを護るために、初めて出会った吟遊詩人と共に、謎に挑む。ところが様々な権力者の政治的思惑が絡み、そして吟遊詩人の持つ秘密も合わさり、トラブルが発生してしまう。

 星形の庭とは正五角形の庭のことで、正五角形の対角線が星形になることを意味しているのだろう。タイトルは武満徹の管弦楽曲から取ったらしい。パズル自体を読者が解ける訳ではないので、そういった部分を期待する向きにはおすすめしない。

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