志端祐作品の書評/レビュー

僕は友達が少ない ゆにばーす

幼なじみは最強なの?
評価:☆☆☆☆★
 各レーベルを代表する?ラブコメラノベ作家たちが「僕は友達が少ない」のアンソロジーに挑戦する。GA文庫からは裕時悠示、ガガガ文庫からは渡航が参戦。どちらも残念系の学園ラブコメでヒットを飛ばしている作家だ。
 いずれも原作を強く意識しているせいか、原作の設定を尊重した作品になっている。主に使われているのは、夜空と小鷹の幼なじみ設定、夜空が星奈をイジめる設定などだ。前者は特に強い縛りの様に受け止められているようで、何故か各作品の傾向を似通わせる結果となっている気がする。


「ふふん夜空、あたしに友達ができたわ!」「あ?ぞ?」(祐時悠示)
 柏崎星奈にメル友が出来た。それを三日月夜空や隣人部の部員たちに誇らしげに自慢し、嫉妬乙、と言い放つ。今度の休日には初めてリアルで会うらしい。とんでもなく楽しみにしている星奈。
 しかし羽瀬川小鷹は、その裏に悲しい真実が隠されていることを知ってしまう。星奈を絶望の淵から救うため、志熊理科や楠幸村と協力して事態打開に動くのだが…。

「ぼっちは変化球が投げられない」(渡航)
 体育会系じゃないとリア充になれないと思いこんだ隣人部の部員たちが、球場を借りて野球をすることになる。しかし彼らは七人だけ。一体どんな野球になるというのか?
 好きなのか、幽遊白書のセリフが各所に散りばめられている。

「三二四駆」(志端祐)
 学園の倉庫から出て来た懐かしのおもちゃたち。その中でも隣人部の興味を引いたのは、ミニ四駆ならぬ、電池三本で走る三二四駆だった。これには小鷹の子ども時代の思い出がしみ込んでいる。
 そこで、みんなで三二四駆を作って学園でレースをすることになるのだが、普通の勝負になる訳もなく…。

「将棋はとっても楽しいなあ!」(さがら総)
 商店街のくじ引きで将棋盤と駒を強奪?した小鷹は、それを隣人部の部室に置く。何を隠そう、小鷹は将棋が大好きなのだ。なぜなら将棋は一人で出来るから!あれ?
 そんな悲しい小鷹の姿を見た隣人部の部員たちは、みんなで将棋大会を開催することを提案する。だがその勝負は、時に熱く、時に血を吐き、時に心をへし折られる、凄惨な戦いを生みだすことになる。

「魔法少女うんこ☆マリア 第一話 浣善腸悪!魔法少女マリア」(平坂読)
 羽瀬川マリアは、兄・羽瀬川小鷹、姉・羽瀬川ケイトと暮らす10歳の少女だ。ある日彼女は、本屋で出会った謎の少女、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌に、本気のカンチョーをしてしまう。それがあの、凄まじい魔法少女の戦いの序曲であるとは、まだ知る由もなかった。
 理科と契約して、魔法少女になってよ!

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