真野真央作品の書評/レビュー

スリーピング・ストレーガ (3) 恋避離脱の魔術領域

ラブラブ逃避行
評価:☆☆☆★★
 中学二年生の愛する妹の綾瀬真白と二人暮らしである高校一年生の綾瀬君色は、魔術師を統括する《ソサエティ》に繋がる《鍵宮宮殿》の“神装職人”鍵宮玲樹から依頼を受け、妹の鍵宮リオに対し、魔力浪費癖を矯正す「契節約」という潜在魔術を使うことになった。そして、綾瀬君色と鍵宮リオは婚約することになった。
 “闇陶芸師”バーレット・ウォーグらを擁する《大家族》を作り、かつては綾瀬君色の師匠でもあった《凶星魔王》来巻フレアから、綾瀬真白の不幸の源である凶星を解放するためには、フレアの生まれ故郷である異界とこの世界をつなぐ「凶星界放」を行うしかないと知り、鍵宮リオと共に、《大家族》へ駆け落ちすることとなった。

 だが当然、異界とこの世界をつなぐという怪しいことをやろうとしている彼らに対し、《ソサエティ》の代表であるカーシャ・フェルムがツッコミを入れてくる。

 シリーズ最終巻。前巻を買い忘れていたことに気づかず、話が飛んでいて辛かった。もう完結したのに、2巻を買うべきかどうか…?

スリーピング・ストレーガ 転入少女の魔術戦略

燃費の悪いニート魔術師
評価:☆☆☆★★
 中学二年生の愛する妹の綾瀬真白と二人暮らしである高校一年生の綾瀬君色は、ある日、もやしを買って帰る帰り道に、“神装職人”鍵宮玲樹と“闇陶芸師”の魔術バトルに遭遇する。声をかけてくる玲樹を名残惜しげに振り切り、自宅へと戻った君色だったが、翌日、彼のクラスに玲樹の妹の鍵宮リオが転校してくる。
 玲樹は真白の貞操を質にとり、君色にリオとの同棲するお仕事を斡旋してきた。君色には「契節約」という潜在魔術の素養があり、リオの魔力浪費癖を矯正する手伝いをして欲しいらしい。

 妹と別れリオと同棲することになるのだが、金持ちのリオは君色の涙ぐましい節約努力を台無しにし、主に食費で浪費をしまくる。さらには、君色の幼馴染の塙棗を挑発し、同棲していることをクラスで暴露してしまうのだった。

 第8回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作「テンサウザンドの節約術師」を改題。MF文庫的異能学園ラブコメに、はやりだから百合要素を加えてみましたという感じだ。ヒロインのデレ方も唐突で、しかもデレ方が分かりやすいような分かりにくいような、訴求しない感じで物足りない。
 節約一万円生活みたいなフリで始めたのに、ちっともそういう風にならなかったのも誤誘導も甚だしく、結局、どこに特徴を求めたのか曖昧になってしまった気がするのが残念だ。

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